コーヒー用語完全マスター!品種、焙煎、テイスティングの言葉を徹底解説

コーヒー用語完全マスター!品種、焙煎、テイスティングの言葉を徹底解説
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コーヒーって、奥が深くて面白い飲み物ですよね。でも、お店のメニューや豆の説明で「アラビカ種?」「ナチュラル精製?」「カッピング?」なんて言葉が出てきて、少し戸惑うこともあるかもしれません。

実は、これらの「コーヒー用語」を知ると、コーヒーの世界がぐっと身近に、そしてもっと楽しくなるんです!

この記事では、コーヒーにまつわる様々な言葉を、基本からちょっと専門的なところまで、わかりやすく解説していきます。

用語を知れば、バリスタさんとの会話が弾んだり、自分の好みのコーヒーを見つけやすくなったり、いつもの一杯がさらに味わい深くなるはずです。

目次

コーヒーの基本用語

まずは基本の「き」。これを知っておけば、コーヒーの会話にもついていけるようになるでしょう。

コーヒー

アカネ科の植物の種(コーヒー豆)を焙煎して挽き、お湯などで成分を抽出した飲み物のことです。世界中で親しまれていますね。

アラビカ種

世界で最も広く流通しているコーヒーの品種(学名:Coffea arabica)を指します。豊かな香りと心地よい酸味、洗練された風味が持ち味でしょう。スペシャルティコーヒーの多くはこの品種です。

ロブスタ種

アラビカ種の次に多く生産される品種(学名:Coffea canephora)です。力強い苦味とコクがあり、カフェインも多め。ブレンドやインスタントコーヒーによく使われます。

リベリカ種

生産量は少ないですが、個性的な品種(学名:Coffea liberica)として知られます。豆が大きく、スモーキーとも評される独特な香りが特徴的。

シングルオリジン

他の国の豆などと混ぜず、特定の国や地域、農園だけで作られたコーヒー豆のこと。その土地ならではの風味(テロワール)を楽しめるのが魅力です。

ブレンド

異なる産地や品種、焙煎度合いの豆を複数組み合わせたものを指します。味わいのバランスを整えたり、安定した品質を目指したりする目的があります。

スペシャルティコーヒー

生産からカップまで徹底的に品質管理され、風味評価で高得点を獲得した、とても高品質なコーヒーのこと。欠点のある豆が極めて少ないのも特徴です。

サードウェーブ

コーヒーをワインのように捉え、豆の産地や個性を大切にする考え方の潮流を指します。高品質な豆を浅煎りで提供し、淹れ方にもこだわるのが特徴でしょう。

コーヒーの歴史と文化にまつわる用語

コーヒーがどうやって世界に広まり、各地でどんな文化が生まれたのか、歴史を辿る言葉たちです。

コーヒーの起源伝説

エチオピアの羊飼いカルディが、コーヒーの実を食べたヤギが元気になるのを見て発見した、という有名な伝説があります。

エチオピア

アラビカ種コーヒーが生まれたとされる国です。今でも野生のコーヒーノキがあり、独自のコーヒー文化が息づいています。

イエメン

15世紀頃に、初めてコーヒーが飲み物として栽培され始めたと考えられている地域。初期のコーヒー貿易で重要な役割を果たしました。

モカ港

かつてイエメンにあった港町で、コーヒー貿易の中心地でした。「モカ」という言葉は、ここから出荷されたチョコレート風味のコーヒーの代名詞にもなっています。

コーヒーの世界への伝播

アラビア半島からヨーロッパ、アジア、アメリカ大陸へと広まり、世界中で愛される飲み物になりました。

コーヒーハウス (カフヴェ・ハーネ)

15~16世紀に中東で生まれた、コーヒーを飲みながら交流する社交場のこと。近代カフェのルーツとも言われます。

トルココーヒー

とても細かく挽いた粉を専用の小鍋で煮出して淹れる、伝統的な方法です。上澄みを飲み、底に残った粉で占いをする文化もあります。

ジェズヴェ / イブリック

トルココーヒーを淹れる時に使う、柄の長いひしゃく型の小鍋を指します。

コーヒー占い (タッセオグラフィー)

