「エスプレッソを飲んでみたいけれど、苦くて飲めなかったらどうしよう」と感じた経験はありませんか?
エスプレッソの苦味は、豆の焙煎度や抽出条件のバランスが崩れたときに強く出るものです。
正しい原因を知り、豆選びや抽出の工夫を加えれば、同じマシンでもぐっと飲みやすい一杯に変わります。
この記事では、苦味が生まれる6つの原因から、苦味をコントロールするテクニック、本場イタリア流の飲み方、苦味を活かしたアレンジレシピまでを幅広くまとめました。
「エスプレッソは好きだけど苦味が気になる」「もっとおいしく飲みたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
- 過抽出・焙煎度・温度・鮮度・汚れ・チャネリングの6要因を整理すれば改善の糸口が見える
- クロロゲン酸ラクトンが苦味の約40〜50%を占め、メラノイジンが約20〜30%を担う
- 88〜90度の低温抽出や挽き目をワンクリック粗くするだけで苦味が穏やかに変わる
- イタリアでは砂糖を加えて2〜3口で飲み干し、甘苦い余韻をデザートのように楽しむ
- カフェラテやアフォガートなど苦味を活かした7種のアレンジが楽しめる
エスプレッソが苦いと感じる6つの原因
エスプレッソが必要以上に苦くなる背景には、豆そのものの特性だけでなく、抽出時の条件が関わっています。
「なんだか今日は苦いな」と感じたときは、以下の6つの原因を順番にチェックしてみてください。
ひとつずつ確認していけば、苦味の原因が見えてきます。
6つの要因を解説していきます。
- 過抽出は苦味成分を必要以上に引き出す最大の原因
- コーヒー豆の焙煎が深すぎると苦味が強まりやすい
- 抽出温度が高すぎると雑味や渋みが混ざる
- 豆の鮮度が落ちると酸化による不快な苦味が出る
- マシンや器具の汚れが嫌な苦味の原因になる
- チャネリングが起きると抽出のムラで苦味が偏る
過抽出は苦味成分を必要以上に引き出す最大の原因
過抽出とは、コーヒー粉からお湯に溶け出す成分が多すぎる状態を指します。
エスプレッソの抽出時間は25〜30秒が目安ですが、これを超えると苦味やえぐみの成分まで溶け出してしまうのです。
粉の挽き具合が細かすぎたり、タンピング圧が強すぎたりすると、お湯がゆっくり通過して過抽出になりやすいので注意が必要です。
「いつもより苦い」と感じたら、まず抽出時間が30秒を超えていないか確認してみてください。
コーヒー豆の焙煎が深すぎると苦味が強まりやすい
もし「どの淹れ方でも苦い」と感じるなら、豆の焙煎度を見直してみてください。
焙煎が進むほどメイラード反応やカラメル化が進みます。
その結果、苦味のもとになる成分が増えていくのです。
フルシティロースト以上のいわゆる「深煎り」は、エスプレッソらしいコクと苦味を生む一方で、苦味に弱い方には飲みにくく感じられることがあります。
シティローストや中深煎り程度の豆に切り替えるだけでも、苦味がやわらぐケースはよくあります。
抽出温度が高すぎると雑味や渋みが混ざる
エスプレッソマシンの標準的な抽出温度は90〜96度とされています。
なお、この温度が高すぎると、苦味だけでなく渋みや焦げたような雑味まで溶け出してしまいます。
とくに深煎りの豆を使う場合は、温度を88〜90度に下げることで苦味が落ち着く傾向があるのです。
マシンの設定温度を1〜2度下げるだけで味の印象が変わるため、苦味が気になったときは温度調整を試してみてください。
豆の鮮度が落ちると酸化による不快な苦味が出る
焙煎してから時間が経ったコーヒー豆は、油分が酸化して嫌な苦味を生みます。
焙煎日から2週間以内の豆を使うのが、おいしいエスプレッソの基本です。
酸化した豆は見た目にもテカリや油浮きが出ることがあり、抽出してもクレマ(泡の層)が薄くなります。
少量ずつ購入し、香りが豊かなうちに使い切ることが不快な苦味を防ぐコツです。
