「コーヒー豆をプレゼントでもらったけどミルがない」「自分で買ったのに、挽く道具を持っていなかった」。そんな経験はありませんか?
じつはミルがなくても、自宅のキッチンにある道具で豆を挽くことは十分に可能です。
すり鉢やフードプロセッサーなど、代用品ごとに仕上がりは異なりますが、コツさえ押さえればおいしいコーヒーは淹れられます。
この記事ではミルがないときに使える7つの代用品と注意点、味を落とさない抽出テクニックを編集部の検証結果とあわせてお伝えします。
お店で挽いてもらう方法や、手動ミルの選び方までカバーしていますので、最後まで読んでいただければ「今あるもので1杯飲む」から「次に買うべき道具」まで迷わず判断できるはずです。
- ミルがなくてもすり鉢やフードプロセッサーなど7つの方法でコーヒー豆は挽ける
- すり鉢は均一に仕上がり、フードプロセッサーは微粉が多めなど道具で味が変わる
- 粒度のバラつきをカバーする抽出テクニックで美味しく淹れられる
- 粒度の均一さはすり鉢が一番、フードプロセッサーは微粉が多いため茶こしで除去するとよい
- お店やスーパーで挽いてもらう方法と手動ミル選びもわかる
コーヒー豆を挽くミルがないときに使える代用品7つ
コーヒー豆はミルがなくても、キッチンにある道具を使えば挽けます。
それぞれの道具で仕上がりの粒度や手間が変わるので、一覧で確認していきます。
- すり鉢とすりこぎで少しずつ砕くと粒度を調整しやすい
- フードプロセッサーやミキサーなら短時間でまとめて挽ける
- ブレンダー(ハンドブレンダー)は少量の豆を手早く粉砕できる
- ビニール袋に入れて麺棒やハンマーで叩けば特別な道具がいらない
- 包丁の腹で押しつぶす方法は少量だけ挽きたいときに向いている
- おろし金で削る方法は細かめに仕上がるが時間がかかる
- 乳鉢と乳棒を使えば薬味用でも十分にコーヒー豆を砕ける
すり鉢とすりこぎで少しずつ砕くと粒度を調整しやすい
電気を使わず、自分の手加減で粒度をコントロールできるのがすり鉢のいいところです。
まず豆をすり鉢に入れ、すりこぎの底で軽く押しつぶして粗く割ります。
そのあと円を描くようにすりこぎを動かせば、少しずつ粉が細かくなっていくのが確認できるはずです。
1杯分(約10〜15g)なら10分前後で挽けますが、2杯分以上を一度に挽こうとすると豆が飛び散りやすくなります。
少量ずつ分けて作業するのがポイントです。
フレンチプレス用の粗挽きにも問題なく対応でき、粒度の均一さは7つの方法でトップでした。
編集部で試したところ、ごま用のすり鉢でも問題なく使えました。
10分かかったのは正直しんどかったですが、挽いている間の香りが部屋に広がって気分は最高でした。
フードプロセッサーやミキサーなら短時間でまとめて挽ける
数秒でまとまった量を粉砕できるため、家族の分もまとめて挽きたいときに便利な方法です。
容器に豆を入れて3〜5秒ずつ短く回すのがコツです。
1回で長く回すと摩擦熱で香りが飛んでしまうだけでなく、一部の粉だけが極端に細かくなり、粒度がそろいません。
豆が跳ねて蓋に当たる音がしたら一度止めて、全体を軽くかき混ぜてから再度回しましょう。
3〜5回繰り返せば、中粗挽き程度に仕上がります。
ミキサーの場合はドライモードがある機種が適しています。
水分なしで硬い食材を粉砕できないタイプでは刃が傷むおそれがあるため、取扱説明書を事前にチェックしてください。
ブレンダー(ハンドブレンダー)は少量の豆を手早く粉砕できる
据え置き型のフードプロセッサーを持っていなくても、ハンドブレンダーのチョッパーアタッチメントで代用できます。
付属の小型容器に1杯分の豆を入れ、2〜3秒ずつパルスをかけるだけで30秒ほどで挽き終わります。
ただしブレンダーは刃の回転が速いため、中細挽きよりも細かくなりがちです。
