「自宅でカフェみたいなコーヒーを淹れてみたい」と思ったことはありませんか?
ハンドドリップは道具さえ揃えれば、キッチンですぐに始められる抽出方法です。
お湯の温度や注ぎ方を少し変えるだけで、苦味・酸味・甘みの出方がガラッと変わります。
この記事では、初めてハンドドリップに挑戦する方でも迷わないように、必要な道具から基本の6ステップ、味の調整方法まで順番に解説していきます。
おうちカフェをもっと楽しみたい方は、ぜひ一杯淹れながら読んでみてください。
- ドリッパー・フィルター・ポット・スケールの4つで自宅ハンドドリップを始められる
- コーヒー粉12g+お湯150ml+92℃で淹れると苦味と甘みのバランスが取れる
- 粉全体を湿らせて30秒蒸らし、「の」の字に3回注ぐと抽出ムラが出にくい
- 温度を1℃動かすだけで苦味と酸味の比率が変わるため温度計が便利
- 浅煎り92℃・中深煎り88℃・深煎り85℃で淹れると豆の個性を引き出しやすい
ハンドドリップの入れ方で知りたい基本と3つの特長
ハンドドリップとは、手動でコーヒー粉にお湯を注ぎフィルターを通して抽出する方法です。
カフェや喫茶店で見かけるイメージがありますが、実は家庭でもすぐに楽しめます。
ここでは定義・種類・面白さの3つに分けて確認していきましょう。
- ハンドドリップの定義と仕組み
- ペーパーとネルの違い
- 手加減で味を変えられる面白さ
手動でお湯を注いでコーヒーを抽出する方法がハンドドリップ
コーヒーの味にこだわるなら、まず知っておきたいのがハンドドリップという抽出方法です。
ドリッパーと呼ばれる器具にフィルターとコーヒー粉をセットし、上からお湯を少しずつ注いで抽出する方法です。
コーヒーメーカーのように全自動ではないため、自分の手でお湯の量やスピードを調節するのが特長になります。
マシンで淹れるより手間はかかりますが、そのぶん「今日の一杯は自分で淹れた」という満足感が味わえるのがハンドドリップの良いところでしょう。
ペーパードリップとネルドリップで味わいが変わる
ぴったりのフィルターを選ぶと、コーヒーの味わいは大きく変わります。
| 項目 | ペーパードリップ | ネルドリップ |
|---|---|---|
| フィルター素材 | 紙(使い捨て) | 布(繰り返し使用) |
| 味わい | すっきり・クリア | まろやか・コク深い |
| お手入れ | 捨てるだけで簡単 | 毎回水洗い+冷蔵保管 |
| 初心者向き | ◎ | △ |
ペーパーフィルターは紙の繊維が細かいため、コーヒーオイルや微粉をしっかり濾し取ります。
その結果、すっきりした後味に仕上がるのが特長です。
一方、ネルフィルターは布の目が粗いぶんオイルが適度に通ります。
まろやかでコクのある味わいが楽しめるのが特長です。
初心者にはお手入れが楽なペーパードリップから始めてみてください。
手加減ひとつで味を調整できるところがハンドドリップの醍醐味
お湯の温度を2〜3℃変えたり、注ぐスピードを速くしたり遅くしたりするだけで味はかなり変わります。
同じ豆・同じ粉量でも、自分の手加減で「今日は濃いめ」「明日はすっきり」と調整できるところがハンドドリップの面白さです。
コーヒーメーカーでは再現しにくい微妙な味の違いを、毎朝のように試行錯誤できます。
ハンドドリップの入れ方で揃えたい道具と選び方
ハンドドリップを始めるのに高額な器具は必要ありません。
最低限4つの道具さえ揃えれば、すぐにおうちで一杯淹れられます。
それぞれの選び方のポイントを順番に解説します。
- ドリッパー(円錐型・台形型)
- ペーパーフィルター