編集部でも焙煎から3週間経った豆と1週間以内の豆で飲み比べたところ、古い豆は後味にざらつくような苦味が残りました。
鮮度の違いは思った以上に味に出ます。
マシンや器具の汚れが嫌な苦味の原因になる
抽出条件を整えても苦味が消えない場合、器具の汚れを疑ってみてください。
ポルタフィルターやグループヘッドには古いコーヒーの油分やカスが蓄積しやすく、これが酸化すると雑味や嫌な苦味の原因になります。
週に1回程度はバックフラッシュ洗浄を行い、ポルタフィルターのバスケットも分解して洗うのがおすすめです。
清掃後に淹れた一杯はクリアな味わいに変わるため、こまめなお手入れを習慣にしてください。
チャネリングが起きると抽出のムラで苦味が偏る
チャネリングとは、コーヒー粉の層にお湯が偏って流れ、特定の箇所だけが過抽出になる現象です。
タンピングが斜めだったり、粉にダマが残っていたりすると発生しやすくなります。
ボトムレスポルタフィルターを使っている方なら、抽出中に液体が一方向から偏って出ていないかチェックするとすぐに気づけます。
WDT(ウェイス・ディストリビューション・テクニック)と呼ばれる細い針で粉をほぐすテクニックを使うと、チャネリングのリスクをかなり抑えられます。
試してみる価値のあるテクニックです。
エスプレッソが苦い理由は「良い苦味」と「悪い苦味」の違いにある
エスプレッソの苦味には「おいしい苦味」と「まずい苦味」の2種類があります。
この違いを知っておくと、自分が飲んでいる一杯がどちらなのかを判断でき、抽出調整の方向性もつかめます。
3つのポイントに分けて解説していきます。
- クロロゲン酸やメラノイジンが生み出す心地よい苦味の正体
- 酸化や過抽出で生まれる雑味混じりの不快な苦味との違い
- クレマの色と厚みで抽出の良し悪しを見分けるコツ
クロロゲン酸やメラノイジンが生み出す心地よい苦味の正体
では、エスプレッソの「良い苦味」をつくっている成分を見ていきましょう。
クロロゲン酸ラクトンはエスプレッソの苦味の約40〜50%を占める成分で、焙煎中にポリフェノールの一種が変化して誕生します。
さらに深煎りが進むとクロロゲン酸ラクトンはフェニルインダンへ分解され、より重厚な苦味とコクを生むのも特徴のひとつです。
メラノイジンはアミノ酸と糖がメイラード反応で結びついた高分子で、苦味の約20〜30%を担う成分です。
どちらも抗酸化作用を持ち、この2つが適度に溶け出した状態こそが「心地よい苦味」の正体と言えるでしょう(参考:全日本コーヒー協会「コーヒーの成分」)。
「苦味の主犯はカフェイン」と思われがちですが、苦味全体に占めるカフェインの割合は10〜15%程度とされています。
エスプレッソの苦味の大部分はクロロゲン酸ラクトンとメラノイジンによるもので、カフェインはあくまで脇役にすぎないのです。
酸化や過抽出で生まれる雑味混じりの不快な苦味との違い
一方、「悪い苦味」は酸化した油分、過抽出で溶け出したタンニン様の成分、焦げたカラメル化合物などが原因です。
良い苦味は口に含んだあと心地よい余韻に変わりますが、悪い苦味は舌や喉にいつまでもまとわりつくような不快感が残ります。
さらに、良い苦味にはほのかな甘みやナッツのような風味が伴うのに対し、悪い苦味にはそうしたポジティブな要素がほとんど含まれていません。
飲んだあとに「渋い」「えぐい」「いつまでも口に残る」と感じたら、それは悪い苦味のサインなので、抽出条件を見直してみてください。
クレマの色と厚みで抽出の良し悪しを見分けるコツ
じつは、抽出の出来栄えをすぐにチェックできる方法があります。
クレマが明るいヘーゼルナッツ色で2〜3mm程度の厚みがあれば、抽出は良好と判断できるでしょう。
逆にクレマが薄い黄色で泡がすぐ消えてしまう場合は、過抽出や豆の鮮度低下が疑われます。
また、クレマが濃い茶色に近い場合は抽出温度が高すぎるか、焙煎が深すぎるサインです。
