「自分でもカフェのようなラテアートが描けたらいいのに」と思ったことはありませんか?
ラテアートはエスプレッソとミルクがあれば自宅でも始められます。
ハートなら練習を数週間続けるだけで形になることが多く、道具やコーヒーの淹れ方を知ればぐっとハードルが下がります。
この記事では、初めてラテアートに挑戦する方に向けて、道具の選び方からハート・リーフ・チューリップの描き方、マシンなしでの楽しみ方まで、やり方を一つずつ順番にまとめました。
- ラテアートはフリーポアとエッチングの2種類にわかれる
- 家庭用エスプレッソマシンと12ozピッチャー、成分無調整牛乳で始められる
- ミルクの温度は60〜65℃が甘みと泡のバランスが良い
- ハートは「高い位置で注ぐ→液面に近づける→手前に引く」の3段階で描ける
- リーフはピッチャーを左右に振りながら後退させ、チューリップは丸を重ねて一本線で切る
- マシンがなくてもミルクフォーマーやフレンチプレスで練習できる
- 毎日1〜2杯を2週間続けるとハートが安定してくる
ラテアートとは?エスプレッソとミルクで描くカップのアート
カフェで受け取ったカプチーノに白いハートが浮かんでいると、それだけで気分が上がるものです。
ラテアートは、エスプレッソの上にきめ細かいスチームミルクを注ぎ入れて模様を描く技法です。
見た目の美しさだけでなくミルクとエスプレッソの味わいを調える役割もあるため、基本の手順とコツを順番に解説します。
- ラテアートはエスプレッソにスチームミルクを注いで模様を描く技法
- フリーポアとエッチングの2種類がある
- カフェラテやカプチーノの仕上げとして世界中のバリスタに親しまれている
- 初心者でも自宅で練習を重ねれば描けるようになる
ラテアートはエスプレッソにスチームミルクを注いで模様を描く技法
ラテアートの基本は、抽出したエスプレッソにきめ細かく泡立てたスチームミルクを注ぎ、表面に白い模様を浮かび上がらせることです。
茶色いクレマ(エスプレッソの泡)と白いミルクのコントラストが、ハートやリーフといったデザインを生み出します。
カップの中のエスプレッソに対してミルクを注ぐ高さや速さ、ピッチャーの角度を変えるだけで模様がまったく違ってくるのがおもしろいところです。
最初は円を描くのも難しく感じるものですが、原理を理解すればどんどん上達していけます。
フリーポアとエッチングの2種類がある
ラテアートには「フリーポア」と「エッチング」の2つの手法があります。
フリーポアは、ミルクを注ぐ動作だけでハートやリーフを描くスタイルです。
ピッチャーのコントロールがそのまま模様に反映されるため、バリスタの腕が問われます。
一方のエッチングは、注いだ後のミルク表面をピックやスプーンで動かして絵を描く方法です。
動物の顔やメッセージなど自由なデザインを表現できるため、絵を描くのが好きな方にぴったりでしょう。
カフェラテやカプチーノの仕上げとして世界中のバリスタに親しまれている
ラテアートはイタリアのバリスタ文化から広まったとされ、いまでは世界各地のカフェで日常的に楽しまれています。
日本でもフリーポアー・ラテアート・グランプリ東京のようなコンテストが開催されており、趣味で楽しむ愛好家も増えてきました。
カフェラテやカプチーノの仕上げとして描かれるのが一般的ですが、抹茶ラテやココアに応用する方もいます。
初心者でも自宅で練習を重ねれば描けるようになる
「ラテアートはプロだけの技術」と思われがちですが、基本のハートなら道具をそろえて毎日練習すれば数週間で形になるのが実際のところです。
最近は家庭用エスプレッソマシンの性能が上がっており、自宅のキッチンでもカフェに近い環境を作れるようになりました。
この記事を読み進めながら、一つずつステップを踏んでいってください。
ラテアートを始める前にそろえたい道具と材料
ラテアートに使う道具は思いのほか少なく、最低限あれば始められるものばかりです。
ここでは「何をそろえればいいかわからない」という方に向けて、ひとつずつ確認していきます。
- エスプレッソマシンのスチーム機能でミルクを泡立てられる
- グラインダーとタンパーがあるとエスプレッソの質が安定する
- ミルクピッチャーは注ぎ口の細いタイプが描きやすい
- 牛乳は成分無調整タイプを選べばきめ細かい泡になる
- 口径が広く内側の丸いカップが注ぎやすい
