「カフェで頼んだエスプレッソ、こんなに少ないの?」と驚いた経験はありませんか。
デミタスカップにほんの一口分だけ入った黒い液体を見て、損をした気分になる方も多いはずです。
でも、エスプレッソの量が少ないのには、しっかりとした理由があります。
約9気圧の圧力をかけてわずか25秒で抽出することで、コーヒー豆の旨味だけを取り出しているのです。
この記事では、エスプレッソが少量である理由から、美味しい飲み方、抽出トラブルの対策まで、まとめてお伝えしていきます。
- エスプレッソが25〜30mlしかないのは旨味だけを凝縮する抽出方法のため
- ドリップコーヒーと比べて濃度は約6〜10倍(TDS基準)
- 「急行」を意味するイタリア語が名前の由来で1901年にマシンが発明された
- リストレット・ルンゴ・ドッピオは量を変えた3つのバリエーション
- 抽出量が足りないときは挽き目・タンピング・粉量の3点を見直す
エスプレッソの量が少ない3つの理由
小さなカップに注がれるエスプレッソの量は、たった25〜30ml。
ドリップコーヒーの5分の1ほどしかありません。
なぜこれほど少ないのか、それは抽出の仕組みそのものに理由があります。
- 9気圧×25秒の短時間抽出で旨味だけを凝縮している
- 量を増やすと苦味や雑味まで出て味のバランスが崩れる
- デミタスカップで出すのは温度と香りを逃がさないため
9気圧×25秒の短時間抽出で旨味だけを凝縮している
エスプレッソマシンは、約9気圧という高い圧力でお湯を極細挽きの粉に通し、25〜30秒で一気に抽出します。
9気圧はおよそ水深90メートルと同じ力で、これだけの圧がかかるからこそコーヒー豆の油分やアミノ酸が効率よく溶け出します。
この短時間の抽出が、あの濃厚な味わいを生み出す仕組みです。
ただし抽出時間を長くすれば量は増える一方、旨味以外の成分まで出てきてしまうのです。
ドリップと比べると、エスプレッソは短時間勝負。
だから「急いで出すコーヒー」という名前にもなったわけですね。
量を増やすと苦味や雑味まで出て味のバランスが崩れる
もしエスプレッソをドリップコーヒーと同じ150ml以上まで抽出したら、どうなるでしょうか?
豆の中の渋味成分やクロロゲン酸の分解物が液体に溶け出し、強烈な苦味と雑味が混ざってしまいます。
コーヒーの抽出では、最初に酸味、次に甘味、そして最後に苦味が出てくるといわれています。
25〜30秒という時間は、酸味と甘味と苦味がちょうどバランスよく混ざる「ゴールデンタイム」にあたります。
量を増やすことは、そのバランスを壊す行為にほかなりません。
デミタスカップで出すのは温度と香りを逃がさないため
エスプレッソ専用のデミタスカップは、容量が60〜90ml程度の小さなカップです。
「デミタス」はフランス語で「半分のカップ」を意味します。
小さなカップを使うのは、見た目だけの問題ではありません。
抽出直後から温度は下がり始め、冷めるほど風味も急激に変わります。
普通のマグカップと比べると、デミタスカップは表面積が小さいぶん温度と香りの保持に優れています。
イタリアのバールでは、厚みのある陶器のデミタスカップをあらかじめ温めておくのが基本です。
エスプレッソ1杯は何ml?少ないのにドリップより濃い理由
エスプレッソがたった25〜30mlなのに満足感があるのは、群を抜いた「濃さ」のおかげです。
ここでは数値で比べながら、ドリップコーヒーとの違いを見ていきます。
- シングルショットは約25〜30mlでカフェイン約63mg
- ドリップコーヒー1杯は約150〜180mlで抽出に3〜4分かかる
- TDSで比べると濃度はドリップの約6〜10倍
シングルショットは約25〜30mlでカフェイン約63mg
エスプレッソのシングルショット(ソロ)の標準量は約25〜30mlで、使用する粉量は7〜8g程度です。
1杯に含まれるカフェインは約63mgとされています(USDA食品データベース基準)。
「エスプレッソはカフェインの量も多い」と思われがちです。
しかし実際には、1杯あたりのカフェイン総量はドリップコーヒーより少ないケースがほとんどです。
濃厚な味わいのイメージと、カフェインの総量は別物と考えてください。
ドリップコーヒー1杯は約150〜180mlで抽出に3〜4分かかる