- 細口のドリップポット
- コーヒーサーバーとスケール
ドリッパーは円錐型と台形型で抽出スピードが異なる
ドリッパーには主に円錐型と台形型の2つの形があります。
| 項目 | 円錐型(HARIO V60など) | 台形型(カリタ・メリタなど) |
|---|---|---|
| 穴の数 | 1つ(大きい) | 複数(小さい) |
| お湯の落ち方 | 速い | ゆっくり |
| 味のコントロール | しやすい(慣れが必要) | ブレにくい(初心者向き) |
迷ったら、まずは味が安定しやすい台形型を選ぶとよいでしょう。
慣れてきたら円錐型に買い替えて注ぎ方で味を変える楽しさを体感してみてください。
ペーパーフィルターはドリッパーの形に合わせて選ぶ
フィルターはドリッパーと同じ形のものを選んでください。
円錐型のドリッパーに台形のフィルターをセットすると、隙間ができてお湯が均一に通らなくなります。
パッケージに「V60用」「カリタ用」などと書かれているので、購入時にドリッパーのメーカーと照らし合わせれば間違いを防げます。
スーパーやホームセンターで手軽に手に入るので、まとめ買いしておくと便利です。
細口のドリップポットがあると注ぎやすさが段違い
やかんから直接お湯を注ぐと、ドバッと出てしまいコーヒー粉に均一にお湯が行き渡りません。
細口のドリップポット(ドリップケトル)を使うと、お湯を細く一定の速度で注げます。
1,500〜3,000円台で購入できるものが多いので、初期投資としても負担は少ないはずです。
温度計が内蔵されているドリップポットなら、沸騰後に何度まで下がったかをすぐ確認できます。
コーヒーサーバーとスケールで味のブレを減らせる
コーヒーサーバーは抽出したコーヒーを受ける容器です。
マグカップに直接ドリップしても淹れられますが、サーバーを使えば抽出量が一目でわかります。
出来上がりの濃さを揃えやすくなるのもメリットです。
キッチンスケール(はかり)で粉とお湯の量を毎回計ると、同じ味を安定して再現しやすくなるのもポイントです。
0.1g単位で量れるデジタルスケールなら、粉12gやお湯150gといった細かい計量も楽にできます。
ハンドドリップの入れ方に合うコーヒー豆の選び方と挽き具合
どんなに淹れ方が上手でも、豆の選び方が合っていなければ美味しいコーヒーにはなりません。
焙煎度・挽き具合・鮮度の3つを順に解説します。
- 焙煎度は中深煎りが初心者向き
- 挽き目は中細挽き(グラニュー糖くらい)
- 焙煎日から2週間以内が鮮度の目安
中深煎りの豆なら苦味と甘みのバランスが取りやすい
コーヒー豆の焙煎度は「浅煎り」「中煎り」「中深煎り」「深煎り」に分かれます。
初めてハンドドリップに挑戦するなら、中深煎り(シティロースト〜フルシティロースト)がおすすめです。
苦味と甘みのバランスが良く、ミルクを入れても風味が負けません。
浅煎りは酸味が立ちやすく、深煎りは苦味が強くなります。
自分の好みがまだわからないうちは、中間の中深煎りから試すと好みを掴みやすいでしょう。
中細挽き(グラニュー糖くらい)がペーパードリップ向き
挽き方(挽き具合)はペーパードリップの場合、中細挽きが標準です。
粒の大きさはグラニュー糖くらいをイメージしてください。
細かすぎるとフィルターが詰まって過抽出になり、えぐみが出やすくなります。
逆に粗すぎるとお湯が素通りしてしまい、薄いコーヒーに仕上がるので注意してください。
焙煎日から2週間以内の豆を選ぶと膨らみが良くなる
コーヒー豆は焙煎してから日数が経つと、内部のガスが抜けていきます。
