「コーヒースタンドって最近よく見かけるけれど、カフェとは何が違うの?」——そう感じている方は多いです。
コーヒースタンドとは、テイクアウトや立ち飲みを中心にした小さなコーヒー専門店のことです。
スペシャルティコーヒーの豆を使い、バリスタが一杯ずつハンドドリップで淹れてくれるお店が多く、1杯300〜500円台で本格的な味わいを楽しめるのが特徴です。
この記事では、コーヒースタンドの定義やカフェとの違い、サードウェーブとの関係、初めて行くときの注文方法、そしておうちカフェでの楽しみ方まで幅広く解説します。
「気になっているけれど入りづらい」と感じている初心者の方にも、わかりやすくお伝えしていきます。
- コーヒースタンドはテイクアウト・立ち飲み中心の小さなコーヒー専門店
- カフェ・喫茶店とは「一杯の味への集中度」がはっきり異なる
- サードウェーブコーヒーの流れがコーヒースタンドの広がりを後押しした
- 「おすすめは?」の一言でバリスタが最適な一杯を選んでくれる
- ドリッパーとスペシャルティ豆があれば自宅でもお店の味に近づける
- 開業資金は200〜500万円で食品衛生責任者の資格が必要
コーヒースタンドとは?テイクアウト中心の小さなコーヒー専門店
「コーヒースタンドって最近よく聞くけれど、普通のカフェと何が違うの?」と疑問に思ったことはないでしょうか。
ここ数年で都内を中心に店舗数が増えており、SNSでも話題になる機会が多くなっています。
コーヒースタンドはテイクアウトや立ち飲みをメインにした、コーヒー一杯の味に特化した小さな専門店です。
ここでは、基本の定義から別名、取り扱うコーヒーの傾向まで整理していきましょう。
- 立ち飲み・テイクアウトに特化した省スペース店舗
- カフェスタンド・コーヒーバーなど別名が複数ある
- スペシャルティコーヒーを看板メニューにしている店が多い
立ち飲みやテイクアウトに特化した省スペースの店舗スタイル
日本のコーヒースタンドには、法律上の明確な定義があるわけではありません。
ただし、飲食店検索サイトなどで「コーヒースタンド」とタグ付けされた店を見ると、いくつかの共通点が浮かんできます。
- コーヒーのテイクアウト専門店
- テーブルだけ置いて立ち飲みができる省スペース店舗
- カウンター席のみのごく小さなイートインスペースを備えた店
たとえるなら、アルコールを扱う「立ち飲みバー」のコーヒー版と考えるとわかりやすいです。
店舗面積は5坪ほどでも運営でき、座席やテーブルが不要な分だけ固定費を抑えられます。
都心の路地裏や商店街の一角で見かけることが多いのも、この省スペース性のおかげです。
カフェスタンド・コーヒーバー・コーヒーキオスクなど別名も多い
コーヒースタンドには、複数の呼び名が存在します。
| 呼び方 | ニュアンス |
|---|---|
| カフェスタンド | 「カフェ」の要素を残しつつ省スペースを意識した呼び名 |
| コーヒーバー | バーカウンターのような立ち飲みスタイルを強調する場合 |
| コーヒーキオスク | 駅やオフィス街のキオスクのように手軽さを強調する場合 |
どの呼び名でも「コーヒーに特化した小さな店」という本質は同じです。
お店ごとにコンセプトは異なります。
看板や公式サイトでこうした別名が使われていても、基本的に同じジャンルと考えて問題ありません。
スペシャルティコーヒーを看板メニューに掲げている店が多い
コーヒースタンドの最大の特徴といえるのが、スペシャルティコーヒーの取り扱いです。
日本スペシャルティコーヒー協会では、スペシャルティコーヒーの定義として3つのポイントを挙げています。
- 栽培から製造まで一貫した品質管理がされている
- 際立つ風味と爽やかな酸味を持つ
- 国際審査員が認めたコーヒー豆を使用している
一般的なカフェでは、空間の心地よさやフードメニューのバリエーションも大切な要素です。
一方、コーヒースタンドを訪れるお客さんの多くは「とにかく美味しい一杯」を求めています。
だからこそ、豆の品質にこだわっているオーナーが多いのです。
コーヒースタンドとはどう違う?カフェ・喫茶店との比較
コーヒースタンドの輪郭をもっとはっきりさせるには、カフェや喫茶店と比較するのが一番です。