粗挽きに仕上げたい場合は不向きなので、ドリップ用に使う前提で試してみてください。
使用後は刃の付け根に粉が詰まりやすいので、使い終わったらすぐに水洗いしましょう。
ビニール袋に入れて麺棒やハンマーで叩けば特別な道具がいらない
調理器具が何もなくても、ジップロックのような厚手のビニール袋と麺棒さえあればコーヒー豆は砕けます。
-
1
ジップロックに1杯分の豆と一緒に空気を抜いて、口を閉じる
-
2
まな板の上に袋を並べ、タオル1枚でカバーして飛び散りを防ぐ
-
3
麺棒の端で「トントン」と叩いて豆を粗く割る
-
4
ある程度砕けたら麺棒を転がすようにして粉を細かくする
豆を叩くときは「振りかぶって強打」ではなく、「軽く落とす」くらいの力加減がベストです。
強く叩きすぎると袋が破れたり、粉が極端に細かい部分と粗い部分に分かれてしまうので注意してください。
麺棒がなければ空き瓶やハンマーの柄でも代用できます。
仕上がりの粒度はバラつきやすいものの、道具を選ばない手軽さは7つの中で群を抜いています。
包丁の腹で押しつぶす方法は少量だけ挽きたいときに向いている
1〜2杯分だけ手早く挽きたいなら、包丁の腹(平らな側面)で豆を押しつぶす方法が便利です。
にんにくをつぶすときと同じ要領で、まず包丁の腹を豆に当てて体重をゆっくりかけ、パキッと割れる感覚を確かめてください。
割れた豆を集めてさらに押し砕けば、粗挽き程度に仕上がります。
この方法で細挽きにするのは難しいため、フレンチプレスや浸漬式で抽出するのに向いています。
刃のほうを使わないので事故のリスクは低めですが、まな板の上で安定した姿勢で作業してください。
おろし金で削る方法は細かめに仕上がるが時間がかかる
チーズやしょうがを削るおろし金(グレーター)があれば、コーヒー豆を細かく削ることもできます。
仕上がりは中細挽き〜細挽きに近く、ペーパードリップに適した粒度になりやすいのが嬉しいところです。
しかし1杯分を削るのに15分以上かかるうえ、削っている間に指先が痛くなるのが正直なところです。
「ほかの方法が何もないとき」の最終手段として覚えておくくらいでよいでしょう。
削り出す際に摩擦熱が発生しやすい点にも注意が必要です。
乳鉢と乳棒を使えば薬味用でも十分にコーヒー豆を砕ける
理科の実験や薬味を砕くときに使う乳鉢(小型の石製やセラミック製のすり鉢)でもコーヒー豆は挽けます。
乳鉢はすり鉢よりも硬い素材でできているため、豆の殻が割れるときの手応えがしっかり伝わり、少ない力で効率よく砕けるのが特長です。
すり鉢と同様、少量ずつ砕いて粒度を目で確認しながら進めてください。
薬味用の小型乳鉢は1杯分の豆を入れるとぎりぎりですが、丁寧に砕けば均一な粗挽き〜中粗挽きに仕上がります。
代用品でコーヒー豆を挽くときに注意したい3つのポイント
代用品でも豆は挽けるものの、専用ミルとは違った注意点がいくつかあるので気をつけてください。
「挽けたのに味がいまいち」とならないよう、事前に押さえておきたい3つのポイントを解説します。
- フードプロセッサーやミキサーは取扱説明書でコーヒー豆対応か確認する
- 連続運転で摩擦熱が生じると香りが飛ぶので短時間ずつON/OFFする
- 豆が飛び散らないようにタオルやビニール袋でカバーしておく
フードプロセッサーやミキサーは取扱説明書でコーヒー豆対応か確認する
すべてのフードプロセッサーやミキサーがコーヒー豆に対応しているわけではありません。
刃の強度や容器の耐久性によっては、硬い豆を砕く衝撃で刃が欠けたり、容器にひびが入ったりするおそれがあります。
取扱説明書に「乾物」「ナッツ類」「コーヒー豆」などの記載があるか、使用前に必ず確認してください。
たとえばパナソニックのMK-K82は公式にはコーヒー豆などの硬い乾物には非対応で、ブラウンのマルチクイック7などは乾物粉砕に対応しています。