トルココーヒーを飲んだ後、カップの底に残った粉の模様で運勢を占うことです。

イタリアのバール文化

イタリアの「バール」は、カウンターでエスプレッソをさっと飲むスタイルが特徴的な、生活に根付いた場所と言えるでしょう。

日本の喫茶店文化

日本独自の雰囲気を持つコーヒーショップのこと。丁寧なドリップやサイフォン、軽食などが特徴で、落ち着いた時間を過ごす場として発展しました。

コーヒー豆の品種・栽培・精製に関する用語

コーヒーの味を決める、豆そのものの特徴や育て方、収穫後の処理に関する言葉を見ていきましょう。

コーヒーチェリー

コーヒーノキになる赤い果実で、サクランボに似ていることからこう呼ばれます。中に通常2つの種(コーヒー豆)が入っています。

生豆 (なままめ / きまめ)

コーヒーチェリーから取り出して乾燥させた、焙煎前の豆のこと。この状態で世界中で取引されます。

パーチメントコーヒー

生豆が「パーチメント」という薄い殻にまだ覆われている状態を指します。通常、輸出前にこの殻を取り除きます。

コーヒーベルト

赤道を挟んだ、コーヒー栽培に適した気候の熱帯・亜熱帯地域のこと。世界のコーヒーの多くがここで生産されています。

テロワール

コーヒー豆が育つ土地の気候や土壌などが、豆の風味に与える影響のこと。ワインの世界から来た言葉です。

標高

一般的に、標高が高い場所で育った豆は、昼夜の寒暖差でゆっくり成熟し、複雑な酸味や香りを持つ高品質な豆になりやすいと言われます。

シェードツリー

コーヒーノキの日よけのために植えられる他の木のこと。豆の成熟を穏やかにし、土壌を豊かにする効果も期待されます。

ティピカ種

アラビカ種の元祖に近い古い品種の一つ。風味は良いものの、生産量が少なく病気に弱い面もあります。

ブルボン種

ティピカから変化したとされる主要なアラビカ品種。甘みと複雑な酸味が特徴ですが、こちらも病気にはやや弱いでしょう。

カトゥーラ種

ブルボン種から変化した、収穫量が多く育てやすい品種。明るい酸味が特徴です。

カトゥアイ種

他の品種を掛け合わせて作られた、収穫量が多く病気にも強い品種。風味は様々です。

ゲイシャ種 / ゲシャ種

エチオピア生まれの品種で、ジャスミンのような華やかな香りが特徴。非常に高値で取引されることもあります。

パカマラ種

他の品種を掛け合わせて作られた、大粒の豆が特徴の品種。複雑な果実味を持つことがあります。

SL28

ケニアで選抜された品種。カシスのような際立つ酸味としっかりしたボディで高く評価されています。

精製方法

収穫したコーヒーチェリーから生豆を取り出す工程のこと。この方法がコーヒーの風味に大きく影響します。

ナチュラル (非水洗式 / アンウォッシュド)

チェリーをそのまま天日乾燥させる、古くからあるシンプルな方法。果実味豊かで、どっしりした味わいになることが多いでしょう。

ウォッシュド (水洗式)

果肉を取り除いた後、水を使って粘液質を取り除き、乾燥させる方法。すっきりとした酸味が際立ち、豆本来の風味が現れやすいとされます。

セミウォッシュド

果肉を取り除いた後、粘液質を一部残したまま乾燥させる方法。ナチュラルとウォッシュドの中間的な風味になる傾向があります。

パルプドナチュラル / ハニープロセス

果肉除去後、粘液質(ハニー)を意図的に残して乾燥させる方法。残す量によって甘みやコクが変わってきます。

スマトラ式 (ウェットハル / ギリンバサ)