「店の広さやメニュー数だけが違うんでしょ?」と思われがちですが、価値観やターゲット層まで異なります。
ここでは特に差が大きい4つの観点で比べていきましょう。
- 価値の置きどころ:一杯の味 vs. 空間と時間
- メニュー数:コーヒー特化 vs. フード・スイーツも充実
- 店舗規模:省スペース vs. テーブル席あり
- 経営形態:個人オーナー中心 vs. チェーン展開も多い
「一杯の味」か「空間と時間」かで価値観が分かれる
カフェや喫茶店を訪れる方の多くは、「飲食+寛げる空間で過ごす時間」をセットで求めています。
お気に入りのソファ席でゆっくり本を読んだり、友人とおしゃべりを楽しんだりする時間そのものが目的です。
対してコーヒースタンドでは、「この一杯を味わう」こと自体が来店の理由になります。
バリスタが目の前で一杯ずつ淹れてくれるライブ感や、産地によって変わる風味の違いをダイレクトに感じられるのが醍醐味です。
立ち飲みやテイクアウトのスタイルだからこそ、コーヒーそのものに集中できる環境ともいえます。
メニュー数はカフェが豊富でスタンドはコーヒーに絞っている
一般的なカフェでは、パスタやサンドイッチなどの軽食からデザート、さらにはアルコールまで幅広く揃えているお店が多くあります。
コーヒースタンドのメニューは、ドリップコーヒー・エスプレッソ・ラテなどコーヒー系ドリンクが中心です。
フードメニューがある場合も、クッキーやマフィンなど既成のスイーツを少し置いている程度。
この「絞り込み」にはメリットがあります。
メニュー数が少ない分、オーナーやバリスタは豆の仕入れや抽出方法にとことんこだわれるからです。
「メニュー表がシンプルすぎて不安」と感じる方もいるでしょう。
しかし一杯への集中度がまるで違います。
店舗の広さと座席数が圧倒的に違う
| 項目 | コーヒースタンド | カフェ・喫茶店 |
|---|---|---|
| 店舗面積 | 5〜10坪が主流 | 15坪以上が一般的 |
| 座席数 | 0席(テイクアウト専門)〜数席 | 10席以上が多い |
| 滞在時間 | 10〜15分が平均 | 30分〜1時間以上 |
コーヒースタンドは、その名のとおり「立って飲む」のが基本スタイルです。
座席を置かない分、人通りの多い一等地の狭いスペースでも出店できます。
「少し寄って一杯だけ」というスタイルが好きな方にはちょうど良い空間です。
個人オーナーが多く、チェーン店はほとんどない
コーヒースタンドは、個人オーナーがひとりで運営している店舗がほとんどです。
大手チェーンがコーヒースタンド業態で参入しているケースはまだ少なく、一つひとつのお店に異なる個性があります。
オーナーが自ら豆を選び、焙煎のプロファイルを決め、抽出方法を試行錯誤する。
こうした「一人の情熱」が詰まった空間だからこそ、カフェチェーンでは味わえない体験が生まれます。
常連になるとオーナーが好みを覚えてくれます。
「今日はこの豆を試してみて」と提案してくれることもよくあります。
コーヒースタンドが生まれた背景とサードウェーブの関係
コーヒースタンドが日本に広がった背景には、コーヒー文化の大きなうねりが関係しています。
「サードウェーブ」というキーワードを耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
ここでは、コーヒーの歴史を短くたどりながら、なぜ今コーヒースタンドが増えているのかを解説します。
- ファーストウェーブ:コーヒーの大衆化(インスタント・缶コーヒー)
- セカンドウェーブ:スターバックスに代表されるエスプレッソ文化
- サードウェーブ:豆の個性を味わうシングルオリジン・ハンドドリップ文化
サードウェーブとは「豆の個性を味わう」コーヒー文化
2000年頃のアメリカで、コーヒー文化に新しい潮流が生まれました。
ファーストウェーブが「コーヒーをたくさんの人に届ける」こと、セカンドウェーブが「エスプレッソドリンクのバリエーションを楽しむ」ことに主眼を置いていました。
サードウェーブは「一粒一粒の豆そのものの味に向き合う」ことを大切にしています。
| サードウェーブの特徴 | 内容 |
|---|---|
| シングルオリジン | 特定の農園や産地の豆だけを使い、個性を際立たせる |