一般的なハンドドリップコーヒーの1杯量は約150〜180mlです。
お湯をゆっくり注ぎながら3〜4分程度かけて抽出するため、エスプレッソの25秒とは大きな差があります。
抽出時間が長い分だけカフェインも多く溶け出し、ドリップ1杯のカフェイン量は約90〜150mgに達します。
つまり、「少ないエスプレッソ」のほうがカフェインは控えめという逆転現象が起きているのです。
- エスプレッソ1ショット(30ml):約63mg
- ドリップコーヒー1杯(150ml):約90〜150mg
- スタバのエスプレッソ1ショット:約75mg
TDSで比べると濃度はドリップの約6〜10倍
コーヒーの濃さを客観的に測る指標に「TDS(総溶解固形分)」があります。
エスプレッソのTDSは一般的に8〜12%で、ドリップコーヒーのTDS(SCA基準で1.15〜1.35%)と比べるとおよそ6〜10倍の濃度です。
この数値はSCA(スペシャルティコーヒー協会)のエスプレッソ基準に基づいています。
少ない量でも満足できるのは、この「凝縮された濃さ」があるためです。
コーヒー1杯でも、見た目の量と実際の中身の濃さはまったく別物。
エスプレッソが少ないのは「手抜き」ではなく「凝縮」なのです。
「エスプレッソ」の語源と量が少ない歴史的な背景
エスプレッソが少量で出されるスタイルには、イタリアの文化と歴史が色濃く関わっています。
- 「エスプレッソ」はイタリア語で「急行」を意味する
- 1901年にルイジ・ベゼラが蒸気圧式マシンを発明した
- ナポレオン大陸封鎖令で豆が不足しデミタスカップが定着した
- イタリアのバール文化でエスプレッソは立ち飲みが基本になった
「エスプレッソ」はイタリア語で「急行」を意味する
「エスプレッソ」という名前は、イタリア語で「急行」「速い」を意味する言葉に由来します。
英語の「エクスプレス」と同じ語源です。
注文を受けてからすぐに淹れて出すスタイルが、列車の「急行」になぞらえてこの名前になったとされています。
名前の由来そのものが「少量で素早く」という特徴を表しているのです。
1901年にルイジ・ベゼラが蒸気圧式マシンを発明した
エスプレッソマシンの原型は、1901年にイタリアのルイジ・ベゼラが特許を取得した蒸気圧式マシンです。
蒸気の力でお湯をコーヒー粉に通し、一杯ずつ短時間で抽出するという画期的な仕組みでした。
その後、1906年のミラノ万国博覧会でデジデリオ・パヴォーニがこのマシンを披露し、「カフェ・エスプレッソ」として広まっていきます。
ただし、現在のような美しいクレマが生まれるようになったのは、1938年にアキーレ・ガッジアが蒸気ではなく熱水の圧力で抽出する方式の特許を出願し、その後1948年に商用レバー式マシンの量産を開始してからのことです。
ベゼラの初期マシンは蒸気圧のみだったため、現代の9気圧には遠く及びませんでした。
1961年にファエマ社が発表したE61という電動ポンプ式マシンが、今のエスプレッソマシンの基礎となっています。
ナポレオン大陸封鎖令で豆が不足しデミタスカップが定着した
1806年のナポレオンによる大陸封鎖令は、ヨーロッパ全土のコーヒー事情を一変させました。
イギリスからの物資を遮断する目的で出された封鎖令により、コーヒー豆の輸入が激減して価格が高騰したのです。
ヨーロッパ各地のカフェでは、限られた豆で営業を続けるために1杯の量を減らし、代わりに価格も下げる工夫が広まりました。
この「少量の濃いコーヒーを小さなカップで出す」という発想がデミタスカップの普及を後押ししたとされています。
イタリアのバール文化でエスプレッソは立ち飲みが基本になった
イタリアでは「カフェ」といえばエスプレッソを指します。
街なかに点在するバールでは、朝の通勤前やランチ後にエスプレッソを立ち飲みするのが日常の光景です。
席に座ると追加料金がかかる店もあるため、カウンターで2〜3口で飲み干して出ていくスタイルが根づきました。
この「忙しい日常の中でサッと飲む文化」が、エスプレッソの少ない量とぴったり噛み合っているのです。
少ないエスプレッソにも種類がある?リストレット・ルンゴ・ドッピオの違い
エスプレッソの量は25〜30mlが標準ですが、実はそれより少ないものも多いものも存在します。