飲む前にカップを軽く傾けて、クレマの色と厚みをチェックする習慣をつけてみてください。
エスプレッソが苦いときに見直したい豆の選び方と焙煎度
抽出条件を見直しても苦味が強いと感じるなら、豆そのものを変えてみるのが手軽な方法です。
苦味を左右する4つの視点から、豆選びのポイントを整理していきます。
- 中煎りから中深煎りのブレンドは初心者にも飲みやすい
- アラビカ種はロブスタ種より苦味が穏やかになりやすい
- 焙煎日から2週間以内の新鮮な豆を選ぶと雑味が出にくい
- 南米産はバランス型、アジア産はコクが強めと産地でも苦味が変わる
中煎りから中深煎りのブレンドは初心者にも飲みやすい
エスプレッソ用の豆として売られている商品の多くはフルシティ〜フレンチローストの深い焙煎度です。
しかし、苦味が気になるなら中煎り(ミディアム)から中深煎り(シティ)のブレンドを選ぶと飲みやすくなります。
この焙煎帯は苦味とコクのバランスが取れているうえ、豆本来の酸味やフルーティな風味もほどよく残っています。
「エスプレッソ=真っ黒な豆」という固定観念を外して、少し明るめの色合いの豆を試してみるのも良いでしょう。
アラビカ種はロブスタ種より苦味が穏やかになりやすい
コーヒー豆は大きくアラビカ種とロブスタ種に分けられます。
なお、ロブスタ種はカフェイン含有量がアラビカ種の約2倍で、苦味やコクがとても強いのが特徴です。
スペシャルティコーヒーに使われるアラビカ種は糖度が高く、苦味が穏やかでフレーバーの表現も豊かになります。
パッケージに「100%アラビカ」と書かれた豆を選ぶだけでも、苦味の印象はかなり変わるでしょう。
市販のブレンドの中にはコスト削減のためにロブスタ種を20〜30%混ぜているものもあります。
パッケージの品種表記を確認するのがおすすめです。
焙煎日から2週間以内の新鮮な豆を選ぶと雑味が出にくい
コーヒー豆は生鮮食品と同じく鮮度が味を左右します。
焙煎から3日目〜14日目がエスプレッソに適した「飲み頃」とされており、この期間はクレマも厚く、クリアな苦味が楽しめます。
逆に焙煎からひと月以上経った豆は酸化が進み、雑味や嫌な苦味が目立つようになるのです。
少量パック(100〜200g)を購入して2週間以内に使い切るサイクルが、おいしさを保つポイントになります。
南米産はバランス型、アジア産はコクが強めと産地でも苦味が変わる
焙煎度や品種だけが苦味を左右するわけではありません。
| 産地 | 苦味の傾向 | フレーバーの特徴 |
|---|---|---|
| ブラジル | やや穏やか | ナッツ・チョコレート系で万人受けする味わい |
| コロンビア | 穏やか | 甘みと酸味のバランスが良い |
| エチオピア | 弱め | ベリーや柑橘のフルーティさが際立つ |
| インドネシア(マンデリン) | 強い | スパイシーで深いコクがある |
| ベトナム(ロブスタ一般) | とても強い | 力強い苦味とどっしりした重さ |
苦味が苦手な方は、まずブラジルやコロンビアの中煎りから始めてみてください。
エスプレッソが苦いと感じたら試したい4つの抽出テクニック
豆を変えなくても、抽出条件を微調整するだけで苦味は変わります。
自宅のマシンで今日から試せる4つのテクニックを順番に解説していきます。
- 挽き目をワンクリック粗くして抽出時間を短くする
- 抽出温度を88〜90度に下げると苦味が丸くなる
- 抽出量は30mlを目安にして旨味だけを凝縮する
- タンピング圧とWDTで粉を均一にならして抽出のムラを防ぐ
挽き目をワンクリック粗くして抽出時間を短くする
苦味を感じたときに最も手軽な対処法は、グラインダーの挽き目を1段階だけ粗くすることです。
粉を粗くするとお湯の通過速度が上がるため、抽出時間が短くなり苦味やえぐみの成分が溶け出しにくくなります。