同じ「ミキサー」でも対応範囲が大きく異なるので、型番をメーカーサイトで検索して確かめるのが安全です。
連続運転で摩擦熱が生じると香りが飛ぶので短時間ずつON/OFFする
フードプロセッサーやミキサーを20秒以上連続で回すと、刃と豆の摩擦熱でコーヒーの揮発性アロマが飛んでいきます。
「挽きたてのはずなのに香りが薄い」と感じるときの原因は、たいていこの摩擦熱によるものです。
3〜5秒ずつON/OFFを繰り返し、合計で15〜20秒以内に挽き終えるのが目安です。
途中でフタを開けて粉の状態を確認し、好みの粗さになったらそこで止めてください。
豆が飛び散らないようにタオルやビニール袋でカバーしておく
すり鉢や麺棒で豆を砕く際に多いトラブルが「豆の飛び散り」です。
コーヒー豆は乾燥した殻に包まれているため、力を加えると予想外の方向に弾けます。
キッチンの床に散らばった粒を拾い集める手間を考えると、タオル1枚かぶせるだけで飛び散りはかなり防げます。
ビニール袋に入れて作業する方法(麺棒で叩く方法)なら、飛び散りの心配はほとんどありません。
子どもと一緒に作業する場合は特に、飛び散りを防ぐ対策をしておくと安心です。
代用品で挽いたコーヒー豆の粒度と味への影響
代用品で挽くと、専用ミルと比べて粒度にバラつきが出やすいのが実情です。
粒度の違いが味にどう影響するか、3つのパターンで解説していきましょう。
- 細かすぎると苦味や雑味が出やすくなる
- 粗すぎると薄味で物足りなくなる
- 粒度のバラつきは抽出ムラにつながり味が安定しにくい
細かすぎると苦味や雑味が出やすくなる
コーヒーの粉が細かいほど、お湯と接触する表面積が大きくなります。
表面積が増えると成分の溶け出しが速くなり、短い抽出時間でも苦味やえぐみの原因となる成分まで出てしまうのです。
代用品ではフードプロセッサーやブレンダーを長く回しすぎたときに、粉の一部だけが極端に細かくなりがちです。
もし挽いた粉が「上白糖よりも細かい」状態なら、湯温80℃前後か抽出時間の短縮で苦味を和らげてください。
粗すぎると薄味で物足りなくなる
逆に粒が粗すぎる場合は、コーヒーの成分が十分に溶け出さないまま抽出が終わってしまいます。
ペーパードリップで粗挽きの粉を使うとお湯がすぐに通り過ぎてしまい、色は薄く味のないコーヒーになりやすいのです。
粗すぎると感じたら、粉の量を2〜3g増やしてみてください。
標準が12gなら14〜15gに増やすだけで、しっかりとした濃さになります。
粗挽きに仕上がりやすい代用品(麺棒・包丁)は、フレンチプレスのような浸漬式で使うと本来の味を引き出しやすくなります。
粒度のバラつきは抽出ムラにつながり味が安定しにくい
代用品で挽いたコーヒー粉の最大の課題が「粒度のバラつき」です。
細かい粉と粗い粒が混在すると、細かい部分からは苦味が過剰に出て、粗い部分からは成分が出きらない状態になります。
結果として1杯の中に「苦い」と「薄い」が同居してしまうのです。
これが「代用品で挽くと味が安定しない」と言われる理由です。
| 粒度の状態 | 味への影響 | 対策 |
|---|---|---|
| 均一 | バランスのとれた味 | 専用ミルを使う |
| やや不均一 | 少し雑味があるが許容範囲 | 茶こしで微粉を除去 |
| 大きくバラつく | 苦味と薄味が混在 | フレンチプレスで淹れる |
粒度のバラつきを完全になくすのは代用品では難しいため、次の章で紹介する抽出テクニックでカバーするのがおすすめです。
ミルがないときに味を落とさずに淹れる4つの抽出テクニック
粒度がそろわない粉でも、淹れ方を工夫するだけで味はかなり改善できます。
編集部でも実際に試して効果を確認した4つのテクニックを解説します。
- 茶こしやふるいで微粉を取り除いてから抽出する
- 湯温を80〜85度に下げると雑味が出にくくなる