主にインドネシアで行われる独特な方法。生乾きの状態で殻を脱穀するため、土やハーブのような独特の風味が生まれます。

嫌気性発酵 / アナエロビック・ファーメンテーション

酸素を制限したタンク内で発酵させる比較的新しい技術。ユニークで強い果実風味などが生まれることがあります。

カーボニック・マセレーション

ワイン醸造から応用された技術で、炭酸ガスを満たしたタンクでチェリーを発酵させます。ワインのような風味や独特の香りが特徴。

ハンドピック

収穫時に熟したチェリーだけを選んで摘んだり、欠点のある豆を手作業で取り除いたりすること。品質を高めるために重要です。

スクリーンサイズ

生豆を大きさで分ける基準のこと。サイズが揃っていると、焙煎が均一にしやすくなります。

欠点豆

割れたり虫に食われたりした、風味に悪影響を与える豆のこと。スペシャルティコーヒーでは、これが極めて少ない必要があります。

ニュークロップ

その年に収穫されたばかりの新しいコーヒー豆を指します。新鮮で生き生きとした風味が特徴でしょう。

パーストクロップ

収穫から約1年経ったコーヒー豆のこと。ニュークロップより風味が落ち着いている場合があります。

オールドクロップ

収穫から2年以上経ったコーヒー豆を指します。通常は風味が落ちていることが多いでしょう。

エイジドコーヒー

管理された環境で意図的に数年間熟成させたコーヒーのこと。酸味が和らぎ、独特の風味が生まれます。

マイクロロット

農園内の特定の区画や、特別な方法で作られた少量のコーヒーロット。高品質で個性的なものが多いです。

コーヒーの焙煎・ローストに関する用語

生豆を香ばしいコーヒー豆に変える「焙煎」。そのプロセスと関連用語を見てみましょう。

焙煎 (ロースト)

生豆に熱を加えて、コーヒー特有の香りや味、色を引き出す加熱工程のことです。

焙煎機 (ロースター)

コーヒー豆を焙煎するための機械。ドラムが回転し、熱源で豆を加熱する仕組みが一般的。

サンプルロースター

少量の豆を焙煎するための小型焙煎機。主に生豆の品質チェックや、焙煎計画を立てるために使われます。

焙煎士 (ロースター)

焙煎機を操作し、豆に合わせて焙煎プロセスを管理する専門家を指します。

焙煎度合い (ローストレベル)

豆がどれくらい焙煎されたかを示す度合いのこと。浅煎りから深煎りまで、色や風味で分類されます。

浅煎り

豆の色は明るい茶色。豆本来の個性やフルーティーな酸味、華やかな香りが楽しめます。

中煎り

バランスの取れた焙煎度合い。豆の個性と、カラメルのような焙煎香が調和します。

中深煎り

豆の色は濃い茶色で、少し油分が出てきます。苦味やコクが増し、酸味は控えめに。

深煎り

豆の色は黒に近く、油分で覆われます。強い苦味とスモーキーな香り、重厚なコクが特徴です。

ハゼ (クラック)

焙煎中に豆が「パチッ」と音を立てて弾ける現象のこと。「1ハゼ」「2ハゼ」があり、焙煎度合いを知る目安になります。

チャフ (シルバースキン)

生豆についている薄皮が、焙煎中に剥がれ落ちたもの。焙煎機で集められます。

アフターミックス

豆ごとに最適な焙煎をしてから、後でブレンドする方法。それぞれの豆の良さを引き出しやすいでしょう。

プレミックス

生豆の状態でブレンドしてから、一緒に焙煎する方法。豆同士が影響し合い、独特の風味が生まれることも。

冷却 (クエンチング)

焙煎直後に豆を急速に冷ます工程。焙煎の進行を止め、狙った風味を定着させるために重要です。

ディベロップメントタイム (DTR)

1ハゼが始まってから焙煎終了までの時間、またはその割合のこと。甘さや風味を引き出し、バランスを取るために大切です。

ROR (温度上昇率)