蒸らしのときに粉がモコモコと膨らむのは、このガスの放出によるものです。
焙煎から2週間以内の豆を使うと膨らみが良く、コーヒーの成分がしっかり抽出されます。
スーパーの棚に並んでいる豆は焙煎日が不明なことも多いでしょう。
こだわるなら、焙煎日が記載されている専門店やオンラインショップで購入すると安心です。
ハンドドリップの入れ方で押さえたい水とお湯の準備
コーヒーの約98%は水でできています。
豆や器具に気を使っても、水とお湯の準備が不十分だと味が崩れるため、ここも丁寧に押さえていきましょう。
- 軟水を使う(日本の水道水でOK)
- 沸騰後1〜2分放置で92℃前後
- ドリッパーとサーバーを事前に温めておく
軟水の水道水やミネラルウォーターが日本のコーヒーに合う
コーヒーを淹れるときは軟水を使うのが基本です。
日本の水道水はほとんどの地域で軟水なので、浄水器を通した水道水で十分に美味しく淹れられます。
硬水はカルシウムやマグネシウムが多く、コーヒーの抽出を阻害して味がぼやけやすくなります。
そのためコーヒーにはあまり向きません。
「軟水はコーヒーの成分が抽出されやすく、まろやかな味になる」とされています。
出典:全日本コーヒー協会
ミネラルウォーターを使う場合は、ラベルに「軟水」と書かれたものを選んでください。
お湯は沸騰後に92℃前後まで冷ますと味が安定する
沸騰直後のお湯(100℃)をそのまま使うと、苦味やえぐみが強く出てしまいます。
やかんで沸騰させたあと1〜2分ほど放置すると、92℃前後まで下がります。
この温度帯がペーパードリップに最も適しているとされており、苦味・酸味・甘みがバランス良く抽出されやすい温度です。
「お湯の温度は92℃前後が適温」とされています。
出典:全日本コーヒー協会
温度計付きのドリップポットがあれば、ポットへ移し替えた時点で温度を確認できるので便利です。
ドリッパーやサーバーにお湯を通して器具を温めておく
抽出中にドリッパーやサーバーが冷たいままだと、お湯の温度が急激に下がってしまいます。
コーヒーを淹れる前にドリッパー・サーバー・カップへお湯を注いで温めておくだけで、抽出中の温度低下を防げるのです。
温めに使ったお湯は捨ててから、コーヒー粉をセットしてください。
ペーパーフィルターの湯通しも兼ねられるので、一石二鳥の工程になります。
ハンドドリップの基本の入れ方を6ステップで解説
ここからは1杯分のコーヒーを淹れる手順を解説していきます。
粉12g+お湯150ml+92℃前後を基準に、それぞれのステップを確認していきましょう。
- コーヒー粉 12g(1杯分)
- お湯 約150ml(92℃前後)
- ドリッパー+ペーパーフィルター
- ドリップポット(細口)
- コーヒーサーバーまたはマグカップ
- キッチンスケール
フィルターをセットしてお湯で湯通しする
-
1
ペーパーフィルターの折り目を互い違いに折り、ドリッパーにぴったりフィットさせます。
-
2
ドリッパーをサーバーの上に置き、フィルター全体にお湯を注いで湯通しします。
-
3
サーバーに溜まったお湯を捨てます。
湯通しをすることで、紙の匂いを取り除きながらドリッパーとサーバーを同時に温められます。
この一手間で仕上がりの香りがクリアになるでしょう。
コーヒー粉を1杯12gの目安で量って平らにならす
スケールでコーヒー粉を12g量り、湯通し済みのフィルターに入れます。
粉を入れたらドリッパーの底を軽くトントンと叩き、表面を平らに整えてください。
偏ったままだとお湯が一方に流れて抽出ムラの原因になるので、平らにするだけでも味が安定します。