- マシンがなくてもミルクフォーマーやフレンチプレスで代用できる
エスプレッソマシンのスチーム機能でミルクを泡立てられる
ラテアートのベースになるのは、しっかり抽出されたエスプレッソです。
家庭用エスプレッソマシンなら、抽出とスチーミングの両方を1台でまかなえます。
1〜3万円台の半自動タイプでも十分なスチーム性能を持つモデルが多く、デロンギ「スティローザ」は約2万円台の入門機として人気があります。
スチーム機能が付いていれば、きめ細かいフォームミルクを自分で作れるため、フリーポアの練習を始められます。
グラインダーとタンパーがあるとエスプレッソの質が安定する
市販のプリグラインド(挽き済み)を使うことも可能ですが、グラインダーで豆を挽きたてにするとクレマの厚みが大きく変わります。
ラテアートではクレマが「キャンバス」になるため、ここが薄いと模様がぼやけてしまいます。
あわせてタンパーでポルタフィルター内のコーヒー粉を均一に押し固めると、ムラのない抽出が実現してクレマも安定するのです。
ミルクピッチャーは注ぎ口の細いタイプが描きやすい
ラテアートに使うミルクピッチャーには、注ぎ口や容量によっていくつかの形状の違いがあります。
家庭用には12oz(約350ml)のステンレス製がおすすめで、注ぎ口が細くシャープな「シアトルタイプ」だとミルクの流量を細かくコントロールしやすくなっています。
イタリアタイプ(注ぎ口が丸い)はミルクが広がりやすく、ハートのような大きめのデザインに向いているため、好みや描きたい模様で選ぶと良いです。
初めて買う場合は12ozのシアトルタイプを1つ用意して、慣れてきたら形状違いを追加するのが経済的です。
内側にml目盛りがあるものだと毎回のミルク量を一定にしやすくなります。
牛乳は成分無調整タイプを選べばきめ細かい泡になる
スチーミングの仕上がりに大きく影響するのが牛乳の種類です。
乳脂肪分3.5%以上の成分無調整牛乳は、タンパク質と脂肪のバランスが良いため空気を抱き込みやすく、きめ細かく安定したマイクロフォームを作りやすいとされています。
低脂肪牛乳や成分調整牛乳でもラテアート自体は不可能ではありませんが、泡が粗くなりがちで模様の輪郭がぼやけやすいため、練習段階では成分無調整タイプを選ぶのが無難です。牛乳の種類別の違いについては、全日本コーヒー協会の公式サイトも参考になります。
口径が広く内側の丸いカップが注ぎやすい
カップは意外と見落としがちなポイントです。
口径が広く、内側が丸みを帯びた形状のカップを使うと、ミルクが均一に広がりやすくなります。
6oz(約180ml)前後の「ラテボウル」はラテアート用に設計されており、浅めの形が模様を見やすくしてくれます。
深すぎるマグカップは液面が遠くなるためピッチャーとの距離をコントロールしにくく、初心者のうちは避けたほうが良いです。
マシンがなくてもミルクフォーマーやフレンチプレスで代用できる
「エスプレッソマシンはまだ買えない」という方も心配はいりません。
電動ミルクフォーマー(100均でも手に入ります)やフレンチプレスのプランジャーを上下させる方法でも、ある程度のフォームミルクは作れます。
濃いめに淹れたドリップコーヒーやインスタントコーヒーをエスプレッソ代わりにすれば、エッチングや簡単なフリーポアの練習は十分に始められます。
ラテアートのやり方はエスプレッソの抽出から始まる
ミルクの準備に意識が向きがちですが、ラテアートの基本はあくまでもエスプレッソです。
クレマがきれいに出ているかどうかで模様のコントラストが変わるため、抽出の手順を順番に見ていきます。
- 極細挽きの豆をフィルターに詰めてタンピングする
- 抽出温度は90〜96℃で約25〜30秒かけて抽出する
- きれいなクレマが出ていればラテアートのキャンバスとして合格
極細挽きの豆をフィルターに詰めてタンピングする
エスプレッソ用の豆は極細挽きにします。
粉の粒度がパウダー状に近いほど、短い抽出時間で濃厚なコーヒー液を引き出せるためです。
ポルタフィルターに粉を入れたら、水平な場所でタンパーを使って均一に押し固めてください。
タンピングにムラがあると、お湯が偏った道筋を通る「チャネリング」が起こります。
この状態ではエスプレッソの味が安定しません。
タンピングの強さは約15〜20kgが目安です。
体重をかけすぎるとお湯が抜けにくくなり、抽出が遅れて雑味が出やすくなります。
