ブラジルのコーヒーといえば、酸味が少なく、誰にでも親しみやすいことで有名です。
世界最大の生産国として、日本の主なカフェや市販ブレンドにも数多く採用されています。
普段から何気なく飲んでいる身近な存在だからこそ、その本質を知ることで毎日のティータイムがグッと豊かになるはず。
このページでは、独自の香りや味わいの理由から、品種ごとの違いまでを徹底的にまとめました。
- 酸味が控えめでナッツやチョコレートのような香ばしいアロマを持つ
- 標高の低さとパルプドナチュラル精製による自然な甘みが味のベースになる
- 定番のサントスNo.2は焙煎や味の違いを知るはじめのステップとして向いている
- 抽出温度を85度前後に下げることで嫌なえぐみを抑えられる
ブラジル産コーヒー豆が持つ味の特徴
まずは、ブラジルコーヒー特有の味わいについて触れておきましょう。
なぜ多くの人に愛され続けているのか、その理由を順番に解説します。
- 酸味が少なく苦味とコクのバランスが良い
- ナッツやチョコレートのような香ばしい風味
- クセがなくブレンドのベースとしても重宝される
酸味が少なく苦味とコクのバランスが良い
なぜ多くの人々がこの豆を好んで飲むのでしょうか?
その理由は、深みのある苦味としっかりとしたコクのバランスが絶妙であり、初心者にもお勧めしやすいからです。
酸っぱさが抑えられたマイルドな口当たりは、心地よい余韻を残します。
ブラックを普段飲まない方でも、抵抗なく楽しめる仕上がりになっています。
ミルクとの相性も良く、万能なキャラクターとして活躍してくれます。
ナッツやチョコレートのような香ばしい風味
豆を挽いた瞬間に漂うのは、ローストナッツを思わせるアロマ。
淹れたあとのカップからは、ミルクチョコレートのようなマイルドな香りが立ち上がります。
このクッキーのような香ばしい匂いが、多くの人を惹きつける理由です。
クセがなくブレンドのベースとしても重宝される
もし皆さんが市販の豆を飲んでいるなら、高確率でブラジル産が含まれているはずです。
酸味が少なく全体の味をまとめる力が強いため、他の個性が強い豆と見事に調和します。
カフェ・オ・レ用のベースとしても、牛乳の甘さを邪魔せずに引き立ててくれる存在。
毎日飲んでいても飲み飽きない定番として選ばれ続けています。
ブラジル特有の風味を生み出す生産環境と精製プロセス
あの香ばしい味わいを支えているのは、独自に発展した現地のコーヒー農園です。
恵まれた環境や独自の精製手法について、詳しく解説します。
- 標高の低さと広大な農園が酸味を穏やかにする
- 甘みを自然に引き出すパルプドナチュラル精製
標高の低さと広大な農園が酸味を穏やかにする
コーヒーの酸味は、標高が高いほど強くなる傾向があるのをご存知ですか?
ブラジルは他の産地と比べ、農園の平均標高が比較的低くなっています。
広大な平原に日光が降り注ぐことで、豆本来の甘みがゆっくりと蓄積されるのです。
日本の生豆輸入量でもブラジルは1位であり、全日本コーヒー協会の統計資料でも高いシェアが報告されています。
このなだらかな気候条件こそが、尖った酸味を抑え、穏やかな味を育む最大の理由。
甘みを自然に引き出すパルプドナチュラル精製
もし独特の甘みを楽しみたいなら、果肉をつけたまま乾燥させるこの製法に注目してください。
乾燥中に果肉の甘さが豆に染み込み、独特の深いコクを引き出してくれるはずです。
甘さを残しつつ過度な雑味を抑える精製としてとても優れた手法。
水洗式のようにスッキリとしすぎないのが特徴です。
このひと手間が、複雑で甘い香りの源となっています。
ブラジル産コーヒーの等級(サントス)と豆選びの目安
いざ豆を買おうとしたときに、独自のルールを知らないと戸惑う可能性もあります。
購入時に参考にしたい、独自の品質ルールを把握しておきましょう。
- 欠点豆と豆のサイズで決まる厳格なサントス等級
- 味を直接評価する独自のカップテスト
欠点豆と豆のサイズで決まる厳格なサントス等級
なぜブラジルでは「No.2」が最高等級なのか、その理由は「欠点がゼロ(No.1)である農作物はあり得ない」という厳格な哲学に基づいているためです。
No.2からNo.8まで段階的に分類され、数字が小さいほど欠点豆が少なく高品質な証拠です。
サントス港から輸出されるブランドとして、世界中のロースターから高い評価を集めています。
風味を直接評価する独自のカップテスト
サイズだけでなく、味そのものを直接審査する「カップ・テスト」も重視されています。