| 浅煎り | フルーティーな酸味や華やかな香りを活かす焙煎 |
| ハンドドリップ | 一杯ずつ丁寧に手で抽出し、豆の繊細な風味を引き出す |
| ダイレクトトレード | 農園と直接取引し、品質とトレーサビリティを確保する |
こうした文化が、コーヒースタンドという業態と相性が良く、日本でも自然に広がっていきました。
2015年のブルーボトル上陸が日本での広がりを後押しした
日本でサードウェーブが一般に知られるようになったきっかけは、2015年のブルーボトルコーヒー日本1号店オープンです。
東京・清澄白河に登場したこのお店には、連日長い行列ができました。
「一杯のコーヒーにこれほど手間をかけるのか」という驚きは、メディアでも大きく取り上げられ、日本のコーヒー文化に新しい風を吹き込みました。
この出来事をきっかけに、全国各地で個人オーナーによるコーヒースタンドの開業が増え始めています。
2010年代以前は「立ち飲みのコーヒー屋」という概念自体が、日本ではなじみの薄いものでした。
2025年も独立系バリスタの開業が続き店舗数は増えている
2025年の現在も、大手スペシャルティコーヒーショップで経験を積んだバリスタが独立してコーヒースタンドを始めるケースが目立ちます。
コーヒー豆の価格高騰やインフレの影響で経営環境はやさしくないものの、少ない初期投資で自分のスタイルを貫けるコーヒースタンドは、独立志望のバリスタにとって現実的な選択肢です。
また、テイクアウト文化の定着やSNSでの口コミ拡散も追い風になっています。
都心だけでなく、住宅街や郊外の商店街で新規オープンするスタンドも増えてきました。
コーヒースタンドで飲めるコーヒーは何が違う?
「味が違う」とよく言われますが、具体的にどこがどう違うのでしょうか。
コーヒースタンドのドリンクは、使う豆・焙煎度合い・抽出方法の3つが大きく異なります。
3つの違いを順に解説します。
- シングルオリジンの豆で産地の個性がダイレクト
- 浅煎りでフルーティーな酸味と香りが際立つ
- ハンドドリップで一杯ずつ丁寧に抽出
シングルオリジンの豆で産地ごとの風味を直接楽しめる
コーヒースタンドの多くは、シングルオリジン(単一産地・単一農園)の豆を取り扱っています。
ブレンドコーヒーが複数産地の豆を混ぜて安定した味わいを作るのに対し、シングルオリジンは「エチオピアの〇〇農園」「グアテマラの△△地域」といった単位で豆を選びます。
産地によって味わいはまるで別物です。
たとえば、エチオピア産のナチュラル製法なら、ブルーベリーや赤ワインを思わせるフレーバーが口いっぱいに広がります。
コロンビア産のウォッシュド製法なら、キャラメルのような甘さとナッツ系のコクが特徴的でしょう。
こうした「コーヒー豆の品種や産地による味の違い」を楽しめるのが、コーヒースタンドならではの体験です。
「同じコーヒーなのに、こんなに味が違うのか」という驚きこそ、コーヒースタンドにハマるきっかけになります。
浅煎りが主流でフルーティーな酸味と華やかな香りを楽しめる
サードウェーブのスタイルを受け継ぐコーヒースタンドでは、浅煎り(ライトロースト〜ミディアムロースト)の豆を使うことが多いです。
深煎りの苦味やコクとは対照的に、浅煎りでは豆の持つフルーティーな酸味や花のような香りがそのまま引き出されます。
「コーヒー=苦い飲み物」というイメージが強い方には衝撃的でしょう。
浅煎りのコーヒーは、初めて口にすると「これがコーヒー?」と驚くほどフルーツジュースのような明るい味わいのものもあります。
もちろん深煎りを扱うスタンドもあるので、好みに合わせて選べるのが個人店ならではのメリットです。
ハンドドリップで一杯ずつ丁寧に抽出してもらえる
コーヒースタンドでは、バリスタがハンドドリップ(手注ぎ)で一杯ずつ淹れるのが一般的です。
全自動のコーヒーマシンを使う大手チェーンとは、抽出にかける手間がまるで違います。
湯温、注ぐスピード、蒸らし時間——ひとつひとつの工程をバリスタが調整し、その日の豆の状態に合わせてベストな一杯を仕上げます。
目の前でケトルからお湯が細く注がれ、ドリッパーからコーヒーが一滴ずつ落ちていく光景は、見ているだけで心が満たされるものです。