抽出温度は90〜96℃で約25〜30秒かけて抽出する
エスプレッソの抽出温度は一般的に90〜96℃が適正とされています。
この範囲を外れると、低温すぎれば酸味が強くなり、高温すぎれば苦味や渋みが立ってしまいます。
抽出時間の目安は約25〜30秒で、シングルショットで約25〜30mlの液体を得るのが理想です。
マシンのゲージや計量カップを使いながら毎回チェックすると、安定したエスプレッソを繰り返し淹れられるようになります。
きれいなクレマが出ていればラテアートのキャンバスとして合格
抽出が終わったカップを見て、表面に赤褐色〜黄金色のクレマが均一に広がっていればOKです。
クレマの厚みは2mm前後が理想的で、薄すぎるとミルクとのコントラストが生まれず模様がぼんやりしてしまいます。
クレマが出ないときは、豆の鮮度(焙煎から2週間以内が目安)や挽き目、タンピングの圧を見直してみてください。
ラテアートはミルクのスチーミングが仕上がりを左右する
「ラテアートの8割はスチーミングで決まる」と言われるほど、ミルクの泡立て方は仕上がりに直結します。
ここからは具体的な手順とコツを順番に確認していきます。
- 冷たい牛乳をスチームノズルで空気を含ませる
- フォーミングとテクスチャリングの2段階で泡をきめ細かくする
- ミルクの温度は60〜65℃で甘みと泡立ちのバランスが取れる
- きめ細かいマイクロフォームが模様のコントラストを生む
冷たい牛乳をスチームノズルで空気を含ませる
ミルクピッチャーに冷蔵庫から出したばかりの冷たい牛乳を注ぎます。
冷たい状態でスタートする理由は、目標温度(60〜65℃)に達するまでの時間が長くなるぶん、じっくり泡を整えられるからです。
スチームノズルを液面のすぐ下にセットし、蒸気を全開にすると「チチチ」という軽い音がして空気が入り始めます。
ピッチャーの注ぎ口のすぐ下あたりまで牛乳を入れるのが適量です。
多すぎるとスチーム中にあふれ、少なすぎると泡が粗くなりやすい点に気をつけてください。
フォーミングとテクスチャリングの2段階で泡をきめ細かくする
スチーミングはフォーミング(空気を入れる)とテクスチャリング(泡を潰して均一にする)の、大きく2つの段階に分かれます。
フォーミングは牛乳の温度が30〜40℃に達するまでに完了させ、ミルクのかさが約1.2〜1.3倍になるのが目安です。
そのあとノズルをやや深めに沈めて対流を起こし、泡をつぶしていきます。
テクスチャリングの工程をしっかり行うことで、ツヤのある滑らかなマイクロフォームに仕上がるのです。
ミルクの温度は60〜65℃で甘みと泡立ちのバランスが取れる
ミルクは60℃前後で甘みを最も感じやすくなり、65℃を超えると甘みが失われるうえに独特の臭みが出始めます。
- 60〜65℃:甘みと泡の安定性が両立する温度帯
- 70℃以上:タンパク質が変性して泡がボソボソになり、ラテアートには使えない
慣れないうちはピッチャーに温度計を取り付けて、手のひらでの感覚と数値の両方を合わせていくとスムーズです。
きめ細かいマイクロフォームが模様のコントラストを生む
スチーミングがうまくいくと、ミルクの表面がペンキのような光沢を持つ「マイクロフォーム」に仕上がります。
泡の粒が目に見えないほど細かいため、エスプレッソの上に注いだ瞬間に白く浮かび上がり、模様の輪郭がくっきり出るのです。
逆に泡が粗いと白い部分がまだらになり、ハートを描いても丸い塊にしかならないでしょう。
スチーミング後にピッチャーの底をカウンターに「トントン」と軽く打ちつけ、泡を叩いてから円を描くように数回回すと表面がさらになめらかに整います。
ラテアートのやり方基本編!フリーポアでハートを描く手順
いよいよ実際に描いていきます。
フリーポアで最初に練習するのはハートです。
シンプルな形ながら、ミルクの注ぎ方のすべてが凝縮されているため、一つずつ手順を確認していきます。
- カップを傾けてエスプレッソの深い部分にミルクを落とす
- 高い位置から細くミルクを注いでキャンバスを作る
- カップの2/3までたまったらピッチャーを液面に近づける
- 白い丸が浮いたら手前にスッと引いてハートの先を作る
カップを傾けてエスプレッソの深い部分にミルクを落とす
カップを自分の体のほうへ約30〜45度傾けます。
こうすることで液面の深い部分にミルクを流し込みやすくなり、最初はエスプレッソの下にミルクが潜り込むかたちになります。