焙煎中の豆温度が、1分間にどれくらい上昇するかを示す値。このカーブを管理することが焙煎の鍵となります。

焙煎プロファイル

一回の焙煎における時間と温度の経過などを記録したデータ。焙煎の再現や改善に役立ちます。

ガス抜き / デガッシング

焙煎された豆から二酸化炭素が放出されるプロセス。数日かけて行われ、風味の安定や抽出に影響します。

エイジング (焙煎後)

焙煎後、コーヒーの風味が落ち着き、より調和していく期間のこと。豆によって最適な期間は異なります。

メイラード反応

焙煎中に起こる、アミノ酸と糖の化学反応。豆が茶色くなったり、様々な香りや風味成分が生まれたりします。

カラメル化

糖が熱で分解されるプロセス。カラメル香や苦味、コクの形成に関わり、深煎りほど顕著になります。

アンダーディベロップメント

豆の内部まで十分に火が通っていない、生焼けのような焙煎の失敗。青臭い、穀物っぽい風味になりがちです。

オーバーディベロップメント

焙煎の後半で加熱しすぎた状態。風味が鈍くなり、単調な焦げ臭さを感じることがあります。

ベイク

焙煎中に温度上昇が停滞してしまい、風味が平坦になる焙煎の失敗。パンのような味気ない印象になります。

スコーチ

豆の一部が焙煎機の熱い部分に触れて焦げてしまうこと。焦げ臭い、煙たい風味の原因となります。

コーヒーの粉砕・グラインドに関する用語

焙煎した豆を、お湯で抽出しやすいように粉にする「粉砕」。このひと手間が味を大きく左右します。

グラインド (粉砕)

焙煎豆を細かく砕くこと。表面積が増え、お湯と触れやすくなり、成分が抽出されやすくなります。

コーヒーミル (グラインダー)

豆を粉砕するための器具のこと。手で回す手動式と、電動式があります。

ブレード式ミル

回転する刃で豆を切り刻むタイプ。粉の大きさが不均一になりやすく、風味を損なう可能性も。

臼式ミル

二つの刃(臼)の間で豆をすり潰すタイプ。均一な大きさの粉を得やすく、風味の良いコーヒーにはこちらがおすすめです。

フラットバー / フラット刃

平行な二つのリング状の刃を持つ臼式ミル。非常に均一な粉を作りやすく、クリアな風味を引き出すと言われます。

コニカルバー / コニカル刃

円錐状の内刃とリング状の外刃を持つ臼式ミル。ボディ感や複雑さを高めると考える人もいます。

粒度 (りゅうど / メッシュ)

粉砕されたコーヒー粉の大きさのこと。淹れ方によって適切な大きさは異なり、細挽き~粗挽きまで様々です。

粒度分布

粉砕された粉の中に、どれくらいの大きさの粒が、どれくらいの割合で含まれているかを示します。均一性が高い方が望ましいとされます。

細挽き

食塩くらいの細かさ、またはそれ以上に細かく挽いた状態。短時間で抽出する方法(エスプレッソなど)に適しています。

中挽き

粗めの砂くらいの、中程度の大きさに挽いた状態。ペーパードリップなどでよく使われる挽き目でしょう。

粗挽き

粗塩やパン粉くらい、粗めに挽いた状態。フレンチプレスなど、じっくり抽出する方法に向いています。

微粉 (びふん)