この「ライブ感」こそ、コーヒースタンドならではの贅沢です。
コーヒースタンドを利用するメリットと気になるポイント
「行ってみたいけれど、敷居が高そう…」と感じる方もいるでしょう。
でも、コーヒースタンドには利用者側にとって嬉しいメリットがたくさんあります。
あわせて、事前に知っておくと安心な気になるポイントも正直にお伝えしていきましょう。
- 1杯300〜500円台で高品質なコーヒーが楽しめる
- バリスタとの会話で自分好みの一杯に出会える
- 通勤や散歩のついでに気軽に立ち寄れる
- 気になる点:座席がなく長居には向いていない
メリット:1杯300〜500円台で高品質なコーヒーを手軽に飲める
「スペシャルティコーヒーだから高いのでは?」と心配になる方もいるでしょう。
確かにコンビニコーヒー(100〜200円台)と比べれば高めですが、多くのコーヒースタンドでは1杯300〜500円台で飲めます。
スターバックスのラテ(トール)が500円前後(2026年3月時点)であることを考えると、場合によってはカフェチェーンと同等かそれ以下です。
しかも、使っている豆はスペシャルティグレード。
コストパフォーマンスの高さは一度体験すると実感できるはずです。
メリット:バリスタとの会話で好みの一杯に出会える
コーヒースタンドでうれしいのが、バリスタとの距離が近いことです。
カウンター越しに直接会話ができるため、「酸味が苦手です」と伝えれば、深煎りのブラジル豆を勧めてもらえたりします。
豆の産地や焙煎の話、自宅での淹れ方のコツなど、コーヒーに詳しくない方にも丁寧に教えてくれるバリスタが多いのも頼れるところです。
通い続けるうちに好みを覚えてもらい、「今日入った新しい豆、きっと好みだと思いますよ」と声をかけてもらえる日がきっと来るでしょう。
メリット:通勤途中や散歩のついでに立ち寄れる気軽さがある
テイクアウトや立ち飲みが基本なので、滞在時間は5〜10分程度です。
朝の通勤前にさっと一杯をテイクアウトする、散歩のついでに立ち寄る——こうした使い方ができるのは、座席確保を気にしなくて良いスタンドだからこそ。
「お店に入ったら長居しないといけないかも」というプレッシャーがないので、初めての方でも気兼ねなく利用できます。
気に入ったら次は少し立ち話を楽しんでいく、というように自分のペースで通えるのが嬉しいところです。
気になる点:座席がないため長居やPC作業には向いていない
- 座席がない店舗が多く、長時間の滞在には向いていない
- Wi-Fiや電源がないケースがほとんど
- フードメニューは限られる
座席のないコーヒースタンドでは、長時間過ごすことはできません。
パソコンを広げて仕事をしたり、友人とゆっくりおしゃべりしたりしたい場合は、従来型のカフェの方が向いています。
また、Wi-Fiや電源コンセントを備えていない店がほとんどです。
食事も基本的にはできないと考えておきましょう。
「美味しい一杯のコーヒーを楽しむための場所」として、割り切って利用するのがおすすめです。
初めてのコーヒースタンドで注文する流れと楽しみ方
「行ってみたいけれど、注文の仕方がわからない」という声はよく耳にします。
安心してください。
コーヒースタンドの注文はとてもシンプルです。
初めてでも迷わず楽しめるよう、基本の流れを順を追って解説します。
- 「おすすめは何ですか?」と気軽に聞く
- 好みの酸味・苦味・飲みたい気分を伝える
- ドリップを見守りながら香りを楽しむ
- まずは「おすすめは何ですか?」と気軽に聞く
- 好みの酸味・苦味・飲みたい気分を伝える
- バリスタが豆を選んでくれたら、ドリップを見守る
- 出来上がったらテイクアウトまたはその場で味わう
「おすすめは何ですか?」の一言からバリスタとの会話が始まる
メニューを見て豆の名前や産地がずらりと並んでいると、何を選べばいいかわからなくなることがあります。
そんな時は素直に「今日のおすすめは何ですか?」と聞いてみてください。
バリスタにとって、この質問は大歓迎です。
その日のイチオシの豆や、お店が力を入れている一杯を教えてくれるので、初心者でも間違いのない選択ができます。
「コーヒースタンドは初めてで…」と一言伝えるだけで、より丁寧に説明してもらえるでしょう。