序盤でクレマの表面を崩さないことが、きれいな模様を描くための基本です。
カップを持つ手はリラックスさせ、ピッチャーを持つ手に集中してください。
高い位置から細くミルクを注いでキャンバスを作る
ピッチャーの注ぎ口を液面から約5〜8cmほど上に持ち上げ、細い線を描くようにミルクを注ぎます。
高い位置から落とすとミルクが勢いよくエスプレッソに沈み、表面には白い跡がほとんど残りません。
この段階を「キャンバス作り」と呼び、ミルクとエスプレッソが下で混ざりながらカップの液量が増えていきます。
焦って注ぎ口を下げるとミルクが表面に浮いてしまうため、液面がカップの半分を超えるまではガマンが大切です。
カップの2/3までたまったらピッチャーを液面に近づける
液面がカップの2/3くらいまで上がったら、注ぎ口を液面ギリギリ(1cm以下)まで下げます。
距離が近くなるとミルクのフォーム(泡)が沈まずに表面に浮き、白い丸が現れ始めます。
同時にカップの傾きを徐々に戻して水平に近づけていくと、液面が広がって模様が映えやすくなります。
このとき注ぐスピードを少しだけ上げると白い部分がはっきり広がります。
白い丸が浮いたら手前にスッと引いてハートの先を作る
白い丸がカップの中央あたりに浮かんだら、ピッチャーを少し持ち上げてミルクの線を細くしてください。
丸の中心を手前に向かって一直線に横切るように引くと、ハートの下端が尖って形が完成するのです。
引くスピードが遅いとハートの先が太くなり、速すぎると切れ目が浅くなります。
数回繰り返して自分のリズムを見つけてみてください。
ハートがいびつになるときは、カットの方向がまっすぐかどうかをチェックしてみてください。
手首だけでなく腕全体をまっすぐ引くと安定します。
リーフとチューリップに挑戦!ラテアートのやり方応用編
ハートが安定して描けるようになったら、次のステップに進んでみてください。
リーフ(ロゼッタ)とチューリップは、フリーポアの中でも特に人気が高いデザインです。
それぞれの描き方を確認していきます。
- リーフ(ロゼッタ)はピッチャーを左右に振りながら後退させて描く
- チューリップは丸を重ねて最後に一本線で切るデザイン
- ハートが安定して描けるようになってから移ると上達が早い
リーフ(ロゼッタ)はピッチャーを左右に振りながら後退させて描く
リーフはハートと同じくミルクを液面に浮かせるところまで手順が共通しています。
白い丸が浮かび始めたら、注ぎ口を左右に細かく振りながらカップの奥から手前に後退させていきます。
振り幅を少しずつ小さくしていくと、葉先がきれいに細くなるのがポイントでしょう。
最後にハートと同じように手前に向かって一直線にカットすれば、葉脈の中心線が通ったリーフが完成します。
振りの速度と後退のスピードを一定にするのが最初は難しいですが、水を使った「水練」で動きだけを繰り返すと体が覚えてくれるのです。
チューリップは丸を重ねて最後に一本線で切るデザイン
チューリップは、ミルクの白い丸を「押し込み→止め→押し込み」と繰り返して複数の層を重ねるパターンです。
1投目の丸を作ったら一度ミルクを切ります。
少し手前から2投目を注いで1投目を押し込むイメージで進めてください。
3〜4投を重ねたら、最後に中心をハートと同じようにカットすれば花のような形が浮かび上がります。
注ぐ→止める→注ぐのリズムが独特で、最初はミルクが溢れがちでしょう。
カップへの液量配分を「キャンバス多め・模様少なめ」に意識すると余裕が生まれるので、試してみてください。
ハートが安定して描けるようになってから移ると上達が早い
リーフやチューリップは、ハート以上にミルクの流量コントロールが必要です。
ハートが10回中7〜8回は成功する段階に達してから挑戦すると、変な癖がつかず上達が速いケースが多いのです。
ピッチャーの振り幅や注ぎの断続など、新しい動きを一つずつ足していくつもりで練習してみてください。
エッチングを使ったラテアートのやり方!イラストや文字も描ける
フリーポアはピッチャーの動きで模様が決まりますが、エッチングならもっと自由なデザインが楽しめます。
絵心に自信がない方でも意外と手軽に模様が描けるので、その手順を順番に確認していきます。
- ピックやスプーンの先で表面のミルクを動かして模様を描く