豆を挽くときにどうしても発生してしまう、非常に細かい粉のこと。多すぎると雑味の原因になることもあります。

コーヒーの抽出理論と実践に関する用語

コーヒー粉から美味しい成分をバランス良く引き出す「抽出」。その仕組みや技術に関する言葉です。

抽出

コーヒー粉からお湯などを使って、味や香りの成分を溶かし出すプロセスのことです。

ブリューイング

コーヒーを淹れる行為全般を指す言葉。抽出(Extraction)とほぼ同じ意味で使われます。

透過法

コーヒー粉の層にお湯を通して成分を抽出する方法。ペーパードリップが代表例。淹れ方で味を調整しやすいのが特徴。

浸漬法

コーヒー粉をお湯に一定時間浸けて成分を抽出する方法。フレンチプレスなどがこれにあたります。安定した味になりやすいでしょう。

溶解

コーヒー粉に含まれる成分が、お湯に溶け出すこと。抽出の基本原理です。

拡散

溶け出したコーヒー成分が、濃い方から薄い方へ移動していく現象を指します。

浸透

水が濃度の低い方から高い方へ移動する現象も、抽出に関わっています。

濾過

淹れたコーヒー液からコーヒー粉を取り除くプロセス。ペーパーフィルターや金属フィルターなどがあります。

抽出レシピ

コーヒーを淹れる際の具体的な手順や設定値のこと。粉の量、お湯の量、挽き目、温度、時間などが含まれます。

抽出比率 / ブリューレシオ

使うコーヒー粉とお湯の量の比率のこと。例えば粉15gにお湯225gなら1:15。コーヒーの濃さを決める要素です。

バイパス

淹れた濃いコーヒーに後からお湯を足して調整すること。または、抽出器具の隙間からお湯が粉を通らずに落ちてしまう現象も指します。

水質

使う水のミネラル分やpHなどが、コーヒーの風味に大きく影響します。成分の溶け出し方が変わるためです。

硬度

水に含まれるカルシウムやマグネシウムの量を示す指標。コーヒー抽出には、硬すぎず軟らかすぎない、適度な硬度の水が良いとされます。

pH値

水の酸性・アルカリ性の度合いのこと。中性(pH 7)に近い、ややアルカリ性の水が抽出に適していると言われます。

抽出温度

抽出に使うお湯の温度。一般的に90℃~96℃くらいが良いとされますが、狙う味によって調整します。

抽出時間

コーヒー粉とお湯が触れている時間のこと。長すぎると苦く、短すぎると酸っぱくなりやすいでしょう。

蒸らし / ブルーム

最初に少量のお湯を注ぎ、30秒ほど待つ工程。粉に含まれるガスを放出し、お湯の浸透を良くして均一な抽出を助けます。

プレインフュージョン

主にエスプレッソマシンで、本格的な圧力をかける前に低い圧力で粉を湿らせること。蒸らしと似た効果があります。

攪拌

抽出中にコーヒー粉とお湯を混ぜること。抽出を促しますが、やりすぎると雑味の原因にもなり得ます。

TDS (総溶解固形分)

淹れたコーヒー液の中に、どれだけコーヒー成分が溶け込んでいるか(濃度)を示す指標。パーセント(%)で表されます。

EY (抽出収率)