好みを伝えると自分に合う豆を選んでもらえる
もう少し踏み込んだ注文をしたい場合は、好みの方向を伝えてみましょう。
「酸味が好き/苦手」「すっきり系が好き」など、ざっくりした表現で大丈夫です。
「フルーティーで爽やかな味が飲みたいです」→ エチオピアやケニアの浅煎り豆。
「深い苦味としっかりしたコク」→ ブラジルやマンデリンの深煎り豆。
このように、好みのキーワードを伝えるだけで、バリスタがぴったりの豆を選んでくれます。
コーヒー用語に詳しくなくても全く問題ありません。
ドリップ中に漂う香りとバリスタの手元を眺める時間も醍醐味
注文が決まったら、バリスタがドリッパーにペーパーフィルターをセットし、挽きたての豆を入れ、お湯を注ぎ始めます。
蒸らしの瞬間にふわっと広がるコーヒーの香りは、カフェチェーンではなかなか味わえない体験です。
バリスタのケトルさばきを眺めながら待つ時間は、ほんの2〜3分。
この短いライブのような時間こそが、コーヒースタンドが人気を集めている理由のひとつです。
出来上がったコーヒーを受け取ったら、まずは香りを楽しんでからひと口——きっと今までのコーヒー体験とは違う感動があるはずです。
自宅でコーヒースタンドの味を再現する方法
「お店で飲んだあの一杯を、自宅でも楽しみたい」と思ったことはないでしょうか。
コーヒースタンドで使われている道具や豆は、自宅でも手の届く範囲のものがほとんどです。
おうちカフェでスペシャルティコーヒーのおいしさを楽しむためのポイントを3つに絞って解説します。
- スペシャルティコーヒー豆(オンライン通販で購入可能)
- ドリッパー(HARIO V60やKalita Wave など)
- 湯温を90℃前後にして30秒蒸らすのがコツ
スペシャルティコーヒー豆はオンライン通販でも手に入る
以前は専門店に足を運ばないと買えなかったスペシャルティコーヒーですが、今は多くのロースター(焙煎所)がオンライン通販を行っています。
注文を受けてから焙煎する「受注焙煎」を採用しているショップを選べば、届いた豆はいつでも新鮮です。
お気に入りのコーヒースタンドが通販を行っていたら、そこから取り寄せるのもおすすめ。
「お店で飲んだあの味」をそのまま自宅で楽しめると、おうちカフェの時間がぐっと広がります。
200g(約15杯分)で1,500〜2,500円ほどが相場なので、1杯あたりの単価はカフェで飲むよりもずっと安くなります。
ドリッパーとフィルターがあれば自宅で始められる
コーヒースタンドの多くで使用されているドリッパーは、1,000〜3,000円程度で手に入ります。
ハリオ V60やカリタ ウェーブといった定番モデルなら、通販サイトで購入できます。
ペーパーフィルターとドリッパーの2つがあれば、基本の「ペーパードリップ」はすぐに始められます。
サーバー(コーヒーを受けるガラスポット)は、最初はマグカップに直接ドリップするスタイルでも全く問題ありません。
高い機材を揃えなくてもスタートできるのが、ハンドドリップの良いところです。
湯温を90℃前後にして30秒蒸らすと雑味を抑えた一杯になる
自宅ドリップで味が安定しやすい基本レシピは次のとおりです。
- 豆15gを中挽きにする(挽き目は砂糖くらいの粒度)
- 沸騰したお湯を少し冷まして90℃前後にする
- 豆全体にお湯をかけ、30秒蒸らす
- 中心から「の」の字を描くように2〜3回に分けて注ぐ
- トータルの抽出量を230〜250mlにして完成
沸騰直後の100℃のお湯で淹れると、雑味やえぐみが出やすくなります。
一方、低すぎる温度では風味が十分に抽出されません。
90℃前後がもっともバランスよく、クリーンな味に仕上がる温度帯です。
蒸らしの30秒は、豆に含まれるガスを放出させるための時間。
この工程を省くと味が薄くなりやすいので、タイマーで測りながらしっかり待ってみてください。
コーヒースタンドを開業したい人が知っておきたい基礎知識
コーヒースタンドは利用するだけでなく、「自分でもやってみたい」と考える方が増えています。
省スペース・ワンオペで運営できるため、飲食店の中では開業のハードルが比較的低い業態です。
ここでは開業を検討する際に最低限知っておきたい数字と手続きをまとめていきましょう。