抽出量を変えることで味わいがどう変わるのか、3つのバリエーションを見てみましょう。
- リストレットは約15mlで甘みが際立つ凝縮ショット
- ルンゴは約60mlで苦味が強めに出る長い抽出
- ドッピオは豆を倍量使った濃厚なダブルショット
リストレットは約15mlで甘みが際立つ凝縮ショット
リストレットはイタリア語で「制限された」という意味です。
通常のエスプレッソと同じ7〜8gの粉を使いますが、抽出量を約15〜20mlに制限します。
お湯と接触する時間が短いため苦味の成分は出にくく、甘みとアロマが前面に出た凝縮感のある味わいになります。
とろみのある口当たりと厚いクレマも楽しめます。
スターバックスのリザーブ店では、リストレットを指定して注文できる店舗もあります。
ルンゴは約60mlで苦味が強めに出る長い抽出
ルンゴはイタリア語で「長い」を意味し、通常のエスプレッソより多めのお湯で抽出します。
量は約50〜60mlになり、見た目はエスプレッソの約2倍です。
抽出時間が長くなるぶんだけ苦味の成分も溶け出すため、ボディは軽くなりますが苦味は強めに感じられます。
「エスプレッソは少なすぎるけど、ドリップコーヒーほどは要らない」という方にちょうどいいサイズです。
ドッピオは豆を倍量使った濃厚なダブルショット
ドッピオはイタリア語で「2倍」を意味します。
シングルショットの2倍にあたる約14〜18gの粉を使い、抽出量も約50〜60mlと倍量です。
ルンゴと量は似ていますが、豆の量も倍のため、濃度はシングルショットとほぼ同じまま飲みごたえだけが増します。
スターバックスでは「ソロ(シングル)」と「ドッピオ(ダブル)」の2種類からサイズを選ぶことができます。
- リストレット…約15ml
- シングル…約30ml
- ルンゴ…約60ml
- ドッピオ…約60ml(豆2倍)
量が少ないエスプレッソを美味しく飲むための5つのコツ
せっかくのエスプレッソを最大限に楽しむために、飲み方のコツを知っておきましょう。
本場イタリアの習慣も交えて、5つのポイントをまとめました。
- 飲む前に水を一口含んで口の中をリセットする
- クレマの色をチェックしてから2〜3口で飲み干す
- イタリア流は砂糖をたっぷり入れて甘苦のバランスで味わう
- ストレートが苦手ならマキアートやカプチーノにアレンジする
- お湯で割ればアメリカーノとして量も味も調整できる
飲む前に水を一口含んで口の中をリセットする
カフェでエスプレッソを頼むと、小さなグラスの水が一緒に出てきます。
あの水はチェイサーではなく「口をリセットするため」のものです。
食事やお菓子の風味が口に残った状態で飲むと、エスプレッソ本来の味わいがぼやけてしまいます。
飲む前にひと口水を含んで舌をリフレッシュしておくと、最初のひと口の印象がまるで変わるはずです。
クレマの色をチェックしてから2〜3口で飲み干す
カップに注がれたエスプレッソの表面には「クレマ」と呼ばれる黄金色の泡が浮かんでいます。
クレマはコーヒーに含まれる油分とタンパク質がお湯の圧力で乳化してできたもので、抽出がうまくいったかどうかの目安になります。
きめ細かく均一な赤みのあるクレマであれば、豆の鮮度と抽出のバランスが良好なサインです。
クレマを確認したら、冷める前に2〜3口でサッと飲み干すのがイタリア流の作法です。
イタリア流は砂糖をたっぷり入れて甘苦のバランスで味わう
「エスプレッソはブラックで飲むもの」と思っている方は少なくないでしょう。
しかし本場イタリアでは、スプーン2〜3杯の砂糖をしっかり入れて飲むのがごく普通です。
砂糖が苦味を和らげ、コーヒーの甘い香りが引き立つのです。
飲み終わった後、カップの底に残った砂糖をスプーンですくって食べるのもイタリアならではの楽しみ方です。
編集部で砂糖入りエスプレッソを試したところ、苦味のカドが取れて飲みやすさが一気に増しました。
ブラックが苦手な方こそ試してみてほしい飲み方です。
ストレートが苦手ならマキアートやカプチーノにアレンジする
エスプレッソは、ミルクを加えたアレンジドリンクのベースとしても使われます。
少量のフォームドミルクを落とした「マキアート」は、エスプレッソの風味を残しつつ口当たりがまろやかになります。
