コーヒーを飲むとクラクラしたり、めまいを感じて「もしかして貧血かも?」と不安になったことはありませんか?
多くの方が、食事の前後にコーヒーを楽しむ場合、タイミングによってはせっかく摂った鉄分の吸収が邪魔されてしまうことがあります。
本記事では、コーヒーが貧血を招くと言われる理由や、鉄分不足を防いで美味しく飲むための4つの対策を解説します。
- コーヒーのクロロゲン酸が鉄分の吸収を妨げてしまう
- 食前後1時間を避ければコーヒーで貧血は防げる
- カフェインレスのデカフェでも鉄分吸収は阻害される
妊娠中や生理中で鉄分不足が気になる方や、コーヒーを飲むと動悸がする等のよくある質問にもお答えします。
編集部で実際に体調の変化を検証した結果もまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
コーヒーが貧血の原因になる?鉄分吸収との関係について
まずは、コーヒーと貧血がどのように関係しているのかを整理します。
直接的な原因ではないものの、特定の成分が吸収に関わっていることがわかっています。
実際に体内で何が起きているのか、順番に紐解いていきます。
- コーヒーに含まれる「クロロゲン酸」が鉄分吸収を妨げる
- カフェイン自体が直接的な貧血の原因ではない
- とくに影響を受けやすいのは植物由来の「非ヘム鉄」
コーヒーに含まれる「クロロゲン酸」が鉄分吸収を妨げる
コーヒーには、「クロロゲン酸」と呼ばれるポリフェノールの一種が豊富に含まれています。
この成分が、体内で鉄分と結びついて「タンニン鉄」という水に溶けにくい物質へと変化してしまいます。
水に溶けにくくなった鉄分は腸でうまく吸収されず、そのまま体外へ排出される仕組みです。
本来なら体に取り込まれるはずだった栄養が抜け落ちてしまうことで、貧血に陥るケースが見受けられます。
カフェイン自体が直接的な貧血の原因ではない
貧血の原因はカフェインなのでしょうか?勘違いされるケースがよくあります。
しかし、カフェイン自体が血を減らしたり吸収を直接邪魔したりするわけではないのです。
鉄分吸収をブロックする主犯格はあくまでクロロゲン酸などのポリフェノールになります。
ただ、カフェインの利尿作用や交感神経を刺激する働きによって「動悸やめまい」が起こりやすくなるため、それを貧血だと感じてしまう人は少なくないのが実際のところです。
こうした体調不良を防ぐため、カフェインが体からいつ抜けるのかなど影響について知りたい方は、カフェインが抜ける時間は?半減期の仕組みと睡眠に影響しない飲み方を解説もあわせてご覧ください。
とくに影響を受けやすいのは植物由来の「非ヘム鉄」
コーヒーの影響をダイレクトに受けて吸収率が下がってしまうのは、植物性の「非ヘム鉄」です。
食品中の鉄分は大きく分けて、肉や魚のヘム鉄と、ほうれん草など植物性の非ヘム鉄の2種類があります。
もともと非ヘム鉄は体への吸収率が5%前後と非常に低いです。
そのため、食後のコーヒーでさらに吸収をジャマされてはたまりません。
サラダや大豆中心のヘルシーな食生活をしている方は、とくに気をつけてください。
貧血傾向でも鉄分不足を防いでコーヒーを楽しむ4つの対策
鉄分への影響が心配な方でも、少しの工夫で美味しいコーヒーを日々楽しむことができます。
普段の習慣にアレンジを加えて、手軽に試せる4つの対策をまとめました。
- 食前・食後1時間はコーヒーを飲むのを控える
- 1日のコーヒーの摂取量は2〜3杯までに留める
- 鉄分の吸収を助けるビタミンCや「ヘム鉄」を一緒に摂る
- 浅煎りよりもクロロゲン酸が少なくなる「深煎りコーヒー」を選ぶ
食前・食後1時間はコーヒーを飲むのを控える
最も簡単で確実な防衛策は、食事とコーヒーの時間をずらすことです。
口から入った鉄分が胃腸で消化吸収されるまでには、どうしても一定の時間がかかります。
食前や食直後は我慢して、食後からおおむね1時間ほど経ってから淹れるのが理想的です。
ランチ後のコーヒーをデスクに戻ってからゆっくり楽しむようにするだけでも、鉄分ロスを大きく減らせます。