使ったコーヒー粉のうち、どれだけの成分が実際に抽出されたかの割合を示す指標。パーセント(%)で表され、一般的に18%~22%が適正と言われます。

過抽出

コーヒーの成分を「抽出しすぎた」状態。苦味や渋みが強くなり、後味も悪くなります。

抽出不足

コーヒーの成分が十分に「抽出されていない」状態。酸味が尖っていたり、水っぽかったり、物足りない味になりがちです。

チャネリング

抽出中にお湯が粉の一部に偏って流れてしまう現象。不均一な抽出となり、味を損ねる原因になります。

抽出トラブルシューティング

抽出がうまくいかなかった時に、原因を探り、レシピ(挽き目、湯温など)を調整して改善することです。

コーヒーの抽出方法と器具に関する用語

コーヒーの淹れ方にも色々あります。代表的な方法と、使う道具の名前と特徴を紹介しましょう。

ドリップコーヒー

フィルターを使って、コーヒー粉にお湯を注いで濾しながら淹れるコーヒーの総称です。

ペーパードリップ

紙のフィルターで淹れる方法。手軽で、すっきりした味わいになりやすいのが特徴。ハンドドリップとも呼ばれます。

ネルドリップ

布(フランネル)のフィルターで淹れる方法。コーヒーオイルが通りやすく、まろやかでコクのある味になると言われます。

フレンチプレス

ポット内で粉をお湯に浸し、金属フィルターで粉を沈めて淹れる器具。豆の油分や風味をダイレクトに楽しめます。

サイフォン

蒸気圧と真空力を利用して淹れる器具。見た目も美しく、比較的クリアな味わいになります。

エアロプレス

注射器のような器具で、空気圧を使って抽出します。短時間で安定した味が出しやすく、様々な淹れ方が可能です。

クレバードリッパー

弁が付いていて、お湯を注ぐと浸漬式、カップに乗せると透過式になる便利なドリッパー。手軽に両方の良さを活かせます。

モカポット (マキネッタ)

直火にかけて蒸気圧でコーヒーを噴き上げる器具。家庭で濃厚なエスプレッソ風コーヒーを楽しめます。

水出しコーヒー / コールドブリュー

お湯ではなく水で、長時間かけてゆっくり抽出する方法。苦味や酸味が少なく、まろやかな甘みが特徴です。

ナイトロ・コールドブリュー

水出しコーヒーに窒素ガスを加えて、ビールサーバーのように注ぐ飲み物。クリーミーな泡と滑らかな口当たりが楽しめます。

エスプレッソ

専用マシンで高い圧力をかけ、短時間で抽出する濃厚なコーヒー。多くのドリンクのベースになります。

リストレット

通常のエスプレッソより少ない湯量で、さらに短時間で抽出したもの。非常に濃厚で甘みが凝縮されています。

ルンゴ

通常のエスプレッソより多い湯量で、長めに抽出したもの。量は多くなりますが、苦味が出やすいことも。

ドリッパー

ペーパードリップで使う、フィルターと粉をセットする器具。形や溝(リブ)で味が変わってきます。

ドリッパーの素材

ドリッパーの素材(陶器、ガラス、プラスチックなど)で、保温性などが異なります。抽出時の温度に影響を与えることも。

フィルター

コーヒー粉と液体を分けるもの。紙、布(ネル)、金属があり、それぞれ味の質感に影響します。

コーヒーケトル (ドリップポット)

ハンドドリップでお湯を注ぐためのポット。細い注ぎ口で、お湯の量をコントロールしやすくなっています。

温度設定機能付きケトル

設定した温度でお湯を沸かし、保温できる電気ケトル。安定した抽出に役立つでしょう。

流量調整

ハンドドリップで、ケトルから注ぐお湯の量や速さを調整すること。味作りの重要なテクニックです。

エスプレッソマシン

高い圧力をかけてエスプレッソを抽出するための機械。様々なタイプがあります。

ポルタフィルター

エスプレッソマシンで、挽いた粉を詰めて本体に取り付ける、取っ手付きの部品のこと。

手動レバー式エスプレッソマシン

レバー操作で圧力をかけるタイプ。扱うのは難しいですが、微妙な調整が可能です。

セミオート・エスプレッソマシン

ポンプで圧力をかけ、抽出の開始・終了は手動で行うタイプ。バリスタが最もコントロールしやすいと言われます。

フルオート / 全自動エスプレッソマシン

豆挽きから抽出まで、ボタン一つで全自動で行うマシン。手軽さが魅力です。

タンパー

エスプレッソを淹れる前に、ポルタフィルターに入れた粉を均一に押し固める道具。

タンピング

タンパーを使って粉を押し固める作業のこと。均一に固めることで、美味しいエスプレッソが抽出できます。

コーヒーの風味評価・テイスティングに関する用語

コーヒーの味や香りを言葉で表現するための専門用語。これを知ると、コーヒーをより深く味わえるようになります。

テイスティング

コーヒーの風味(味、香り、口当たりなど)を感覚で評価すること全般を指します。

カッピング

コーヒーの品質を評価するための、国際的な手順に沿ったテイスティング方法。スプーンでコーヒーをすすって評価します。

感覚科学

人間の五感が、食べ物や飲み物からどう情報を受け取り、どう感じるかを研究する分野。コーヒーの風味評価の基礎となります。

フレグランス

挽いた状態のコーヒー粉の香りのこと。豆のポテンシャルを知る手がかりになります。

アロマ

お湯を注いだ後の、コーヒー液から立ち上る香り。フレグランスより複雑な香りを感じられるでしょう。

フレーバー

口に含んだ時に感じる、味と香りが合わさった総合的な風味体験のことです。

酸味 (アシディティ)