エスプレッソ用グラインダーは「ワンクリック」の変化でも味に差が出るため、一度に2段階以上変えるのは避けてください。
変更前と変更後で飲み比べて、好みの味に近づけていくとよいでしょう。
抽出温度を88〜90度に下げると苦味が丸くなる
もし使っているマシンに温度設定機能があるなら、ぜひ試してほしいテクニックです。
深煎りの豆を使う場合、抽出温度を標準の93度前後から88〜90度程度まで下げると、苦味のトゲが取れてまろやかな味わいに変わります。
温度が低いと溶け出す苦味成分が減り、かわりに酸味や甘みが前に出てくるためです。
ただし下げすぎると今度は酸味が強くなりすぎるため、1〜2度ずつ微調整していくのがポイントになります。
マシンによっては設定後に安定するまで数分かかるものがあります。
温度を変えた直後ではなく、2〜3杯目から味を確認するようにしてください。
抽出量は30mlを目安にして旨味だけを凝縮する
エスプレッソの抽出では、最初に出てくる液体に旨味や甘みの成分が集中しています。
シングルショットなら約25〜30ml、ダブルなら約50〜60mlで止めるのが標準です。
それ以上抽出を続けると薄い苦味やえぐみの成分が増えてしまうため、「おいしいところだけを取る」感覚で適切なタイミングで抽出を止めてください。
キッチンスケールで重量を量りながら抽出すると、毎回安定した味に仕上げられます。
タンピング圧とWDTで粉を均一にならして抽出のムラを防ぐ
前述したチャネリングを防ぐには、タンピングとWDTの2つがポイントになります。
タンピングは水平に15〜20kgで均一に押さえるのが基本で、斜めに押すと密度にムラが生まれてしまいます。
WDTはバスケット内の粉を細い針でほぐすテクニックで、グラインダーから落ちた粉のダマを解消できます。
0.35〜0.4mm程度の針で円を描くように攪拌すれば、抽出の均一性が大きく向上します。
-
1
WDTツールでバスケット内の粉をほぐしてダマを解消する
-
2
レベリングツールで粉面をフラットにならす
-
3
タンパーで水平に15〜20kgの力で押し固める
-
4
ポルタフィルターをセットして25〜30秒で抽出する
エスプレッソが苦いときに試したいイタリア流の飲み方
「苦い=おいしくない」という先入観がある方に知っていただきたいのが、本場イタリアのエスプレッソ文化です。
イタリア人はエスプレッソを「苦い飲み物」ではなく、「コクと甘みの凝縮した」飲み物として楽しんでいるのです。
3つのコツを解説していきます。
- 砂糖をたっぷり加えるのが本場イタリアの定番スタイル
- 飲む前に水で口をリセットすると風味がクリアになる
- 抽出後すぐに2〜3口で飲み切ると香りと甘みが際立つ
砂糖をたっぷり加えるのが本場イタリアの定番スタイル
エスプレッソの苦味を楽しむうえで、砂糖は欠かせない存在です。
イタリアでは、スプーン1〜2杯の砂糖を加えてかき混ぜずに飲むのが一般的です。
砂糖がカップの底に沈み、飲み進めるうちにほろ苦さと甘みのコントラストが変化していく過程を楽しむのがイタリア流になります。
飲み干したあとに底に残った砂糖をスプーンですくう習慣もあり、デザート感覚の一杯としてとらえている方が多いのです。
飲む前に水で口をリセットすると風味がクリアになる
イタリアのカフェでは、エスプレッソと一緒に小さなグラスの水が出てくることがあります。
この水は「口の中をリセットするため」に用意されたものです。
食事やお菓子の後味が残っている状態でエスプレッソを飲むと、本来の風味がぼやけてしまうため、先に水で口をすっきりさせておくのがおすすめです。
一口水を含んでからエスプレッソを飲むだけで、苦味のなかに隠れた甘みや酸味をより鮮明に感じ取れるようになるでしょう。
抽出後すぐに2〜3口で飲み切ると香りと甘みが際立つ
エスプレッソはドリップコーヒーのように時間をかけて飲む飲み物ではありません。
抽出直後の温度が高い状態で、2〜3口でクイッと飲み干すのがイタリアの基本スタイルです。