- フレンチプレスなら粒度が多少バラついても比較的おいしく淹れやすい
- 抽出時間を短めに調整して過抽出を防ぐ
茶こしやふるいで微粉を取り除いてから抽出する
もっとも手軽で効果が大きいのが、挽いた粉を茶こしに入れて軽くふるう方法です。
代用品で挽くと必ず混じる微粉(粉砂糖のように細かい粒子)が、茶こしの網目を通り抜けて下に落ちます。
残った粉だけをドリッパーに入れれば、苦味や雑味が出にくいクリアなコーヒーに仕上がるのです。
フードプロセッサーで挽いた粉を茶こしでふるったら、微粉が全体の2割ほど取れました。
ふるう前と後では味の違いがはっきりわかるので、この手間はかける価値があります。
ふるいとして使う茶こしは100均のもので十分です。
直径が大きめのものを選ぶと作業がしやすくなります。
湯温を80〜85度に下げると雑味が出にくくなる
粒度のバラつきがある粉で淹れるとき、湯温を通常の90℃前後からやや下げると雑味が目立ちにくくなります。
お湯の温度が高いほど成分の溶け出しが速くなるため、微粉部分からも苦味やえぐみが一気に抽出されてしまうのです。
80〜85℃のお湯を使えば、溶け出しのスピードを落として過抽出を防げます。
温度計がなくても問題ありません。
やかんで沸騰させたお湯を別のカップに一度移し替えて、30秒ほど待てばだいたい85℃前後に下がります。
深煎りの豆を使っている場合は特に効果が出やすいので、ぜひ試してみてください。
フレンチプレスなら粒度が多少バラついても比較的おいしく淹れやすい
粒度にバラつきのある粉と相性が良いのはフレンチプレスです。
フレンチプレスはお湯に粉を漬け込む浸漬式なので、ペーパードリップほど粒度の均一性が必要ありません。
粗い粒と細かい粒が混在していても、4分間浸けておけばそれぞれの粒から成分が引き出され、比較的バランスよく仕上がります。
ただしフレンチプレスの金属フィルターは微粉を通しやすいため、カップの底に多少の沈殿物がたまる点には注意が必要です。
気になる方は茶こしで微粉を先に取り除いてからフレンチプレスに入れると、よりクリアな味わいになります。
抽出時間を短めに調整して過抽出を防ぐ
微粉が混じった粉をペーパードリップで使う場合は、通常よりも抽出時間を短くしましょう。
ペーパードリップの標準的な抽出時間は2分〜2分半です。
しかし微粉の多い粉は層が詰まりやすく、お湯の通りが遅くなります。
結果として必要以上に成分が引き出されてしまい、苦くてえぐい味になりがちです。
お湯を注ぐ回数を3回→2回に減らし、1回あたりの量をやや増やすと、全体の抽出時間を1分半〜2分程度に抑えられます。
コーヒーの成分は「甘み・酸味→コク→苦味→えぐみ」の順に溶け出します。
抽出時間を短くすることで、えぐみや雑味が溶け出す前にドリップを終わらせる仕組みです。
ミルがない状態で代用品3種を挽き比べた結果
「結局どの方法が一番おいしく挽けるの?」という疑問に答えるため、編集部ですり鉢・フードプロセッサー・麺棒の3つを使い、同じ条件で挽き比べてみました。
豆はブラジル産の中深煎り(1杯あたり12g)で統一しました。
抽出はペーパードリップ(湯温88℃・お湯180ml)を使い、結果を解説します。
- すり鉢は約10分かかるが粗挽きの均一さは一番だった
- フードプロセッサーは30秒で挽けたが微粉が多く出た
- 麺棒で叩く方法は粗さにムラがあるが手間は少なかった
すり鉢は約10分かかるが粗挽きの均一さは一番だった
すり鉢は時間こそかかりますが、自分の手で粒の状態を確かめながら砕けるため、仕上がりの粒度は3つの中でもっとも均一でした。
ペーパードリップで淹れた結果、苦味と酸味のバランスがよく、雑味の少ないクリアな味わいに仕上がっています。
カップの底に微粉の沈殿物はほとんどありませんでした。
唯一のネックは10分という作業時間です。