1日のコーヒーの摂取量は2〜3杯までに留める
どれだけタイミングを意識しても、毎日水のようにガブ飲みしていては胃腸の環境が荒れてしまいます。
1日の摂取目安は、健康な成人でマグカップ2〜3杯程度に留めておくのが安心です。
この適量さえ守ってバランスよく食べていれば、健康な人がコーヒーのせいで深刻な鉄欠乏性貧血に陥るリスクはほとんどありません。
鉄分の吸収を助けるビタミンCや「ヘム鉄」を一緒に摂る
非ヘム鉄の吸収率を底上げしたいなら、レモン汁やフルーツなどビタミンCを豊富に含む食品を一緒に摂るのが効果的です。
またいっそのこと、食事のメインをクロロゲン酸の影響を受けにくい「ヘム鉄」に切り替えるのも優れた作戦と言えます。
赤身の肉やレバー、カツオといった動物性たんぱく質にはヘム鉄がたっぷり含まれているため、コーヒー愛好家こそ意識的に毎日のメニューへ取り入れるのがおすすめです。
浅煎りよりもクロロゲン酸が少なくなる「深煎りコーヒー」を選ぶ
飲む豆の「焙煎度合い」を変えることでも、鉄分への影響を少し和らげられます。
鉄の吸収を妨げるクロロゲン酸は熱に弱く、深く焙煎すればするほど成分が熱分解されて減少していくことが分かっています。
酸味の強いフルーティーな浅煎りよりも、コクや苦味がしっかりしたフレンチロースト等の深煎りコーヒーを選ぶとよいでしょう。
酸味が苦手な方にもおすすめの深煎りコーヒーの探し方については、もう酸っぱくない!酸味の少ないコーヒー豆の選び方と淹れ方を解説もあわせてご覧ください。
貧血や鉄分不足が気になる妊娠中・生理中のコーヒーの飲み方
体がデリケートになる妊娠中や生理中は、普段以上に鉄分の確保が大切です。
この時期でのコーヒーとの安全な付き合い方についてまとめました。
安心してマタニティ期や生理中を過ごすためのコツを押さえておきましょう。
- カフェインレスでもクロロゲン酸は残るため注意が必要
- 食間など胃の中に食べ物がないタイミングで楽しむのがベスト
カフェインレスでもクロロゲン酸は残るため注意が必要
「デカフェにすれば貧血対策になる」というのはよくある誤解です。
デカフェ処理はあくまでカフェインを取り除く技術であり、鉄吸収を妨げるクロロゲン酸の大半は取り除かれずに残っています。
カフェインを控えるだけでなく完全に別の飲み物を検討したいという方は、コーヒーの代わりになる飲み物は?ノンカフェイン&デカフェのおすすめ12選もあわせてご覧ください。
どうしても心配な場合は、タンニンを含まない麦茶や水で鉄分を補給してから、別のタイミングでデカフェを楽しむのが無難でしょう。
妊娠中や生理中など鉄分不足が気になる時期に、カフェインゼロだからといって食後すぐ飲んでしまうと、貴重な鉄分を逃してしまう点には気をつけましょう。
緑茶や紅茶よりコーヒーの方が鉄分にマシか考えるよりも大事なこと
「コーヒーを我慢して紅茶や緑茶にする」という方もいますが、それらのお茶にも鉄分を阻害する「タンニン」が含まれています。
ですから、飲み物の種類を変えるよりも、そもそも「胃の中に食事由来の鉄分が残っていないタイミング(食間)」を狙うのがベストな解決策です。
午前10時のひと休みや、午後3時のおやつ時といった時間帯であれば、鉄分の吸収を邪魔する心配はありません。
時間差テクニックを取り入れるだけで、不安を感じることなく気楽にブレイクタイムを満喫できます。
【検証】貧血気味の編集部員がやってみたコーヒーと鉄分対策
「コーヒーのタイミングをずらすだけで本当に違うのかどうか?」と疑問に思う方に向けて、実際に生活リズムを変えて1ヶ月試した結果をお届けします。
どのような工夫をして体調が変化したのか、具体的なルーティンをご覧ください。
- 朝食時はコーヒーの代わりにオレンジジュースを選ぶ
- ランチ後のリラックスタイムに深煎りコーヒーを楽しむ
- 1ヶ月続けてみた体調や気分の変化
朝食時はコーヒーの代わりにオレンジジュースを選ぶ
貧血対策として、最初の見直しは朝のルーティンから始まりました。
私自身、「朝の1杯だけは絶対に譲れない」というほどのコーヒー党でした。