- 開業資金:200〜500万円が目安(カフェより低コスト)
- 必要資格:食品衛生責任者+飲食店営業許可
- 設備費:50〜150万円が目安
- 開業の流れ:全10ステップ
- 月の収入目安:10〜30万円(軌道に乗るまで半年〜1年)
開業資金は200〜500万円が目安
一般的なカフェの開業資金は700〜1,000万円ほどかかるのに対し、コーヒースタンドは200〜500万円が相場です(2025年時点)。
| スタイル | 開業資金の目安 |
|---|---|
| 大規模カフェ(15坪・22席) | 約1,000万円 |
| 小規模カフェ(10坪・14席) | 約700万円 |
| コーヒースタンド | 約200〜500万円 |
| 移動カフェ(キッチンカー) | 約250〜400万円 |
コーヒースタンドの初期費用が安い理由ははっきりしています。
テイクアウト専門なら座席やテーブルが要りませんし、厨房設備もコンパクトで済むからです。
たとえば、内装の一部をDIYで仕上げたり、設備を中古で揃えたりすれば、さらにコストを押さえられるでしょう。
最低限の設備費は50〜150万円が目安
店舗スペースが狭いとはいえ、最低限の設備投資は必要です。
ワンオペのテイクアウト専門店に必要な設備と、中古で購入した場合の費用目安をまとめました。
| 設備 | 費用の目安(中古) |
|---|---|
| エスプレッソマシン | 10〜50万円(年式による) |
| コーヒーグラインダー | 5〜15万円 |
| 製氷機 | 5〜15万円 |
| 冷蔵庫 | 5〜10万円 |
| 流し・シンク | 2〜5万円 |
| 給湯器 | 5〜10万円 |
中古の業務用を扱っている専門店だけでなく、ネットオークションでも掘り出し物が見つかることがあります。
新品にこだわらなければ、設備費用を大幅に圧縮できます。
コンセプト作りから営業許可申請まで開業の流れは全10ステップ
開業方法や手順は、一般的なカフェや喫茶店と大きくは変わりません。
- お店のコンセプトを決める
- 事業計画を作成する
- 開業資金を算出し、資金を調達する
- 物件を探す
- 店舗デザインや内装のイメージをまとめる
- 設備機器を選定する
- メニュー開発と価格設定を行う
- 食品衛生責任者の資格を取得する
- 飲食店営業許可を申請する
- 仕入れ先を決め、プレオープンする
物件探しと並行してコンセプトを固めるのが大切です。
「どんなお客さんにどんなコーヒーを届けたいか」が明確であるほど、内装や設備の選定もスムーズに進みます。
食品衛生責任者の資格と飲食店営業許可の2つが開業に必要
調理師免許は必要ありません。
コーヒースタンドを開業するために最低限必要なのは、次の2つです。
| 必要な手続き | 概要 |
|---|---|
| 食品衛生責任者 | 1日間の講習を受ければ取得できる(受講料は約1万円) |
| 飲食店営業許可 | 保健所に申請し、施設基準の検査に合格すれば取得 |
菓子やパンの製造販売も行いたい場合は、別途「菓子製造業営業許可」が必要になります。
ただ、コーヒーのみの販売であれば、上記の2つだけで申請は完了します。
収容人数が30名を超えるような大規模店舗でなければ「防火管理者」の届け出も不要です。
月収10〜30万円で軌道に乗るまで約1年
テイクアウト専門を含む小規模カフェの月収は、10〜30万円が一般的な目安とされています。
オープン直後は月10万円を下回ることも珍しくなく、安定収入が得られるまでには半年〜1年かかるケースが多い現実も知っておきましょう。
経営の健全性を判断するひとつの基準として、「変動費+固定費が売上の90%以下(利益率10%以上)」がよく挙げられます。
コーヒー豆の原価率は一般的に30〜40%程度と、飲食業のなかでは低めです。
家賃が安い立地を選んだり、ワンオペで人件費を抑えたりすれば、黒字化のスピードを早められます。
コーヒースタンドに関するよくある質問
コーヒースタンドについてよく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。
気になる項目をチェックしてみてください。
コーヒースタンドとカフェはどちらが安く利用できますか?