忙しい朝には現実的ではありませんが、「休日にゆっくり豆を挽いてコーヒーを楽しみたい」という方には最適な方法でしょう。
フードプロセッサーは30秒で挽けたが微粉が多く出た
フードプロセッサーの最大の強みはスピードです。
5秒×5回のパルス運転で、全体がほぼ中挽き程度に仕上がりました。
ただし刃の回転で粉が巻き上げられるため、どうしても一部が極端に細かくなり、目に見えて微粉が多い状態です。
茶こしでふるったところ、全体量の約2割が微粉として除去されました。
ペーパードリップで淹れたコーヒーはそのままだとやや苦味が強めでしたが、微粉除去後はバランスのとれた味に改善しています。
「手早く挽きたいが、茶こしでのひと手間は惜しまない」という方に向いている方法です。
麺棒で叩く方法は粗さにムラがあるが手間は少なかった
麺棒で叩く方法は、道具を用意する手間がもっとも少ないのが魅力です。
ジップロックと麺棒だけで作業でき、挽くのにかかった時間は約3分でした。
仕上がりは粗挽きに近いものの、細かく砕けた部分と大きな塊が混在しており、粒度の均一さは3つの中でもっとも低い結果です。
ペーパードリップで淹れるとお湯の通りにムラが出やすく、味はやや不安定でした。
フレンチプレスに切り替えたところ、粒度のバラつきが目立たなくなり「これなら十分おいしい」と感じるレベルに。
| 方法 | 所要時間 | 粒度の均一さ | 微粉の量 | ペーパードリップとの相性 |
|---|---|---|---|---|
| すり鉢 | 約10分 | ◎ | 少ない | ◎ |
| フードプロセッサー | 約30秒 | △ | 多い(茶こし除去で改善) | ○ |
| 麺棒 | 約3分 | △ | やや多い | △(フレンチプレスなら○) |
お店やスーパーでコーヒー豆を挽いてもらう方法
自宅で挽く以外に、お店のサービスを利用する方法もあります。
「道具を持っていないけど今すぐ飲みたい」というときに知っておくと便利な方法をまとめました。
- コーヒー専門店やカルディでは購入時に好みの挽き目で挽いてもらえる
- 一部のスーパーにはセルフミルが設置されている
- 持ち込みの豆を挽いてくれる店舗もあるが対応は店舗による
コーヒー専門店やカルディでは購入時に好みの挽き目で挽いてもらえる
カルディコーヒーファームでは、店頭で豆を購入するとき「挽き方はいかがなさいますか?」と聞いてもらえます。
カルディの場合は「細挽き・中挽き・粗挽き・極細挽き」の4段階から選べるので、自分のドリッパーや抽出器具に合った挽き目を指定してください。
スターバックスやタリーズなど大手チェーンでも、その店舗で購入した豆であれば挽いてもらえるケースがほとんどです。
街の自家焙煎店なら、さらに細かい挽き目のリクエストに対応してくれるお店も多いでしょう。
一部のスーパーにはセルフミルが設置されている
じつはイオンや成城石井など、コーヒー豆を取り扱うスーパーの一角にセルフミルが置かれているケースは少なくないです。
操作はシンプルで、挽き目ダイヤルに合わせて豆をホッパーへ入れ、スイッチを押すだけです。
専用ミルで挽くのと同等の均一な粒度に仕上がるため、代用品で挽くよりも味の安定感がぐんと上がります。
ただし、すべてのスーパーに設置されているわけではありません。
近くの店舗にセルフミルがあるかどうか、事前に電話やWebサイトで確認しておくのが確実です。
持ち込みの豆を挽いてくれる店舗もあるが対応は店舗による
中には「他店で購入した豆」や「ギフトでもらった豆」を持ち込んで挽いてくれるお店もあります。
ただし、これは店舗の善意によるサービスであり、すべてのお店が対応しているわけではありません。
「異なる豆がミルに混ざると味に影響する」「衛生管理上の理由で断る」というケースもあるため、持ち込む前に電話で一言確認するのがマナーです。