時間が経つとクレマは消え、温度も下がって苦味だけが舌に残りやすくなります。
抽出後30秒以内に飲み始めるのが理想で、この飲み方をすると苦味よりも香りや甘みのほうが際立つことに気づくはずです。
編集部でも「すぐ飲む」と「5分放置してから飲む」を比べましたが、すぐ飲んだほうが甘みを感じやすく、苦味のトゲも少ないと全員が感じました。
エスプレッソが苦いと感じる人でも楽しめるアレンジレシピ7選
そのまま飲むのが苦手でも、ミルクや炭酸と組み合わせることでエスプレッソの苦味はぐっと飲みやすくなります。
苦味を活かした7つの定番アレンジを順に解説していきます。
- カフェラテはミルクの甘みで苦味がまろやかになる
- カプチーノのフォームミルクが苦味をふんわり包み込む
- アメリカーノはお湯で割ることで苦味がすっきり薄まる
- アフォガートはバニラアイスと苦味のコントラストが楽しめる
- エスプレッソトニックは炭酸の爽やかさで苦味が引き締まる
- マキアートは少量のミルクでエスプレッソの風味を残しつつ飲みやすくなる
- シェケラートは氷でシェイクして夏にぴったりの冷たい一杯になる
カフェラテはミルクの甘みで苦味がまろやかになる
エスプレッソの苦味対策として最もポピュラーなのがカフェラテです。
スチームミルク150〜200mlにエスプレッソ30mlを注ぐと、ミルクの乳糖由来の甘みが苦味をやわらげてくれます。
キャラメルソースやバニラシロップを加えれば、カフェのような風味に仕上がるのもカフェラテならではの楽しみ方です。
カフェオレとカフェラテの違いを参考に、豆乳やオーツミルクに替えると、さらに甘みが増して飲みやすくなるでしょう。
自宅で作る場合は先にカップにミルクを注ぎ、上からゆっくりエスプレッソを流し入れると層がきれいに出ます。
カプチーノのフォームミルクが苦味をふんわり包み込む
カプチーノは、エスプレッソにスチームミルクとフォーム(泡)をほぼ同量ずつ注いだドリンクです。
たとえば、ラテよりも泡の割合が多いため、口当たりが軽くふわふわとした飲み心地になるのが特徴です。
泡がエスプレッソの苦味と口の中で混ざり合い、苦味がクッションに包まれたようにやわらぐのがカプチーノならではの味わいになります。
朝食のお供にぴったりの一杯です。
アメリカーノはお湯で割ることで苦味がすっきり薄まる
「エスプレッソの風味は好きだけど、もう少し薄めに飲みたい」という方にはアメリカーノが向いています。
エスプレッソ30mlを90〜120mlのお湯で割るだけで、ドリップコーヒーに近いすっきりした一杯が完成します。
お湯の量を増やせばさらに苦味が薄まるため、自分好みの濃さに調整しやすいのも嬉しいところです。
アイスで楽しむなら、グラスいっぱいの氷にエスプレッソと冷水を注いでください。
アフォガートはバニラアイスと苦味のコントラストが楽しめる
アフォガートはイタリア語で「溺れた」を意味するデザートです。
バニラアイスにエスプレッソをかけると、冷たい甘さと熱い苦味が同時に口の中で交差する贅沢な味わいを楽しめます。
アイスが少しずつ溶けてエスプレッソと混ざり合い、「甘い → 甘苦い → 苦い」と一口ごとに味が変化していくのがアフォガートの醍醐味です。
食後のデザートにすると、エスプレッソの苦味が苦手な方でも自然に楽しめる一杯になります。
エスプレッソトニックは炭酸の爽やかさで苦味が引き締まる
近年のカフェシーンで存在感を増しているのがエスプレッソトニックです。
グラスいっぱいの氷にトニックウォーターを注ぎ、最後にエスプレッソを静かに流し入れると、きれいな2層のドリンクが出来上がります。
トニックウォーターのほのかな甘みと炭酸が、エスプレッソの苦味をシャープに引き締めてくれるのです。
暑い時期やすっきりした味わいが好みの方にはぴったりの一杯になります。
マキアートは少量のミルクでエスプレッソの風味を残しつつ飲みやすくなる