地味な作業ですが、ここを省くと味のブレは避けられません。
粉全体が湿る程度にお湯を注ぎ30秒蒸らす
お湯をドリップポットに移し替えたら、粉の中心から優しく少量のお湯を注ぎます。
粉全体がまんべんなく湿ったら、そのまま30秒間じっと待つのが蒸らしです。
新鮮な豆であれば、粉がモコモコと膨らむのが目に見えてわかるはずです。
蒸らしを丁寧に行うことで、コーヒーの成分がお湯に溶け出しやすくなり味に深みが生まれます。
お湯を注ぎすぎるとサーバーにコーヒー液が落ち始めてしまいます。
粉が湿る程度(20〜30ml)にとどめてください。
中心から「の」の字を描くように3回に分けて注ぐ
蒸らしが終わったら、粉の中心から外側へ小さく「の」の字を描くようにお湯を注いでいきます。
注ぎは3回に分けるのが基本です。
1回目は粉がお湯を受け止められる程度にゆっくり注ぎ、液面が少し下がってきたら2回目、さらに下がったら3回目と追加してください。
フィルターの縁に直接かけると、粉を通らない薄いお湯がサーバーに混入してしまうので注意しましょう。
注ぐ範囲は500円玉くらいにとどめてください。
湯量は1杯あたり約150mlで2分半から3分を目安に落とす
3回の注ぎが終わった時点で、スケールの表示が約150ml前後になるよう湯量を調節します。
抽出開始(蒸らし含む)から完成までの時間は2分半から3分が目安です。
時間が短すぎると酸味が強く薄い味になりやすく、逆に長すぎると雑味が混ざるので気をつけてください。
タイマー付きのスケールを使うと、時間と湯量を同時に管理できて便利です。
お湯が落ちきる前にドリッパーを外して完成
目標の抽出量(約150ml)に達したら、ドリッパー内にまだお湯が残っている状態で外してください。
最後の一滴まで落としきると、コーヒー粉の底に溜まった雑味成分もサーバーに入ってしまいます。
外したドリッパーはシンクや受け皿の上に置けば汚れません。
サーバー内のコーヒーを軽くかき混ぜたら、温めておいたカップに注いで完成となります。
ハンドドリップの入れ方で差がつく5つのコツ
基本の6ステップを覚えたら、ここからは一歩先の「コツ」を意識してみてください。
同じ豆・同じ器具でも、少しの工夫で仕上がりに差がつくポイントを一つずつ確認していきましょう。
- 温度を1℃変えるだけで味の印象が動く
- 蒸らしの膨らみで抽出の均一さが決まる
- 注ぐスピードで濃厚⇔すっきりを調節
- フィルターの縁にお湯を当てない
- 150mlに達したらドリッパーを外す
お湯の温度を1℃変えるだけで苦味と酸味の出方が動く
お湯の温度が高いほど苦味成分が多く溶け出し、低いほど酸味が立ちやすくなります。
90℃と92℃のたった2℃の差でも味の印象は変わるので、温度管理はハンドドリップで最も差がつくポイントです。
深煎りの豆なら85〜88℃と少し低めにするとまろやかになり、浅煎りなら92〜94℃とやや高めにすると華やかな酸味が引き立つでしょう。
蒸らしでコーヒー粉がしっかり膨らむと抽出が均一になる
蒸らしの30秒間で粉が膨らまない場合は、豆の鮮度が落ちているサインです。
膨らみが良い=豆の中にガスがしっかり残っている証拠で、ガスの放出と一緒にコーヒーの香り成分も立ち上がるのです。
どうしても膨らみが弱い豆を使うときは、蒸らしを40秒ほどに延ばす方法もあります。
ただし蒸らしすぎると過抽出気味になるため、45秒を超えないようにしてください。
注ぐスピードを遅くすると濃厚に、速くするとすっきり仕上がる
同じ湯量でも注ぐスピードによって味が変わるのもハンドドリップの面白いところでしょう。