カプチーノはエスプレッソにスチームミルクとフォームミルクをたっぷり加えたもので、ラテアートでもおなじみです。
カフェラテはさらにミルクの割合が多く、コーヒーの苦味がぐっと抑えられるため、初心者にも飲みやすい一杯です。
エスプレッソの前にドリップから始めたい方は、「ハンドドリップコーヒーの淹れ方を初心者向けに解説!必要な器具と美味しく淹れるコツ」もあわせてご覧ください。
お湯で割ればアメリカーノとして量も味も調整できる
「エスプレッソは好きだけど、量が少なすぎてゆっくり味わえない」という声もあるでしょう。
そんなときは、エスプレッソにお湯を足してアメリカーノにする方法があります。
シングルショット(30ml)に120〜150mlのお湯を加えるだけで、ドリップコーヒーに近い飲みごたえになります。
アメリカーノはエスプレッソの風味を残しながらも、口当たりはすっきりと軽くなるのが特長です。
量を自分好みに調整できるので、自宅エスプレッソの楽しみ方がぐっと広がります。
エスプレッソの量が少ないと感じたときの原因と対策5つ
マシンで淹れたエスプレッソが「いつもより少ない」と感じたことはありませんか。
それはマシンの故障ではなく、粉や圧力の調整がずれている可能性が高いです。
よくある5つの原因と、それぞれの対策を確認していきます。
- 挽き目が細かすぎるとお湯が通らず量が減る
- タンピング圧が強すぎると粉が詰まって抽出が遅くなる
- ポルタフィルターの粉量が少ないと抵抗が足りず味が薄くなる
- マシン内部の目詰まりやスケール付着が抽出不良を起こす
- スケールで量を測り抽出時間を25〜30秒に調整する
挽き目が細かすぎるとお湯が通らず量が減る
コーヒー粉の挽き目が細かすぎると、お湯の通り道がふさがれて抽出量は極端に減ります。
バスケットの中に砂のように細かい粉が詰まると、9気圧をかけてもお湯がほとんど通過しません。
目安としては、粉を指でつまんだときに「粒感がほんの少し残る」程度が極細挽きの適正範囲です。
グラインダーの設定をひと目盛り粗くするだけで、抽出量がガラッと変わることもあります。
タンピング圧が強すぎると粉が詰まって抽出が遅くなる
タンピングとは、ポルタフィルターに入れた粉を専用の器具で平らに押し固める作業のことです。
この圧が強すぎると粉が過度に圧縮され、お湯が通るのに時間がかかりすぎてしまいます。
結果として抽出時間が40秒以上に延び、出てくるエスプレッソは量が少なく苦味が強いものになりがちです。
適切なタンピング圧は約15〜20kgとされています。
体重計の上でタンパーを押し、感覚を覚えておくとブレが減るでしょう。
ポルタフィルターの粉量が少ないと抵抗が足りず味が薄くなる
粉の量が少なすぎる場合も、抽出に影響が出ます。
バスケット内の粉が少ないとお湯の抵抗が足りないため、お湯が一瞬で通過してしまいます。
抽出量は多くなるものの、十分な成分が溶け出さず味は薄くなりがちです。
シングル用バスケット:7〜8g
ダブル用バスケット:14〜18g
デジタルスケールで毎回計量するのがベストです。
マシン内部の目詰まりやスケール付着が抽出不良を起こす
挽き目やタンピングを見直しても改善しない場合は、マシン本体の問題かもしれません。
シャワースクリーン(お湯が出る部分の金属フィルター)に古いコーヒー粉がこびりつくと、お湯の出方が偏って均一な抽出ができなくなります。
また、水道水のミネラル分が固まった「スケール(水あか)」がボイラー内部に蓄積すると、水圧が低下して抽出量に直結します。
月に1回はブラインドフィルターでバックフラッシュをおこない、半年に1回はクエン酸やメーカー純正のスケール除去剤で内部を洗浄してください。
スケールで量を測り抽出時間を25〜30秒に調整する
抽出の安定には「計測」が欠かせません。
-
1
デジタルスケールの上にカップを載せ、ポルタフィルターをセットする
-
2
抽出ボタンを押すと同時にタイマーをスタートする
-
3
25〜30秒経過時点で抽出量が25〜30mlになっているか確認する
-
4
量が少なければ挽き目を粗く、多ければ細かく調整して再度抽出する
毎回のショットを「時間」と「重量」で記録しておくと、味のブレが減り再現性がぐっと上がります。