コーヒースタンドの方がやや安いケースが多いです。
ドリップコーヒーで300〜500円台が相場で、カフェチェーンのラテ(500円前後)と比べても同等かそれ以下です。
フードやスイーツを注文しない分、1回あたりの支出は抑えやすくなります。
ただし、希少な豆や特別なメニューは600円以上になることもあるので、お店ごとに確認しましょう。
スペシャルティコーヒーとは何が違うのですか?
スペシャルティコーヒーとは、日本スペシャルティコーヒー協会が定めた基準を満たす高品質なコーヒーのことです。
栽培から抽出まで一貫した品質管理がされ、国際審査員の評価を受けた豆だけが「スペシャルティ」を名乗れます。
コーヒースタンドの多くがこのスペシャルティコーヒーの豆を使っているため、豆の個性がはっきり感じられる味わいを楽しめるのです。
コーヒースタンドの開業に調理師免許は必要ですか?
調理師免許は必要ありません。
開業に必須なのは「食品衛生責任者」の資格と「飲食店営業許可」の届け出の2つです。
食品衛生責任者は1日の講習を受ければ取得可能で、受講料は約1万円となっています。
菓子やパンを製造・販売する場合は追加で「菓子製造業営業許可」が必要ですが、コーヒーのみの販売なら上記の2つで対応できます。
コーヒースタンドの開業にどんな設備が必要ですか?
テイクアウト専門のコーヒースタンドなら、エスプレッソマシン・グラインダー・製氷機・冷蔵庫・流し・給湯器が基本的な設備になります。
中古を活用すれば設備費用は合計50〜150万円ほどに抑えられます。
ハンドドリップ中心で営業するなら、グラインダーとドリップ用のケトル、ドリッパーがあれば最低限のスタートは切れます。
【まとめ】コーヒースタンドで一杯のコーヒーをもっと楽しもう
コーヒースタンドは、テイクアウトや立ち飲みに特化し、こだわりの一杯を手軽に楽しめる小さなコーヒー専門店です。
カフェや喫茶店との違い、サードウェーブの文化背景、利用時の楽しみ方、そしておうちでの楽しみ方まで幅広くお伝えしてきました。
- コーヒースタンドはテイクアウト・立ち飲み中心の小さなコーヒー専門店
- カフェとの最大の違いは「一杯の味に集中する」かどうか
- サードウェーブコーヒーの文化が広がりを後押ししている
- 1杯300〜500円台で高品質なスペシャルティコーヒーが楽しめる
- 「おすすめは?」の一言でバリスタが最適な豆を選んでくれる
- ドリッパーとスペシャルティ豆があれば自宅でもお店の味に近づける
- 開業資金は200〜500万円が目安と飲食業のなかでは低め
まだコーヒースタンドを訪れたことがない方は、ぜひ一度近くのお店に足を運んでみてください。
バリスタが淹れたての一杯を手渡してくれる、その温もりと香りに心が動く瞬間がきっとあるはずです。
そしてお店で出会った味を自宅で楽しんでみれば、毎日のおうちカフェがぐっと豊かになります。