- 動物の顔やメッセージなど自由度の高いデザインが楽しめる
- チョコソースやココアパウダーで色のバリエーションが広がる
ピックやスプーンの先で表面のミルクを動かして模様を描く
エッチングでは、まずエスプレッソの上にフォームミルクを平らに注ぎ、白一色のキャンバスを作ります。
竹串やラテアートピック、スプーンの先端でミルクとエスプレッソの境界を動かして絵を描くのです。
チョコレートソースで線を引いてからピックで横切ると、きれいなマーブル模様やハート模様ができます。
フリーポアのように注ぎながら描く緊張感がないぶん、ゆっくり作業できるのがエッチングの良いところです。
動物の顔やメッセージなど自由度の高いデザインが楽しめる
エッチングなら、クマやネコの顔、「Happy Birthday」などの文字メッセージまで幅広く描けます。
ミルク表面にチョコソースで目と鼻の位置を打ってから、ピックで口や輪郭を足していくと手早くキャラクターが完成するのです。
SNSに投稿したり誕生日のサプライズに使ったりと活躍する場面が多いのもエッチングの楽しさでしょう。
チョコソースやココアパウダーで色のバリエーションが広がる
エッチングではチョコレートソースやキャラメルソース、ココアパウダーを使うと、茶色と白の二色だけでは出せない表現ができます。
ソースを細い線状に絞り出してから横方向にピックで流すと、木の葉のような模様が生まれます。
ココアパウダーをステンシル(型紙)越しに振りかける方法もあり、型紙を自作すればオリジナルデザインが作れます。
ココアを使ったアレンジに興味がある方は、「コーヒーとココアを混ぜるとどうなる?究極の黄金比と作り方」もあわせてご覧ください。
竹串は先が太いため、細かい模様には100均でも買えるラテアートピック(先端がニードル状)が便利です。
チョコレートソースは「細口ボトル」に詰め替えると線を引きやすくなります。
ラテアートのやり方で3Dラテアートにも挑戦してみよう
平面のフリーポアやエッチングに慣れてきたら、立体的な3Dラテアートにもトライしてみませんか?
ミルクフォームで動物やキャラクターを作るスタイルで、SNSでも「かわいい」と注目されています。
作り方を一つずつ見ていきます。
- 3Dラテアートはミルクフォームを立体的に盛り付けるスタイル
- 固めの泡をスプーンですくってカップにのせる
- 竹串やつまようじで表情を描けばSNS映えするアートの完成
3Dラテアートはミルクフォームを立体的に盛り付けるスタイル
3Dラテアートは、通常のラテアートよりもさらに固いミルクフォームを使って、カップの縁からはみ出すような立体的な造形を作る手法です。
フリーポアでは泡を「注いで描く」のに対して、3Dラテアートでは泡を「盛って形を作る」イメージになります。
牛乳を50〜60℃程度に温めて元の量の約1.5〜2倍まで泡立て、1〜2分静置して泡と液体を分離させると扱いやすい固さになります。
固めの泡をスプーンですくってカップにのせる
コーヒーをカップに注いだら、液体部分のミルクをゆっくり注ぎ入れてベースを作ります。
スプーンで固い泡の部分をすくい取り、カップの上に少しずつ盛り付けていきます。
クマや猫などの動物を作る場合は、最初に丸いベースの泡を置き、その上に小さな丸を足して頭の形に仕上げていきます。
耳をつけるときはスプーンの先端で少量の泡をそっと押し出すと、小さな突起が作りやすいです。
竹串やつまようじで表情を描けばSNS映えするアートの完成
ベースの形ができたら、竹串やつまようじの先にエスプレッソやチョコソースを少量つけて、目・鼻・口を描きます。
ピックを突き刺すのではなくソースを「塗る」感覚で描くと、フォームが崩れにくくなります。
全体を正面から見て立体感が出るように意識すると、写真に撮ったときの見栄えがグッと良くなるのでぜひ試してみてください。
ラテアートで失敗しやすいポイントと対策
練習を始めると「模様がうまく出ない」「丸にしかならない」という場面に必ず遂遇します。
よくある失敗の原因を知っておけば対策もしやすくなるので、一つずつ確認していきます。
- 模様が滲むのはミルクの泡が粗いか温度が高すぎる場合が多い
- 模様が浮かないときはピッチャーの位置が高すぎる
- 形がゆがむときは手首だけでなく腕全体を使うと安定する
- クレマが薄いとミルクとのコントラストが出ない
模様が滲むのはミルクの泡が粗いか温度が高すぎる場合が多い