持ち込みOKの店舗を見つけるコツ
地域の自家焙煎店は比較的対応してくれる傾向があります。
GoogleマップやInstagramで「コーヒー豆 持ち込み 挽き」と検索し、口コミを調べてみてください。
ミルがないなら手動ミルを1つ持っておくと毎日のコーヒーが変わる
代用品でもコーヒーは淹れられますが、やはり毎日飲むなら専用の手動ミルが1つあると世界が変わります。
価格・サイズ・使い勝手の面から、手動ミルをおすすめする理由を確認していきましょう。
- 3,000円前後から買えてキッチンに置いても場所を取らない
- 挽きたてのコーヒーは粉で買うよりずっと香りが良い
- 挽き目を調整できるからドリップにもフレンチプレスにも使える
- ダイソーなど100均でも500円から手挽きミルが手に入る
- 電動ミルなら毎朝10秒で挽けるが予算は5,000円台から
3,000円前後から買えてキッチンに置いても場所を取らない
手動ミルは電動ミルと比べてお手ごろな価格帯で、3,000円前後から手に入るのが魅力です。
たとえばHARIO セラミックスリム(MSS-1TB)は実売2,000〜3,000円台で、セラミック刃を搭載しており挽き目の調整も可能です。
本体サイズは幅15cm×奥行約7cm×高さ約22cmとスリムなので、キッチンの片隅にも収まります。
「ミルは高そう」「キッチンが狭いから置けない」と思っている方にこそ試してほしいのが手動ミルです。
電源も不要なので、アウトドアや旅先にも持っていけるのもメリットでしょう。
挽きたてのコーヒーは粉で買うよりずっと香りが良い
コーヒー豆は挽いた瞬間から酸化が始まり、香り成分が空気中に逃げていきます。
スーパーで売っている粉のコーヒーは工場で挽かれたあと店頭に並ぶまでに日数が経過しているため、豆の状態から自分で挽いた直後のコーヒーとは香りの鮮度が段違いです。
手動ミルでゆっくりハンドルを回していると、挽くそばから豆の甘い香りが立ち上ってきます。
この香りの体験だけでも、ミルを持つ価値は十分にあるのではないでしょうか?
挽き目を調整できるからドリップにもフレンチプレスにも使える
手動ミルの多くは、内部のダイヤルを回すだけで挽き目を段階的に調整できます。
ペーパードリップなら中細挽き、フレンチプレスなら粗挽き、マキネッタなら細挽きと、1台で複数の抽出器具に対応できるのが手動ミルのいいところです。
代用品だと「その道具ならこの粗さ」と仕上がりが固定されてしまいます。
ミルなら自分の好みの粒度にぴったり合わせられるのがメリットです。
粒度の均一性も代用品とは比較にならないため、味の安定感がぐんと上がります。
ダイソーなど100均でも500円から手挽きミルが手に入る
「3,000円でも出費がためらわれる」という方には、ダイソーの手挽きコーヒーミル(550円・税込)がおすすめです。
セラミック刃を搭載し、挽き目も5段階で調整できるため、代用品と比べれば別次元の均一さで挽けます。
ワンコインで挽きたてのコーヒーが楽しめるなら、試す価値は十分にあるでしょう。
キャンドゥでも過去に550円の手挽きミルが販売されていた実績があり、店舗によっては取り扱いがある場合もあります。
どちらも容量は1〜2杯分で、毎日のおうちコーヒーには十分なサイズです。
耐久性はやや低めで、セラミック刃が摩耗すると粒度がそろいにくくなります。
半年〜1年を目安に買い替えるか、気に入ったらHARIOやタイムモアなどの本格ミルにステップアップするとよいでしょう。
電動ミルなら毎朝10秒で挽けるが予算は5,000円台から
「毎朝ハンドルを回す時間がない」という方には電動ミルが向いています。
ボタンを押すだけで10秒前後で挽き終わるため、忙しい朝でもストレスなく挽きたてのコーヒーが楽しめます。
メリタのセレクトグラインド(税込5,720円)はプロペラ式で手入れが簡単で、初めての電動ミルとして手ごろな価格なのが特長です。