今回は思い切って、朝の定番の習慣を変えてみることにしたんです。
まずは、トーストや目玉焼きと一緒に摂る飲み物をチェンジしました。
代わりに選んだのは、鉄分吸収を力強くアシストしてくれるビタミンCたっぷりのオレンジジュースです。
午前中の頭をシャキッとさせつつ、食事の鉄分を無駄にしない工夫に繋がりました。
ランチ後のリラックスタイムに深煎りコーヒーを楽しむ
大好きなコーヒーを淹れたのは、昼食からきっちり1時間以上が経過した午後1時過ぎのタイミングです。
朝に飲めなかった悲しみを吹き飛ばすべく、豆は香ばしさがガツンと来る深煎りマンデリンをセレクト。
クロロゲン酸が少ないという安心感も手伝って、デスクワーク中の気分転換として上質な一杯を堪能できました。
1ヶ月続けてみた体調や気分の変化
実際にこの作戦を1ヶ月続けてみると、午後特有の急な倦怠感や立ちくらみの頻度が少しマシになった感覚があります。
- 朝の目覚め:オレンジジュースでも十分スッキリする
- 午後の体調:以前よりも夕方の立ちくらみが和らいだ
- 気持ちの変化:毎日飲む1杯をより大切に味わえるようになった
治療法というわけではありませんが、「いつ飲めば体に一番優しいか」というルールを作ったことで、毎回のコーヒーを以前よりもずっと大切に味わえるようになったと実感しています。
コーヒーと貧血・鉄分についてよくある質問
貧血や鉄分不足に関する、読者から多く寄せられるコーヒーの疑問についてお答えします。
医療関係のアドバイスも含まれますので参考にしてください。
病院で処方される鉄剤とコーヒーは一緒に飲んでもよいですか?
医師から処方された鉄剤を飲む際、コーヒーの影響が気になる方は多いでしょう。
かつては「鉄剤を飲む前後1時間はコーヒーやお茶を控えること」と指導されるのが一般的でした。
しかし最近の医療現場では、処方される鉄剤そのものに十分な量の鉄が含まれていることなどから、そこまで過敏にならなくても薬効への影響は気にしなくてよいとされています。
ただし、お茶やコーヒーで直接薬を飲み込むのは避け、水や白湯で服用するのが基本です。
気になる場合はかかりつけの医師や薬剤師に相談してください。
紅茶や緑茶にもコーヒーと同じように鉄分を妨げる成分は含まれていますか?
コーヒーが苦手で、紅茶やお茶なら大丈夫だと思っている方もよくあります。
紅茶や緑茶にも、それぞれ鉄分の働きを妨げる「タンニン」と呼ばれる成分が含まれています。
とくに玉露や煎茶などの濃いお茶にはタンニンが多く含まれているため、コーヒーと同様に食事中や食後すぐのがぶ飲みはおすすめできません。
鉄分摂取を意識して食事のお供を選ぶなら、タンニンが含まれていない麦茶や水、ルイボスティーなどのノンカフェイン飲料が向いています。
コーヒーを飲んで起こるめまいや動悸は貧血のせいですか?
コーヒーを飲んだ直後に気分が悪くなると、貧血を疑ってしまうことがあります。
コーヒーを飲んだ直後に現れるめまい、動悸、息切れなどの症状は、貧血ではなく「カフェインによる交感神経の過剰な刺激」であるケースがほとんどです。
短時間に一度にカフェインを摂取しすぎると、自律神経が急激に反応して体が軽くパニック状態になります。
クラクラして体調が悪くなった場合は水分を多めに摂り、ゆっくりと横になって休むようにしてください。
【まとめ】飲むタイミングを工夫してコーヒーと鉄分補給を両立させよう
コーヒーに含まれるクロロゲン酸は鉄分の吸収を妨げる働きがありますが、決してコーヒーそのものが健康に悪いわけではありません。
大切なのは、食事とコーヒーを楽しむ時間を少しだけズラすというタイミングの工夫です。
- 食前後1時間のコーヒーを控え、食間に深煎りを楽しむ
- ヘム鉄やビタミンCを意識して毎日の食事を整える
- デカフェであっても鉄分阻害の影響はあると知っておく
- めまいや動悸が出たときは、カフェインの過剰摂取を疑う
これらのポイントを押さえておけば、鉄分不足を過剰に心配することなく自分好みの一杯を楽しめます。
おうちカフェの時間をより健やかにするために、ぜひ本記事の飲み方を無理のない範囲で取り入れてみてください。