ハートやリーフが滲んでぼやける原因の多くは、ミルクのスチーミング不足です。
テクスチャリングが足りないと泡が粗いままカップに注がれ、白い部分と茶色い部分の境目がはっきり出ません。
もう一つの原因はミルクの温度です。
65℃を超えるとフォームが不安定になるため、温度計で管理しながら65℃以内で仕上げてください。
模様が浮かないときはピッチャーの位置が高すぎる
「白い模様がまったく出ない」というケースでは、ピッチャーの注ぎ口が液面から離れすぎていることが原因です。
注ぎ口と液面の距離が遠いとミルクの泡がエスプレッソの下に沈み込み、表面に浮いてきません。
カップの2/3まで液面が上がったら、思い切ってピッチャーを液面ギリギリ(1cm以下)まで近づけてみてください。
距離を詰めた瞬間にフワッと白いミルクが浮かび上がるのを体感できるはずです。
形がゆがむときは手首だけでなく腕全体を使うと安定する
ハートの先端が曲がったりリーフの葉先が乱れたりするのは、手首だけで動かしているケースが多いようです。
腕全体を一本の棒のように使い、肩からまっすぐ動かすと軌道がブレにくくなります。
カップの正面に体の中心を合わせ、利き手が自然に直線を描けるポジションで注ぐと改善しやすいです。
手首と腕の使い分け
リーフを描くときのピッチャーの「振り」は手首の細かい動きで行います。
一方、後退やカットの動作は腕全体で行ってください。
「振りは手首、移動は腕」と意識すると安定感が増します。
クレマが薄いとミルクとのコントラストが出ない
模様は出ているのに色が薄い場合、エスプレッソのクレマ不足が原因です。
焙煎から2週間以内の新鮮な豆を使い、極細挽きとタンピングを丁寧に行うことでクレマの厚みを改善できます。
マシンの水温が低すぎる場合もクレマが薄くなるため、抽出前にポルタフィルターとカップをお湯で温めておくのも効果的です。
エスプレッソマシンなし!おうちで楽しむラテアートのやり方
エスプレッソマシンがあれば理想的ですが、マシンなしでもラテアートの練習はできます。
自宅にある道具や手頃なアイテムを使った方法を順番に見ていきます。
- ミルクフォーマーやフレンチプレスでフォームミルクを作る
- 濃いめのドリップやインスタントコーヒーで代用できる
- 100均のミルクフォーマーでも練習を始められる
- ココアや抹茶ベースならカフェインが気になる方も楽しめる
ミルクフォーマーやフレンチプレスでフォームミルクを作る
電動ミルクフォーマーなら、温めた牛乳に軸を入れてスイッチを押すだけで細かい泡ができます。
フレンチプレスの場合は温めた牛乳を入れてプランジャーを上下に20〜30回ほど動かすと、ボリュームのあるフォームミルクに仕上がるのです。
エスプレッソマシンのスチームほど滑らかなマイクロフォームは難しいものの、エッチングや3Dラテアートの練習には十分使えるでしょう。
濃いめのドリップやインスタントコーヒーで代用できる
エスプレッソがなくても、お湯の量を半分にして濃く淹れたドリップコーヒーや、粉を大さじ2ほど溶かしたインスタントコーヒーがベースとして使えます。
クレマは出ませんが、濃い茶色の液体の上にフォームミルクを載せれば色のコントラストは確保できるのです。
エッチングなら色の境目がなくてもチョコソースで模様を描けるため、ベースの色はそれほど気にしなくて大丈夫でしょう。
100均のミルクフォーマーでも練習を始められる
100円ショップで手に入る電動ミルクフォーマーは、単三電池1〜2本で動く手軽なアイテムです。
先端をミルクの液面付近で回転させると空気が入り、20〜30秒でフォームミルクが作れるのです。
泡のきめ細かさではエスプレッソマシンのスチームに及びませんが、「ミルクを泡立てて注ぐ」という工程に慣れるには十分な道具です。
ココアや抹茶ベースならカフェインが気になる方も楽しめる
カフェインを控えたい方や、お子さんと一緒に楽しみたい方にはココアや抹茶をベースにする方法がおすすめです。
ココアパウダーをお湯で溶いた上にフォームミルクを注げば、コーヒーと同じようにエッチングや3Dラテアートが楽しめます。
抹茶パウダーの場合は鮮やかなグリーンと白のコントラストが美しく、SNS映えする一杯に仕上がります。
編集部がラテアートのやり方を3つの道具で試した結果
「道具によってどのくらい差が出るのか」と気になりませんか?