ただしプロペラ式の電動ミルは手動ミルと比べて粒度のバラつきが出やすいという弱点があります。
より均一に挽きたい場合は、コニカル刃(円錐刃)を搭載した臼式タイプを選んでください。
| タイプ | 価格帯 | 挽き時間 | 粒度の均一さ | 手入れのしやすさ |
|---|---|---|---|---|
| 手動ミル(100均) | 500〜1,100円 | 約2〜3分 | ○ | ◎ |
| 手動ミル(専門メーカー) | 3,000〜8,000円 | 約1〜2分 | ◎ | ○ |
| 電動ミル(プロペラ式) | 5,000〜8,000円 | 約10秒 | △ | ◎ |
| 電動ミル(臼式) | 8,000〜20,000円 | 約15〜30秒 | ◎ | △ |
コーヒー豆の挽き目は5段階あり抽出器具で使い分ける
ミルがあってもなくても、挽き目の基準を知っておくと「どの粗さを目指せばいいか」で迷わなくなります。
5段階の挽き目と、それぞれに適している抽出器具を以下にまとめています。
- 極細挽きはエスプレッソマシンやマキネッタ向きの粉状
- 細挽きはウォータードリップや水出しコーヒー向き
- 中細挽きはペーパードリップの標準で家庭で最も使われる
- 中挽きはネルドリップやサイフォン向き
- 粗挽きはフレンチプレスやパーコレーター向き
極細挽きはエスプレッソマシンやマキネッタ向きの粉状
極細挽きは上白糖のようなパウダー状で、粒径は約0.3mm程度です。
高圧のお湯を短時間で通すエスプレッソマシンや、蒸気圧で抽出するマキネッタに使われます。
代用品でこの粗さに挽くのはほぼ不可能なので、極細挽きが必要な場合はお店で挽いてもらうのが現実的です。
細挽きはウォータードリップや水出しコーヒー向き
細挽きはグラニュー糖に近い粒度で、粒径は約0.5mm程度です。
長時間かけて水で抽出するウォータードリップ(水出しコーヒー)との相性がよく、まろやかで雑味の少ない味わいに仕上がります。
おろし金で削ると、この細挽きに近い粒度を再現しやすいでしょう。
中細挽きはペーパードリップの標準で家庭で最も使われる
中細挽きはグラニュー糖よりやや粗い程度で、家庭用コーヒーでもっとも使われている挽き目にあたります。
ペーパードリップやコーヒーメーカーで淹れるときはこの中細挽きが基本となり、苦味・酸味・コクのバランスがもっとも取りやすい粒度といえます。
スーパーで売っている粉のコーヒーも、ほとんどがこの中細挽きに合わせて設定されているのが一般的でしょう。
中挽きはネルドリップやサイフォン向き
中挽きはグラニュー糖とザラメの中間程度の粗さで、粒径は約0.7〜0.8mm程度です。
じっくり時間をかけて抽出するネルドリップやサイフォンに適しており、まろやかな口当たりが楽しめる挽き目です。
すり鉢で丁寧に砕くと、この中挽きに近い粒度を再現しやすくなります。
粗挽きはフレンチプレスやパーコレーター向き
粗挽きはザラメ糖ほどの粒度で、粒径は約1.0〜1.5mm程度です。
フレンチプレスやパーコレーターのように、長時間お湯に漬け込む浸漬式の抽出に向いています。
代用品(麺棒・包丁)で挽くと自然にこの粗さに近づくため、フレンチプレスとの組み合わせが現実的です。
挽いたコーヒー豆の保存方法と鮮度を保つコツ
代用品で一度にたくさん挽いてしまった場合、余った粉をどう保存するかで味の劣化度合いが変わります。
鮮度を保つための3つのコツを押さえておきましょう。
- 挽いた直後から酸化が始まるので淹れる分だけ挽く
- 余った粉は密閉容器に入れて冷凍庫で保存する
- 冷凍した粉は常温に戻してから抽出すると風味が安定する
挽いた直後から酸化が始まるので淹れる分だけ挽く
コーヒー豆は挽いた瞬間から空気と触れる表面積が一気に増え、酸化のスピードが加速します。