マキアートはイタリア語で「染みのついた」という意味を持ちます。
エスプレッソにスプーン1杯程度のフォームミルクを落としたシンプルなドリンクで、ミルクの量が少ないぶんエスプレッソ本来の風味をしっかり味わえるのです。
マキアートはカフェラテほど甘くなく、ストレートよりは飲みやすいという「ちょうど良い」立ち位置が人気の理由です。
シェケラートは氷でシェイクして夏にぴったりの冷たい一杯になる
シェケラートはイタリア発のアイスエスプレッソドリンクです。
抽出したてのエスプレッソに砂糖を加え、カクテルシェーカーに氷と一緒に入れて勢いよくシェイクすると、きめ細かい泡が立ったクリーミーなアイスコーヒーが完成します。
シェイクすることで空気が含まれ、口当たりがなめらかになるため、苦味が苦手な方でもアイスデザート感覚で楽しめるのです。
カクテルグラスに注ぐと見た目にも涼しげな一杯になります。
編集部がエスプレッソの苦味を挽き目3段階で比べてみた
「挽き目で苦味が変わる」と言われても、どれくらい違うのか想像しにくい方も多いのではないでしょうか?
そこで編集部では同じ豆を使って挽き目を3段階に変え、苦味の違いを5段階で評価しました。
結果を3つのポイントに分けてお伝えしていきます。
- 同じ豆で「細挽き・中細挽き・やや粗挽き」の3パターンを抽出した
- 苦味の強さ・クレマの量・飲みやすさを5段階で評価した
- 一番バランスが良かったのは中細挽きの25秒抽出だった
同じ豆で「細挽き・中細挽き・やや粗挽き」の3パターンを抽出した
使用した豆はブラジル・サントスの中深煎り(焙煎から10日目)で、デロンギのセミオートマシンで抽出しています。
粉量は3パターンとも18g(ダブルバスケット)に統一し、挽き目だけを変えて比較しています。
細挽き(グラインダー目盛り6)・中細挽き(目盛り8)・やや粗挽き(目盛り10)の3段階で、それぞれ3杯ずつ淹れて平均的な味を評価しました。
抽出量はスケールで36gにそろえ、条件をなるべく統一することで挽き目の違いだけを比較できるようにしてあります。
苦味の強さ・クレマの量・飲みやすさを5段階で評価した
編集部の3名がブラインド(挽き目を知らない状態)で試飲し、それぞれ5段階でスコアをつけました。
| 項目 | 細挽き | 中細挽き | やや粗挽き |
|---|---|---|---|
| 苦味の強さ | 5 | 3 | 2 |
| クレマの量 | 4 | 4 | 2 |
| 飲みやすさ | 2 | 5 | 4 |
| 抽出時間 | 約35秒 | 約25秒 | 約18秒 |
細挽きは苦味が強すぎて「えぐみに近い」というコメントがあった一方、やや粗挽きは「あっさりしすぎてエスプレッソ感がない」という声が出ています。
細挽きでは抽出時間が35秒まで延び、苦味だけでなく渋みも感じられました。
30秒を超える場合は確実に挽き目を粗くする方向で調整してください。
一番バランスが良かったのは中細挽きの25秒抽出だった
3名全員が「飲みやすさ」で最高スコアをつけたのは中細挽きでした。
抽出時間は約25秒で、苦味・酸味・甘みのバランスが一番良く、クレマも厚めに出ていたのが特徴です。
苦味はしっかり感じられるものの、後味に嫌な渋みは残りません。
飲み終えたあとにチョコレートのような余韻が心地よく続きます。
エスプレッソを始めたばかりの方は、まず中細挽き・25秒抽出を目安にすると失敗しにくいはずです。
粗挽きの一杯はクレマがほとんど出ず、見た目にもエスプレッソらしさが物足りない印象でした。
挽き目ひとつでここまで味と見た目が変わるのかと、改めて驚かされる結果です。
エスプレッソが苦いと感じる方へのよくある質問
エスプレッソの苦味についてよく寄せられる6つの疑問にお答えします。
気になる項目からチェックしてみてください。
エスプレッソはドリップコーヒーより苦いですか?