コーヒーの明るさや爽やかさを表す要素。質の良い酸味はフルーティーですが、悪いとただ酸っぱく感じます。

甘味

コーヒーが持つ自然な甘さの感覚。質の高いコーヒーには、果物やカラメルのような甘みが感じられます。

苦味

コーヒーの基本的な味の一つ。カフェインや焙煎によって生まれます。深煎りほど強くなる傾向があります。

コク (ボディ / マウスフィール)

口に含んだ時の、舌触りや重さ、質感のこと。「軽い」「重い」「クリーミー」などと表現されます。

ボディの質感表現

コク(ボディ)の質感を具体的に表す言葉。「シルキー(絹のよう)」「ジューシー」などがあります。

後味 (アフターテイスト)

飲んだ後に口の中に残る風味や感覚のこと。「クリーン」「甘い余韻が長い」などと表現します。

フレーバー表現

コーヒーの風味を具体的に表現する言葉。「フルーティー」「ナッツのよう」「チョコレートのよう」など、様々です。

フレーバーホイール

コーヒーの風味を体系的に分類した円グラフ状の図。テイスティングの際の共通言語として役立ちます。

クロスモーダル効果

ある感覚が別の感覚に影響を与える現象。例えば、甘い香りがすると、味も甘く感じやすくなることがあります。

バランス

酸味、甘味、苦味などの風味要素が、どれか一つだけ突出せず、うまく調和している状態のこと。

クリーンカップ

コーヒーの風味に、嫌な味や雑味がなく、澄んでいること。高品質なコーヒーの証です。

欠点臭 / 異臭味

カビ臭、薬品臭など、豆の欠陥や不適切な処理によって生じる不快な風味や香りを指します。


カフェで楽しむコーヒードリンク用語

カフェのメニューでよく見るドリンク。名前と基本的な中身を知っておくと、注文しやすくなりますね。

エスプレッソ

高圧で抽出した濃厚なコーヒー。そのまま飲んだり、他のドリンクのベースにしたりします。

アメリカーノ

エスプレッソにお湯を加えたもの。ドリップコーヒーに近い濃さで、すっきりしています。

カフェラテ

エスプレッソに温めた牛乳(スチームミルク)をたっぷり加えた、まろやかなドリンク。

カプチーノ

エスプレッソに、スチームミルクと泡立てた牛乳(フォームミルク)を加えたもの。ラテより泡が多いのが一般的。

フラットホワイト

エスプレッソに、きめ細かいスチームミルクを薄く注いだもの。ラテよりコーヒー感が強いでしょう。

マキアート

エスプレッソに少量のフォームミルクを「染み(マキアート)」のように加えたものです。

カフェモカ

エスプレッソにチョコレートとスチームミルクを加えた、甘いコーヒードリンク。

アインシュペナー / ウィンナーコーヒー

濃いめのコーヒーにホイップクリームを乗せた、ウィーン風の飲み物です。

アイリッシュコーヒー

コーヒーにウイスキーと砂糖を加え、ホイップクリームを乗せた温かいカクテル。

アフォガード

冷たいアイスに熱いエスプレッソをかけて食べる、イタリアのデザートです。

デミタス

「半分のカップ」という意味。小さなカップ、またはそれで提供される少量の濃いコーヒーを指します。

ラテアート

カフェラテなどの表面に、ミルクで模様を描く技術のこと。見た目も楽しめますね。

アレンジコーヒー / バリエーションコーヒー

コーヒーにシロップやスパイスなどを加えてアレンジした飲み物の総称です。

コーヒーと健康に関する用語

コーヒーが体にどんな影響を与えるのか、関連する成分や効果についての言葉です。

コーヒーの化学成分

コーヒー豆にはカフェインやポリフェノールなど、1000種類以上の成分が含まれています。焙煎で複雑に変化します。

ポリフェノール