コーヒースケールは2,000〜3,000円台で手に入るため、一台あるだけでエスプレッソのクオリティが変わるはずです。
編集部がエスプレッソを3パターンの量で淹れ比べた
ここからは、編集部が実際にリストレット・通常ショット・ルンゴの3パターンを淹れ比べた結果をお伝えします。
使用したマシンはデロンギのセミオートタイプで、豆は中深煎りのブラジル産シングルオリジンです。
粉量は全パターン共通で8gに統一しました。
リストレット(15ml)は甘みが前に出て初心者にも飲みやすかった
抽出を15秒で止めたリストレットは、カップの底にわずか15ml。
最初のひと口で感じたのは、意外なほどの甘さでした。
エスプレッソ特有の「ガツン」とくる苦味がほとんどなく、キャラメルのような甘い香りが鼻に抜けます。
液体の粘度が高く、舌の上にとろりと残る感触がドリップコーヒーとはまるで違いました。
「エスプレッソは苦い」と思い込んでいた編集部メンバーが、真っ先に「これならブラックで飲める」と声を上げたのが印象的です。
通常ショット(30ml)は苦味と酸味のバランスが良かった
25秒で抽出した通常のシングルショット。
赤みがかったきめ細かいクレマが浮かんでおり、見た目から期待が持てます。
味わいはリストレットよりも苦味がはっきり出ていますが、その分だけ酸味とのコントラストが際立ちます。
いわゆる「教科書どおりのエスプレッソ」で、甘味・酸味・苦味が拮抗している印象でした。
砂糖を入れると甘苦のバランスがさらに整い、飲み慣れた人ほど好みそうな一杯です。
ルンゴ(60ml)はボディが軽くなり苦味が後に残った
40秒ほどかけて60mlを抽出したルンゴは、色もやや薄めです。
ボディの重厚感はリストレットや通常ショットと比べると控えめで、後味に苦味がじわっと残ります。
ドリップコーヒーに近い感覚で飲めますが、アメリカーノほど軽くはありません。
「エスプレッソの存在感はほしいけれど、少量では物足りない」という方に向いているサイズ感です。
3パターンを飲み比べてみると、たった15mlの違いで甘味・酸味・苦味のバランスがここまで変わることに驚きました。
自宅にマシンがある方は、まずリストレットから試してみてほしいです。
| パターン | 抽出量 | 抽出時間 | 味わいの印象 |
|---|---|---|---|
| リストレット | 約15ml | 約15秒 | 甘みが際立ち苦味が少ない |
| 通常ショット | 約30ml | 約25秒 | 酸味と苦味のバランスが良好 |
| ルンゴ | 約60ml | 約40秒 | ボディ軽め、苦味が後に残る |
自宅でエスプレッソを淹れるならマシンと豆選びが基本
カフェに行かなくても、自宅で本格的なエスプレッソは淹れられます。
マシン・豆・道具の3つを押さえておけば、毎朝のコーヒータイムが変わるでしょう。
- 家庭用エスプレッソマシンは1〜3万円台でも本格的な味が出せる
- 深煎りの極細挽きを選ぶと安定したクレマと濃厚な味わいになる
- コーヒースケールがあれば粉量と抽出量のブレを防げる
家庭用エスプレッソマシンは1〜3万円台でも本格的な味が出せる
家庭用エスプレッソマシンは、大きく分けてセミオート式・カプセル式・直火式の3タイプがあります。
セミオート式のエントリーモデルであれば、デロンギ「スティローザ EC235J」が2万円台前半で購入できます。
9気圧の本格抽出に対応しており、ミルクスチーマーも搭載しているため、カプチーノやラテも作れます。
手間をかけたくない方には、ネスプレッソ「エッセンサ ミニ」のようなカプセル式もあります。
カプセルをセットしてボタンを押すだけで、19気圧のクレマ豊かなエスプレッソが約25秒で抽出できます。
直火式マキネッタという選択肢
ビアレッティの「モカエキスプレス」は6,000円前後で購入でき、マシン不要で濃いコーヒーを淹れられます。
ただしMoka Expressの仕様によると抽出圧力は約1.5気圧のため、厳密にはエスプレッソではなく「モカコーヒー」に分類されます。
クレマは出ませんが、ドリップよりも濃厚な味わいが楽しめる器具です。
深煎りの極細挽きを選ぶと安定したクレマと濃厚な味わいになる