うちカフェマイスター編集部で、同じ成分無調整牛乳を使ってスチーム・電動ミルクフォーマー・フレンチプレスの3つでフォームミルクを作り、仕上がりを比べてみました。
結果を順番に見ていきます。
- スチーム・電動ミルクフォーマー・フレンチプレスの3種で比較した
- スチームは泡がきめ細かくフリーポアに最適だった
- 電動ミルクフォーマーでもエッチングなら十分に楽しめた
スチーム・電動ミルクフォーマー・フレンチプレスの3種で比較した
| 項目 | スチーム | 電動フォーマー | フレンチプレス |
|---|---|---|---|
| 泡のきめ細かさ | ◎ 滑らか | ○ やや粗め | △ 泡が混じる |
| フリーポアの描きやすさ | ◎ 模様がくっきり | △ 輪郭がぼやけやすい | × ほぼ描けない |
| エッチングのしやすさ | ◎ | ○ 十分に楽しめる | ○ 白い面は作れる |
| 準備〜片付けの手間 | やや手間 | 手軽 | 手軽 |
スチームは泡がきめ細かくフリーポアに最適だった
エスプレッソマシンのスチームで作ったフォームミルクは、光沢がありツヤツヤの仕上がりでした。
ピッチャーから注ぐとミルクがスーッと広がり、ハートがくっきりと浮かび上がりました。
編集部メンバーの中でフリーポア初挑戦だったスタッフも、スチームを使った場合はいちばん見栄えの良いハートが描けていたのが印象的です。
フリーポアを練習するなら、やはりスチーム機能付きのマシンがあるのが理想だと感じました。
電動ミルクフォーマーでもエッチングなら十分に楽しめた
電動ミルクフォーマーで作った泡はスチームに比べるとやや粗さが残り、フリーポアでは輪郭がぼんやりしがちでした。
しかしエッチングでは白いキャンバスとして十分に機能しています。
竹串でクマの顔を描いたところ、しっかりとした模様になったのは嬉しい発見でした。
「マシンを買う前にエッチングでラテアートの雰囲気を味わいたい」という方には、電動フォーマーは手軽でコスト面でも負担が少ない選択肢になります。
独学でラテアートのやり方をマスター!上達の練習法とコツ
道具と手順がわかったら、あとは繰り返しの練習あるのみです。
効率よく上達するための練習法を見ていきます。
- 水とピッチャーで注ぎ方を練習する「水練」から始める
- 動画を見ながら注ぐタイミングやピッチャーの角度を真似る
- 毎日1〜2杯を2週間続けるとハートが安定してくる
- ラテアート教室やワークショップに参加すると上達が速い
水とピッチャーで注ぎ方を練習する「水練」から始める
牛乳やコーヒー豆を毎回消費するのはコストがかかるため、水を使った「水練」が効率的です。
カップとピッチャーに水を入れ、注ぐ動作を繰り返してください。
泡はありませんが、注ぐ高さ・速さ・ピッチャーの振りなど、体に覚えさせたい動きの練習として役立ちます。
野球の素振りのように動きを反復することで、本番の精度が上がっていくのです。
動画を見ながら注ぐタイミングやピッチャーの角度を真似る
YouTubeやInstagramには、プロのバリスタがラテアートを描く動画が数多く投稿されています。
スローモーション動画でピッチャーの高さや手首の動きを観察し、自分の注ぎ方と比べてみてください。
「このタイミングでピッチャーを下げるのか」と気づくだけで、次の1杯からすぐに改善できることがあるのです。
リーフの振り具合やチューリップの「切り」の間合いは、映像を見ないとつかみにくい感覚でしょう。
毎日1〜2杯を2週間続けるとハートが安定してくる
上達にはある程度の反復が必要ですが、毎日1〜2杯を2週間ほど続けると、ハートの形が安定してくる方が多いようです。
3週間目に入るころには成功率が上がり始め、失敗の原因を自分で分析できるようになります。
一気に10杯練習するよりも1日1〜2杯を継続するほうが「ミルクの感覚」が体に残りやすく効率的です。
毎回のラテアートをスマホで撮影しておくと、上達の過程が目に見えてモチベーションが上がります。
うまくいかなかった点をメモしておけば改善ポイントもクリアになります。
ラテアート教室やワークショップに参加すると上達が速い
独学で行き詰まったら、プロから直接教わるのも良い方法です。
東京・大阪をはじめ全国各地でラテアート教室やワークショップが開催されており、1回3,000〜5,000円程度で参加できるものもあります。
ストアカやPeatixなどのプラットフォームで「ラテアート」と検索すると、近くの教室を見つけやすいです。
対面で指導を受けると、自分では気づけなかったクセの修正やスチーミングのコツを短時間でつかめるのです。
ラテアートのやり方に関するよくある質問
ラテアートに挑戦しようとすると、細かな疑問がいくつも出てくるものです。
ここでは読者の方から届くことの多い6つの疑問にお答えします。
初心者がラテアートを描けるまで何杯くらい練習が必要ですか?