「Strictly Soft(とても柔らかい)」から「Rio(特有のヨード臭)」まで、6段階の区分が存在することに、驚く人も多いはず。
この厳しい審査を通ることで、安定した味わいの豆だけが厳選されるわけです。
さらに、スクリーンサイズという網目を通した粒の大きさの基準も加わります。
購入する際は、こうした「No.2 / スクリーン18 / Strictly Soft」等の表記を目印にしてみてください。
ブラジルを代表する有名なコーヒー品種とその特徴
ブラジルで栽培されているアラビカ種には、いくつか定番となっている種類があります。
とくに押さえておきたい代表的な品種の個性をまとめました。
- ポピュラーで全体のバランスが良いムンドノーボ
- 甘みが強く豊かなコクを持つカツアイ
- 希少価値が高く上品な甘い香りを放つブルボン
ポピュラーで全体のバランスが良いムンドノーボ
ブラジルでの生産量の大半を占めるポピュラーな品種です。
酸味と苦味のバランスがとても良く、誰が飲んでも美味しいと感じやすい性格を持っています。
ブルボン種とティピカ種を掛け合わせたもので、病気に強いため安定して市場に出回ります。
迷った際はまずこの品種のシングルオリジンを選んでみましょう。
甘みが強く豊かなコクを持つカツアイ
より濃厚な味わいを探しているなら、この交配種を見逃す手はありません。
高収量なムンドノーボとコンパクトなカトゥーラの掛け合わせで誕生し、樹高が低いのも栽培上の嬉しいポイントです。
味の特徴としては、よりはっきりとした甘みと力強いボディを感じられます。
品種や産地をはじめとする専門用語について知識を深めたい方は、コーヒー用語完全マスターもあわせてご覧ください。
赤色のレッドカツアイや黄色のイエローカツアイなどがあり、それぞれで異なる余韻を楽しめるのもポイント。
希少価値が高く上品な甘い香りを放つブルボン
香りの良さで、ブラジルの中でも別格の存在感を放っています。
病気に弱く収穫量が少ないため、国内でも比較的高級品として大切に扱われる品種。
シルクのようになめらかな口当たりと、黒糖のような上質な甘みが感じられるでしょう。
特別な日のご褒美として、休日にじっくりと豆から挽いて味わうという選択をおすすめします。
南米の2大産地「ブラジル産」と「コロンビア産」の違い
南米の2大生産国としてよく比較されますが、両者のキャラクターは対照的です。
コロンビアと比べてどのような違いがあるのか確認していきましょう。
- 香ばしさと全体のバランスを求めるならブラジル産
- フルーティーな酸味と重厚感を求めるならコロンビア産
香ばしさと全体のバランスを求めるならブラジル産
もし強い酸味が苦手なら、ナッツのようなコクが特徴的なブラジルを選んでみてください。
口当たりがスッと軽く、食事やスイーツの邪魔をしません。
朝食のパンと合わせても、3時のケーキと合わせてもすんなりと馴染みます。
深煎りにしても苦味が尖りすぎないため、安定した使いやすさを約束してくれます。
日常的なリラックスタイムにふさわしい一杯になるでしょう。
フルーティーな酸味と重厚感を求めるならコロンビア産
一方の南米コロンビアは、アンデス山脈の高地で栽培されるため豊かな酸を持っています。
柑橘系を思わせるアロマと、どっしりとした重いボディが口の中に広がります。
フルーティーさをしっかりと感じたい日はコロンビアを選ぶとよいでしょう。
コロンビア産コーヒー豆の特徴もあわせてご覧ください。
焙煎度でどう変わる?ブラジルコーヒーの風味の変化
豆本来の味が分かったところで、今度は焙煎による変化に注目してみます。
編集部で実際に深さを変えて試飲した結果を解説します。
浅煎りにするとブラジル特有の香ばしさが薄れてしまうため、中煎り以降で楽しむのがおすすめだと感じました。
- 中煎りはナッツの香ばしさと軽やさが際立つ
- 中深煎りは甘みとコクのバランスが良い
- 深煎りはエスプレッソやカフェラテに合う
中煎りはナッツの香ばしさと軽やさが際立つ
豆の個性をダイレクトに味わいたいなら、ハイロースト程度の中煎りを選んでみてください。
ピーナッツやアーモンドのようなほのかな甘い香りが部屋中に広がるでしょう。
酸味がほとんどなく、スッと喉を通るスッキリした口当たりが楽しめました。
朝の目覚めの1杯として、ストレートで味わってほしいところです。
中深煎りは甘みとコクのバランスが良い
では、シティローストまで焙煎を進めると、味はどう変化するのでしょうか?