ゆっくりチョロチョロと注げば粉との接触時間が長くなり、濃厚でコクのあるコーヒーに仕上がるのが特長です。
反対に少し勢いをつけてサーッと注ぐと接触時間が短くなり、すっきりと軽い味わいになります。
最初は「ゆっくり注ぐ」を意識して、慣れてきたら自分好みのスピードを探ってみてください。
フィルターに直接お湯を当てないように注ぐ位置を意識する
ドリッパーの縁にお湯が当たると、コーヒー粉を通らないままフィルター伝いにサーバーへ落ちてしまいます。
その結果、味の薄いお湯が混ざって全体的にぼやけた味になりがちです。
500円玉くらいの小さな円を描くように、粉の中心付近だけに注ぐ意識を持つと失敗は減るでしょう。
粉の表面にできる白い泡(アク)には雑味成分が含まれています。
この泡をフィルターの縁に残したまま抽出を終えると、クリアな味に仕上がります。
抽出量に達したらドリッパーを外して雑味の混入を防ぐ
「もったいない」という気持ちから、ドリッパー内のお湯が全て落ちるまで待ちたくなるものです。
しかし最後のほうに落ちてくる液体は雑味やえぐみの成分が多く含まれています。
スケールで150mlに達したら、迷わずドリッパーを外してください。
この一手間だけで、後味のキレが良くなるはずです。
編集部がハンドドリップの入れ方で3種の豆を淹れ比べた結果
ここまでの基本手順とコツを踏まえて、編集部が実際に3種類の豆を淹れ比べてみました。
器具はHARIO V60(円錐型ドリッパー)、粉は各12g、湯量は150mlで統一しました。
唯一変えたのはお湯の温度だけです。
温度による味の違いがどう出たか、結果をお伝えしていきましょう。
- 共通:HARIO V60 / 粉12g / 湯量150ml
- 変数:お湯の温度(92℃ / 88℃ / 85℃)
- 豆:エチオピア浅煎り / ブラジル中深煎り / マンデリン深煎り
浅煎りエチオピアは92℃でフルーティーな酸味が引き立った
浅煎りのエチオピア・イルガチェフェを92℃のお湯で抽出しました。
カップに口を近づけた瞬間、レモンティーのような爽やかな香りがふわっと広がったのが印象的です。
飲んでみると柑橘系の明るい酸味がしっかりと感じられ、後味はすっきりと消えていきます。
85℃で試したときは酸味が弱くやや物足りない味わいだったので、浅煎りには高めの温度が合うと感じました。
中深煎りブラジルは88℃で甘みとコクのバランスが良かった
中深煎りのブラジル・サントスを88℃で淹れてみました。
ナッツとチョコレートを混ぜたような甘い香りが立ち、苦味は穏やかでまろやか、後味には甘みが残る仕上がりです。
92℃でも試しましたが苦味がやや前に出すぎた印象があったので、中深煎りなら88℃くらいが心地よいところでしょう。
ミルクを入れても風味が負けなかったので、カフェラテにもぜひ試してみましょう。
深煎りマンデリンは85℃でまろやかな苦味に仕上がった
深煎りのマンデリン(インドネシア産)を85℃で抽出しています。
ハーブやスパイスを思わせる独特な香りがあり、苦味はしっかりしているものの角がなく、口当たりは予想以上に滑らかです。
92℃で淹れたときは苦味が強すぎて飲みづらかったため、深煎りは低温で淹れるのが正解だと実感したところです。
| 豆 | 焙煎度 | お湯の温度 | 味わいの印象 |
|---|---|---|---|
| エチオピア | 浅煎り | 92℃ | フルーティーで爽やかな酸味 |
| ブラジル | 中深煎り | 88℃ | ナッツ系の甘みとまろやかなコク |
| マンデリン | 深煎り | 85℃ | 滑らかな苦味とスパイシーな香り |