エスプレッソはドリップコーヒーに比べて濃度が高いため、味覚として「苦い」と感じやすいのは事実です。
ただし、1杯あたりの量はエスプレッソが約30ml、ドリップが約150mlと大きく異なります。
「一口」で比べれば苦みは強いですが、飲む量が少ないぶん口の中に残る苦みの時間は短いのが特徴です。
エスプレッソのカフェイン量は苦味に比例して多いですか?
苦味とカフェイン量は比例しません。
エスプレッソの苦味の主な原因はクロロゲン酸ラクトンやメラノイジンであり、カフェインが苦味全体に占める割合は10〜15%程度にすぎないのです。
さらに、深煎りの豆は焙煎の過程でカフェインがわずかに減少するため、苦味が強い=カフェインが多いとは限りません(参考:食品安全委員会 カフェインのファクトシート)。
苦味の少ないエスプレッソ豆のブランドはどこがおすすめですか?
苦味が穏やかなエスプレッソ豆を探しているなら、以下のようなブランドが参考になるでしょう。
illy(イリー)のクラシコは中煎りのブレンドで、苦味と甘みのバランスが良い定番です。
ラバッツァのクオリタ・ロッサもアラビカ種とロブスタ種のブレンドで比較的マイルドに仕上がっています。
焙煎日が新しいスペシャルティコーヒーの中煎り〜中深煎りを選ぶのも良い選択です。
デカフェのエスプレッソでも苦味は感じますか?
はい、デカフェでもエスプレッソらしい苦味は感じられます。
苦味の主要因はクロロゲン酸ラクトンやメラノイジンであり、これらはカフェイン除去の工程ではほぼ変化しません。
ただし脱カフェインの過程で風味が若干落ちることがあるため、通常の豆よりコクが軽めに感じる場合もあるでしょう。
なお、水出しコーヒーのような低温抽出法とは異なり、エスプレッソは高温・高圧で一気に抽出するため、デカフェでも苦味成分はしっかり引き出されるのが特徴です。
リストレットはエスプレッソより苦味が少ないですか?
リストレットは通常のエスプレッソよりも抽出時間が短いため、苦味が出にくい傾向があります。
同じ量の粉で半分の湯量(15〜20ml)を抽出するため、甘みやフルーティさが際立ち、苦味が穏やかになるのです。
スタバではカスタマイズで「リストレットに変更」が可能なので、苦味が気になる方はぜひ試してみてください。
エスプレッソが苦い場合にミルクと砂糖はどちらが合いますか?
どちらもそれぞれの良さがあります。
ミルクは苦味をまろやかに包み込み、砂糖は苦味と甘みのコントラストで別の味わいをつくります。
「苦味自体を減らしたい」ならミルク(カフェラテやマキアート)が向いています。
一方で「苦味を楽しみつつ甘さも欲しい」なら、イタリア式に砂糖を加える飲み方がぴったりです。
【まとめ】エスプレッソが苦い原因を知ればもっとおいしくなる
- 苦味の6大原因は過抽出・深煎り・高温・鮮度低下・汚れ・チャネリング
- クロロゲン酸とメラノイジンの「良い苦味」と、酸化や過抽出の「悪い苦味」は別物
- 中煎り〜中深煎りのアラビカ種ブレンドを選ぶと苦味が穏やかになる
- 挽き目を粗くする・温度を下げる・30mlで止めるの3つで苦味をコントロールできる
- 砂糖を加えて2〜3口で飲み干すのがイタリア流
- カフェラテやアフォガートなど7種のアレンジで苦味を楽しめる
エスプレッソの苦味は「原因を知れば改善できる」し、「うまく活かせばおいしさの幅を広げてくれる」ものです。
過抽出を防ぐための挽き目の調整や、豆の鮮度管理といった基本を押さえるだけで、苦味の質はぐっと変わります。
それでも苦みが強いと感じるときは、カフェラテやアフォガートなどのアレンジレシピで新しいおいしさに出会ってみてください。
この記事をきっかけに、エスプレッソの苦味が「苦手」から「好き」に変わる一杯を見つけていただければ嬉しいです。