火を長く通すことで、まるでチョコレートのような芳醇なコクが顔を出します。
苦味と甘みの立体感が生まれ、飲みごたえがぐっとアップするのを感じました。
個人的には、ブラジルのポテンシャルを最も引き出せるのがこの中深煎りだと思っています。
少しお湯の温度を下げてドリップすると、甘さがより引き立つはずです。
休日の午後でも仕事の合間でもシーンを選びません。
深煎りはエスプレッソやカフェラテに合う
ラテアートを楽しむような場面では、フレンチローストのような深煎り豆がぴったりです。
しかし嫌なえぐみはなく、ビターチョコレートのような重厚なニュアンスへと変化しました。
この状態ならたっぷりのミルクと合わせてもコーヒー感が負けません。
濃厚なカフェオレを作って楽しみたい時にぴったりです。
ブラジルコーヒーの美味しさを最大限に引き出す淹れ方のコツ
ブラジル豆が手に入ったら、抽出の方法にも少しだけこだわりたいところ。
せっかくの繊細なテイストを最大限に活かすため、淹れ方のコツを確認していきましょう。
- 抽出温度は85度前後にして香ばしさを立たせる
- ペーパードリップでスッキリとした味わいにする
抽出温度は85度前後にして香ばしさを立たせる
「お湯の温度は何度がベストなのか?」と悩んだ経験はありませんか?
ここでの一番のポイントは、ブラジルの豆は少し低めの温度でドリップするのが失敗しないコツだということです。
熱湯で一気に淹れてしまうと、本来のマイルドさが飛んで雑味が出やすくなります。
85度程度の少し落ち着いたお湯を使うと、丸みのある甘みが綺麗に抽出されるはず。
沸騰したお湯を別のポットに一度移し替えるだけで、ちょうど良い温度への調整が完了します。
ペーパードリップでスッキリとした味わいにする
たとえば、本来の軽さをシンプルに楽しむならペーパーフィルターが最も適しています。
用意した中細挽きの豆に、円を描くようお湯を注いでみてください。
余分な油分が紙で濾過されるため、スッキリとしたクリアな後味に仕上がります。
難しい技術がなくても安定した味を出せるため安心です。
片付けが簡単なのも嬉しいアドバンテージとなるでしょう。
ブラジル豆と相性抜群のフードペアリング
コーヒーを用意できたら、ペアリングとなる主役の食べ物も探してみましょう。
この豆と合わせるべき最高のお供について、具体的な組み合わせを解説します。
- ブラジル定番のチーズパン「ポンデケージョ」と合わせる
- チョコレート菓子やナッツ類を一緒に楽しむ
ブラジル定番のチーズパン「ポンデケージョ」と合わせる
本場で定番の組み合わせが、このモチモチした食感のチーズパンです。
ポンデケージョの塩気とチーズの香ばしさが、コーヒーの甘みと見事に調和します。
口の中で味が同調するため、お互いの良さをさらに引き上げてくれるはずです。
週末の軽い朝食として用意してみてはいかがでしょうか?
チョコレート菓子やナッツ類を一緒に楽しむ
コーヒー自体が持つアロマに合わせて、マカダミアナッツやアーモンドを用意するのも正解。
とくにミルクチョコレートを使った滑らかなスイーツとの相性は抜群です。
コーヒーの苦味がチョコレートの甘さを中和し、後味をスッキリとさせてくれます。
普段の何気ないおやつタイムが、少しだけ贅沢な空間へとグレードアップするでしょう。
ブラジルコーヒーに関するよくある質問
豆を購入する前によく挙がる疑問点についてお答えします。
ブラジル豆に関する素朴な疑問やルールを整理しておきましょう。
サントスNo.2は最高級のスペシャルティコーヒーですか?
サントスNo.2は世界的に流通しているコモディティ(一般商用)向けの最上級グレードです。
独自のスペシャルティ評価基準とは異なりますが、品質が高くバランスの取れた味わいが保証されています。
焙煎の入門編としても広く用いられる、親しみやすい銘柄として知られています。
ブラジル豆は酸味が少ないというのは事実ですか?
酸味が少なく抑えられているというのは事実です。
広大で標高が比較的低い農園で栽培されるため、土壌や気候の特質によって酸味が作られにくい環境にあります。
酸っぱいコーヒーが苦手な方に最も向いている産地です。
カルディなどで手軽に買えるブラジル豆はありますか?
身近な店舗でも数多くの銘柄が揃っています。
カルディでは「ツッカーノブルボン」など、香り豊かでバランスの良いブラジル産シングルオリジンが定期的に店頭に並んでいます。
買い物のついでに一度探してみるのも楽しい体験になります。
【まとめ】ブラジルコーヒーならではの香ばしい風味を毎日の1杯に
ブラジルのコーヒーは、マイルドでホッとするテイストを求めている方にとって一番の選択肢になります。
- 苦味とコクのバランスが良く酸味が少ないため毎日の1杯として飲みやすい
- ナッツやチョコレートのような香ばしい甘い香りが口に広がる
- 購入時は等級サントスNo.2や中深煎りの焙煎を選ぶと失敗しにくい
- 85度の少し低めの温度で淹れることで甘みを引き立てることができる
産地ごとの個性が強いコーヒーでも、ブラジルはいつでも優しく寄り添ってくれます。
毎朝起きて一番に飲みたくなるような安心感こそが、世界中で愛される理由。
まずは挽きたての中深煎り豆を用意して、部屋中に広がる香ばしさを体感してみてください。
ブレンドの要としても活躍するこの豆の個性に、きっと心惹かれるはずです。