植物に含まれる抗酸化物質のこと。コーヒーにはクロロゲン酸類などが豊富で、健康効果が期待されます。

クロロゲン酸

コーヒーポリフェノールの主成分。強い抗酸化作用のほか、血糖値上昇を抑えるなどの効果が研究されています。

カフェイン

コーヒーに含まれる代表的な成分。眠気を覚ましたり、集中力を高めたりする効果があります。

抗酸化作用

体内の活性酸素を除去する働きのこと。コーヒーのポリフェノールにはこの作用があり、生活習慣病予防に役立つ可能性が。

カフェインの効果

覚醒作用、集中力アップ、疲労感の軽減など、様々な効果があります。感じ方には個人差があるでしょう。

コーヒーと血糖値

長期的に無糖コーヒーを飲むと、2型糖尿病のリスクが減る可能性があるという研究結果があります。

カフェイン過剰摂取の影響

摂りすぎると、不眠やめまい、胃痛などを引き起こすことがあります。適量を心がけるのが大切です。

コーヒーと体重管理

カフェインには脂肪燃焼を助ける効果もあるため、適量なら体重管理の味方になるかもしれません。ただし砂糖やミルクの入れすぎには注意。

デカフェ / カフェインレス

特殊な方法でカフェインを大部分取り除いたコーヒーのこと。カフェインを控えたい時に良いでしょう。

コーヒー業界の人物・資格・イベントに関する用語

コーヒーの世界を支える人々や、品質の基準、業界の動きを示す言葉たちです。

バリスタ

主にエスプレッソマシンでコーヒーを淹れ、様々なドリンクを提供する専門家。知識と技術が求められます。

焙煎士 (ロースター)

生豆の個性を活かし、狙った風味を引き出すために焙煎を行う専門家です。

Qグレーダー

アラビカ種のコーヒー品質を評価する国際的な資格を持つ専門家。カッピングで客観的に評価します。

Rグレーダー

こちらはロブスタ種のコーヒー品質を評価する国際資格を持つ専門家です。

コーヒーマイスター

日本のSCAJが認定する資格。コーヒーの知識や技術を持ち、豊かなコーヒー生活を提案できるプロの証。

自家焙煎

お店や個人が、自分で生豆を仕入れて焙煎すること。こだわりのコーヒーを提供します。

SCA (スペシャルティコーヒー協会)

スペシャルティコーヒーの品質向上と普及を目指す、世界最大の業界団体です。

SCAJ (日本スペシャルティコーヒー協会)

日本のスペシャルティコーヒー業界を代表する団体。国内での普及やイベント開催などを行っています。

CQI (Coffee Quality Institute)

コーヒーの品質向上を使命とする非営利団体。Qグレーダーなどの認定を行っています。

COE (カップ・オブ・エクセレンス)

その年に収穫された最高のコーヒーを選ぶ国際的な品評会。入賞豆は高値で取引されます。

バリスタチャンピオンシップ

バリスタの技術や知識、創造性を競う大会。世界大会(WBC)などが有名です。

コーヒー用語のまとめ

たくさんのコーヒー用語を見てきましたが、いかがでしたか?基本から、豆の種類、淹れ方、味わい方、そして業界のことまで、本当に幅広い言葉がありますね。

これらの言葉を知っていると、コーヒーを選ぶのがもっと楽しくなったり、カフェでの時間がより豊かになったりするはず。「この酸味はウォッシュドだからかな?」「今日は深煎りの気分だな」なんて、自分の好みやその日の気分に合わせてコーヒーを選べるようになるかもしれません。

全部を一度に覚える必要はありません。この記事を時々読み返しながら、自分のペースでコーヒーの世界を探求してみてください。

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