エスプレッソに使う豆は、深煎り(フルシティ〜イタリアンロースト)が定番です。
深煎りの豆は油分が多く、極細挽きにして高圧で抽出することで厚いクレマが生まれます。
市販のエスプレッソ用プリグラインド(挽き済み)豆を使うなら、Lavazzaの「クオリタ・ロッサ」やillyのエスプレッソ粉が入手しやすくて外れにくい銘柄です。
ただし、挽いてから時間が経つと炭酸ガスが抜けてクレマが薄くなるため、できれば豆のまま購入して抽出直前に挽くのが理想です。
豆を挽く道具の選び方は、「コーヒーミルの選び方まとめ!初心者におすすめの手動・電動ミルを比較」で詳しくまとめています。
コーヒースケールがあれば粉量と抽出量のブレを防げる
自宅エスプレッソの味が毎回バラつくなら、計量の精度を上げるだけで安定感が増します。
0.1g単位で計れるコーヒースケールを粉の計量と抽出量の確認の両方に使えば、再現性がぐんと上がります。
タイマー内蔵タイプなら、抽出時間と重量を同時に管理できるため便利です。
2,000〜3,000円程度の投資で毎朝のエスプレッソが安定するなら、十分に元が取れるでしょう。
エスプレッソの量が少ないことへのよくある質問
エスプレッソの量やカフェインについて、読者から寄せられることの多い5つの疑問にお答えします。
エスプレッソ1杯のカフェイン量はドリップコーヒーより多いですか?
エスプレッソ1杯(約30ml)のカフェイン量は約63mg(USDA基準)です。
一方、ドリップコーヒー1杯(約150ml)には約90〜150mgのカフェインが含まれており、1杯あたりの総量はドリップのほうが多くなります。
ただし、同じ量(ml)あたりのカフェイン「濃度」はエスプレッソのほうが明らかに高いため、「濃い=カフェインも多い」というイメージにつながりやすいのです。
エスプレッソが苦すぎるときはどうすればいいですか?
まず砂糖を入れてみてください。
本場イタリアでも砂糖たっぷりで飲むのが標準です。
それでも苦い場合は、挽き目が細かすぎるか抽出時間が長すぎる可能性を疑ってください。
グラインダーの設定をひと目盛り粗く調整し、抽出時間を25秒以内に収めてみてください。
スタバのエスプレッソは何mlですか?
スターバックスのエスプレッソは、ソロ(シングル)が約30ml、ドッピオ(ダブル)が約60mlです。
ラテやカプチーノなどのベースにも1〜2ショットのエスプレッソが使われています。
ショットだけを単品注文することもできるため、気になる方はカウンターで「ソロ」を頼んでみてください。
エスプレッソを自宅で作るにはマシンが必要ですか?
本格的なエスプレッソ(9気圧抽出・クレマ付き)を再現するには、ポンプ式のエスプレッソマシンが必要です。
家庭用のセミオートモデルなら2万円台から購入できます。
ビアレッティのモカエキスプレスのような直火式器具でも濃厚なコーヒーは淹れられますが、圧力が約1.5気圧のため「エスプレッソ」とは別のカテゴリーになります。
クレマが出ないのはエスプレッソの量と関係がありますか?
クレマが出ない原因は量そのものではなく、豆の鮮度・挽き目・抽出圧力の3つに絞られます。
焙煎から2週間以上経った豆は炭酸ガスが抜けてクレマが出にくくなります。
挽き目が粗すぎるとお湯が速く通過してクレマは薄くなるため、極細挽きで9気圧以上の圧力をかけることが条件です。
【まとめ】エスプレッソの量が少ないのは旨味を凝縮させる合理的な設計
エスプレッソの量が少ないのは「ケチ」でも「手抜き」でもなく、旨味を最大限に引き出すための合理的な設計です。
9気圧の圧力をかけて25〜30秒で抽出するという方法だからこそ、酸味・甘味・苦味のバランスが整ったわずか30mlの一杯が完成します。
- 量が少ないのは25秒の短時間抽出で旨味だけを取り出す仕組みのため
- TDS濃度はドリップの約6〜10倍で少量でも満足感が高い
- リストレット(15ml)は甘み、ルンゴ(60ml)は苦味が前に出る
- 飲む前に水で口をリセットし、2〜3口で飲み干すのがイタリア流
- 抽出量が少ないときは挽き目・タンピング・粉量・マシン洗浄を見直す
- 家庭用マシンは2万円台から購入でき、スケールで計量すれば味が安定する
少ない量のなかに詰まったコーヒーの旨味を、ぜひ自宅でも味わってみてください。