個人差はありますが、ハートなら毎日練習して2〜3週間(約20〜40杯)で形が安定してくる方が多い印象です。
リーフやチューリップは、ハートが安定してからさらに2〜4週間ほど練習すると描けるようになるケースが多いです。
エスプレッソマシンなしでもラテアートはできますか?
できます。
電動ミルクフォーマーやフレンチプレスでフォームミルクを作り、濃いめのドリップコーヒーやインスタントコーヒーをベースにすれば、エッチングや3Dラテアートは十分楽しめます。
フリーポアはマイクロフォームの質が重要なため、マシンがあるほうが有利です。
ラテアートに向いている牛乳の種類はありますか?
成分無調整牛乳(乳脂肪分3.5%以上)がベストです。
脂肪分とタンパク質のバランスが良く、きめ細かく安定したフォームが作りやすいためです。
低脂肪牛乳でもラテアートは不可能ではありませんが、泡が粗くなりがちなので練習段階では成分無調整を選ぶのがおすすめです。
ラテアートとカプチーノアートは別ものですか?
厳密な区分はありません。
カフェラテの上に描けばラテアート、カプチーノの上に描けばカプチーノアートと呼ばれることがありますが、技法はフリーポアもエッチングも基本的に同じです。
カプチーノはフォームミルクの層が厚い分、3Dラテアートに向いているとも言えます。
ラテアートのコンテストや資格にはどんなものがありますか?
日本では「フリーポアー・ラテアート・グランプリ」が代表的なコンテストです。
東京・大阪などで予選が行われ、プロもアマチュアも参加できます。
JCQA(全日本コーヒー検定委員会)が認定する「コーヒーインストラクター」や、SCAの認定プログラムが資格としてあります。大会や資格の詳細は、日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)の公式サイトでも確認できます。
ラテアートに特化した認定は少ないものの、バリスタとしてのスキル全般を証明する手段として活用されています。
おすすめのラテアート用エスプレッソマシンの価格帯はどれくらいですか?
家庭用で本格的にラテアートを楽しむなら、1万〜3万円台の半自動エスプレッソマシンが入門ラインです。
デロンギ「スティローザ」は約2万円台でコストパフォーマンスに優れており、入門機として人気があります。
5万円を超えるクラスになるとスチームの安定性やボイラー容量が上がり、連続してラテアートの練習をしたい方には快適な環境が整います。
【まとめ】ラテアートのやり方は「ミルクの質×注ぎ方」で決まる
おうちカフェでラテアートに挑戦してみたい方に向けて、道具の選び方から描き方、練習法まで一通りご案内してきました。
ラテアートの成功は、突き詰めると「きめ細かいミルクを正しい位置と速さで注ぐ」というシンプルなポイントに集約されます。
- エスプレッソの上にスチームミルクを注いで白い模様を浮かべる技法
- フリーポア(注いで描く)とエッチング(ピックで描く)の2タイプ
- 道具は家庭用エスプレッソマシン・12ozピッチャー・成分無調整牛乳が基本
- ミルクは60〜65℃でスチーミングし、ツヤのあるマイクロフォームを目指す
- ハートは「キャンバス作り→液面に近づける→手前に引く」の3ステップ
- マシンがなくてもミルクフォーマーやフレンチプレスで練習を始められる
- 毎日1〜2杯を続ければ2〜3週間でハートが安定してくる
最初はうまくいかなくて当たり前です。
1杯ごとに少しずつコツがつかめていくプロセス自体がラテアートの楽しさでもあるので、焦らずマイペースで続けてみてください。
いつものコーヒータイムに白いハートがひとつ浮かぶだけで、朝の気分がずいぶん変わるはずです。