豆の状態なら2〜4週間は風味を保てますが、粉にすると24時間で香りの鮮度が目に見えて落ちるといわれています。
代用品で挽くのは手間がかかりますが、それでも「飲む直前に、飲む分だけ挽く」のが味を守る鉄板ルールです。
一度に大量に挽いて保存するのは、味の観点からはおすすめしません。
余った粉は密閉容器に入れて冷凍庫で保存する
どうしても余ってしまった場合は、密閉容器(ジップロックやキャニスター)に入れて冷凍庫に保存してください。
冷凍すれば酸化の進行をかなり遅らせることができます。
ジップロックを使う場合は空気をしっかり抜いてから封をし、二重にすると冷凍庫の匂いが移りにくくなります。
冷蔵庫(チルド室)でも保存はできますが、冷凍庫のほうが酸化を抑える効果は高いです。
保存期間の目安は冷凍で約2週間です。
それ以上経った粉は風味がかなり落ちるため、早めに消費してください。
冷凍した粉は常温に戻してから抽出すると風味が安定する
冷凍保存した粉をそのままドリッパーに入れると、冷たい粉にお湯の温度を奪われてしまいます。
想定より低い温度で抽出が始まると、コーヒーの成分が十分に溶け出さず薄い味になりがちです。
冷凍庫から出した粉は10〜15分ほど常温に置いてから使ってください。
冷凍した粉を繰り返し出し入れすると結露が発生します。
品質の急速な劣化につながるので、避けてください。
1回分ずつ小分けにして冷凍するのが理想的です。
コーヒー豆を挽くミルがないときのよくある質問
ミルがない場合に、よく寄せられる6つの疑問にQ&A形式でお答えします。
フードプロセッサーでコーヒー豆を挽くと壊れませんか?
硬い食材に対応している機種であれば問題ありませんが、連続使用を避けて短時間ずつ回すのが安全です。取扱説明書でコーヒー豆の使用可否を確認してください。
すり鉢で挽いたコーヒーはおいしく淹れられますか?
粒度の調整に手間がかかりますが、茶こしで微粉を取り除けば十分においしいコーヒーが楽しめます。
コーヒー豆をもらったけど飲む道具もないときはどうしたら良いですか?
鍋で煮出すターキッシュコーヒー風の方法や、お茶パックに粉を入れて浸漬する方法でも飲めます。
コンビニやスーパーでも豆を挽いてもらえますか?
一部のスーパーにはセルフミルが設置されていますが、コンビニに挽きサービスはほぼありません。
代用品で挽いた豆と専用ミルで挽いた豆では味がどのくらい違いますか?
粒度の均一性が異なるため、専用ミルの方が雑味が少なくクリアな味になりやすいです。微粉除去や湯温調整を工夫すれば代用品でも十分楽しめます。
コーヒー豆を丸ごと煮出して飲むことはできますか?
豆のまま煮出すターキッシュコーヒー風の方法もありますが、抽出に時間がかかり味も薄くなりやすいため、できるだけ挽いてから淹れるのがおすすめです。
【まとめ】ミルがなくてもコーヒー豆は挽ける
ミルがない場面に遭遇しても、すり鉢やフードプロセッサーなど身近な道具があればコーヒー豆は挽けます。
- すり鉢は時間がかかるが粒度の均一さは7つの方法で一番だった
- フードプロセッサーは30秒で挽けるが微粉が多いため、茶こしでふるうとよい
- 粒度がバラついたら湯温を80〜85℃に下げるか、フレンチプレスで淹れると味が安定する
- お店やスーパーで挽いてもらう方法もあるので「自分で挽く」にこだわる必要はない
- ダイソーの手挽きミル(550円)でも代用品よりずっと均一で挽ける
- 毎日飲むなら手動ミル(3,000円前後)を1つ持っておくと、朝のコーヒーの満足度がぐっと変わる
編集部でも最初は「ミルなんてなくても大丈夫」と思っていましたが、手動ミルを買ってからは朝の挽きたての香りが楽しみになりました。
まずは家にある道具で1杯試してみて、「もっとおいしく飲みたい」と思ったらミルの購入を検討してみてください。