ハンドドリップの入れ方でよくある失敗と対策
「手順どおりに淹れたのに美味しくない」と感じたことがある方は、ぜひチェックしてみてください。
ほとんどの失敗は5つのパターンに分けられます。
対策を解説します。
- お湯の温度が高すぎて苦い
- 蒸らしが短くて薄い
- 酸っぱくてなんか違う
- 粉の偏りで味がブレる
- 抽出時間が長すぎて雑味が出る
お湯の温度が高すぎて苦味やえぐみが出るときの対処法
沸騰直後のお湯(95℃以上)をそのまま使うと、コーヒー粉から苦味やえぐみの成分が一気に溶け出します。
まず沸騰後1〜2分置くか、ポットに移し替えて92℃前後まで下げてから使ってみてください。
それでも苦い場合は、挽き目を少し粗くするのも手です。
蒸らしが短すぎて薄い味になるときは30秒以上待つ
蒸らしの時間が10〜15秒程度だと、粉の内部までお湯が浸透しきれず抽出ムラが起きやすくなります。
最低でも30秒はじっくり蒸らすことで、粉全体にお湯が馴染みしっかりした味が出ます。
タイマーのカウントを見ながら、焦らず待ってみてください。
酸っぱいと感じるときは温度を上げるか細かめに挽く
コーヒーを飲んで「酸っぱい」と感じる場合は、お湯の温度が低すぎるか、挽き目が粗すぎて成分が十分に溶け出していないケースがほとんどです。
温度を2〜3℃上げるか、挽き目を1段階細かくしてみてください。
開封から2週間以上経った豆も酸味が強く出やすいので、早めに使い切ることを心がけましょう。
粉が偏っていると片側だけ抽出されて味がブレる
コーヒー粉をフィルターに入れたあとドリッパーをトントンと叩いて表面を平らにしていないと、お湯が粉の薄い側に集中して流れます。
片側だけ過抽出になり、残りの粉はほとんど抽出されないまま終わるため味のバランスが崩れてしまうのです。
特に円錐型ドリッパーは底が深いぶん偏りの影響が出やすくなります。
粉を入れたら毎回2〜3回軽く叩いて平らにならす習慣をつけましょう。
抽出時間が長すぎると雑味がサーバーに落ちてしまう
3分半を超えてもドリッパーを置いたままにしていると、粉に含まれる雑味成分がどんどんサーバーに落ちていきます。
3分を超えたあたりで嫌な渋みが目立ってくるので、150mlに達したらすぐにドリッパーを外すのが鉄板の対処法です。
挽き目が細かすぎるとお湯が落ちるスピードが遅くなり、自動的に抽出時間が長引くため挽き目の調整も見直してみてください。
ハンドドリップの入れ方を好みの味に調整する方法
基本の入れ方を覚えたら、次は自分の好みに合わせて味をカスタマイズしていきましょう。
豆・温度・粉量・挽き目の4つの組み合わせで、味わいがどう変わるか解説します。
- 酸味を抑える:深煎り+低温+やや粗挽き
- コクを増す:粉量アップ+少ない注ぎ回数
- アイスコーヒー:粉1.5倍で急冷
- 2杯以上:粉は2倍弱で少し濃いめに
酸味を抑えたいなら深煎り+低めの温度+やや粗挽きに
酸味が苦手な方は、以下の3つを組み合わせてみてください。
- 豆:深煎り(フレンチロースト以上)を選ぶ
- 温度:85〜88℃と低めに設定する
- 挽き目:やや粗挽きにして苦味を抑えつつ酸味も減らす
この3つを同時に調整すると、苦味は穏やかで酸味はほとんど感じないまろやかな味わいになります。
コクが欲しいなら粉量を少し増やし注ぐ回数は減らす
「もう少し濃くてコクのあるコーヒーが飲みたい」と感じたら、粉量を12gから14gに増やし、注ぐ回数を3回から2回に減らしてみてください。
粉が多いぶん成分の抽出量が増え、注ぐ回数を減らすことで粉とお湯の接触時間が長くなります。
コクがしっかりと出て、濃厚な味に仕上がります。
アイスコーヒーにするなら粉を1.5倍にして氷で急冷する
暑い季節には、ハンドドリップで淹れたホットコーヒーを氷で急冷する「急冷式アイスコーヒー」がぴったりです。
コーヒー粉を通常の1.5倍(1杯なら18g)に増やし、お湯は通常と同じ150mlで濃いめに抽出してください。
氷をたっぷり入れたグラスに一気に注ぐと、急速に冷えて透明感のあるアイスコーヒーが出来上がります。
氷で薄まる分を見越して濃いめに淹れているので、水っぽくなる心配はありません。
2杯以上淹れるなら粉は2倍弱にして少し濃いめに抽出する
2杯分以上を一度に淹れるとき、粉量を単純に2倍にすると過抽出で苦くなることがあります。
2杯分なら粉22g程度(1杯12gの2倍弱)、お湯は300ml程度を目安にしてみてください。
粉の層が厚くなるぶん抽出時間が長くなりやすいので、注ぐスピードを少し速めにするのがポイントです。
ハンドドリップの入れ方に関するよくある質問
ハンドドリップを始めたばかりの方から寄せられることが多い質問を7つまとめました。
初めての方が迷いやすいポイントに絞ってお答えしていきます。
1杯分のコーヒー粉は何グラムが目安ですか?
1杯(約150ml)あたり10〜15gが一般的な目安です。この記事では中間の12gを基準にしています。濃いめが好きなら14g、あっさり派なら10gに変えてみてください。
お湯は何度くらいが美味しく淹れられますか?
92℃前後がペーパードリップに最も適した温度帯です。沸騰したお湯をドリップポットに移すと、おおよそ92〜93℃まで下がります。
蒸らし時間は何秒がベストですか?
20〜30秒が標準の蒸らし時間です。この記事では30秒を推奨しています。膨らみが弱い豆の場合は、40秒まで延ばしても構いません。
ドリッパーは円錐型と台形型のどちらが初心者向きですか?
台形型のほうが味が安定しやすく、初心者向きです。穴が小さく複数あるため、注ぎ方のブレが味に出にくいのが理由になります。
ペーパーフィルターの湯通しは毎回必要ですか?
毎回行うことをおすすめします。紙の匂いを取り除けるだけでなく、ドリッパーとサーバーの予熱にもなるため味にプラスの影響があるのです。
水道水とミネラルウォーターで味は変わりますか?
日本の水道水は軟水なので、コーヒーとの相性が良いです。浄水器を通した水道水なら十分に美味しく淹れられます。
硬水のミネラルウォーターは味がぼやけやすいため、軟水タイプを選んでください。
コーヒーミルを持っていなくても大丈夫ですか?
大丈夫です。カフェや専門店で豆を購入するときに「中細挽きにしてください」と伝えれば、挽いた状態で受け取れます。ただし挽いた粉は酸化が早いので、2週間以内に使い切ることを心がけてください。
【まとめ】ハンドドリップの入れ方は6ステップで誰でも美味しく淹れられる
ハンドドリップは、一見むずかしそうに見えますが、道具を揃えて6つのステップを覚えれば誰でも始められるコーヒーの淹れ方です。
- ドリッパー・フィルター・ポット・スケールの4つで始められる
- コーヒー粉12g+お湯150ml+92℃前後が基本の分量
- 蒸らし30秒と「の」の字3回注ぎで味が安定する
- 温度を1℃変えるだけで苦味と酸味の出方が変わる
- 落ちきる前にドリッパーを外すと雑味のないクリアな味に
「今日は温度を少し下げてみよう」「コクが欲しいから粉を増やそう」と変化をつけてみる。
それがハンドドリップの一番の楽しさです。
ぜひ週末の朝や仕事の合間に、一杯のハンドドリップコーヒーで自分だけのおうちカフェ時間を作ってみてください。
