「夜にコーヒーを飲むと眠れなくなるって本当?」
コーヒー好きなら、夜のリラックスタイムにもあの香ばしい一杯を楽しみたいですよね。でも、睡眠のことが気になって、ちょっとためらうことも。
この記事を読めば、そんな疑問や不安がスッキリするかもしれません。夜のコーヒーが睡眠にどう影響するのか、カフェインの働きから根拠までわかりやすく解説。
さらに、「どうしても夜にコーヒーが飲みたい!」という時のために、後悔しない上手な飲み方のコツもご紹介します。
寝る前のコーヒーの基礎知識
夜寝る前のコーヒーがどうして「良くない」と言われるのでしょうか?基本から見ていきましょう。
「夜はダメ」と言われるのはカフェインの働きと持続時間から
夜のコーヒーが良くないと言われる一番の理由は、カフェイン。目を覚ます効果があって、それが意外と長く続くからなんです。
カフェインを摂ると30分~45分でシャキッとしてきますが、体から半分なくなるまでには平均5時間近くかかることも。
つまり、夕食後のコーヒーが寝る時間まで影響している可能性があるんですね。
量やタイミングが合えばリラックスや血行促進の効果も期待できる
しかし、夜のコーヒーが全部ダメなわけでもありません。飲む量や時間を守れば、ホッと一息つけるリラックス効果や、体の巡りを良くする効果も期待できるかもしれません。
コーヒーの良い香りで脳がリラックスモードになることがわかっていますし、カフェインには血行を良くする働きもあるんです。
夜寝る前のコーヒーと睡眠やカフェインの関係
夜寝る前にコーヒーを飲むと、どうして眠りにくくなるのでしょう?カフェインが脳や睡眠にどう影響するのか、もう少し詳しく見ていきましょう。
カフェインが脳の眠気スイッチをブロックし覚醒させる仕組み
私たちの脳には「アデノシン」という眠気を誘う物質があります。
カフェインはこのアデノシンの邪魔をして、脳を覚醒させてしまうのです。さらに、やる気物質のドーパミンにも影響して、気分を少し良くしたりもします。
深い眠りが減り浅い眠りが増えることで睡眠の質が低下する
ぐっすり眠っているつもりでも、カフェインの影響で睡眠の質が下がっているかもしれません。
特に大切な「深い眠り」の時間が減ってしまうことがあるんです。深い眠りが減ると、いくら寝ても疲れが取れにくい…なんてことになるかもしれません。
大事なレム睡眠も短くなりやすいという研究結果
夢を見る「レム睡眠」も、心の整理や記憶の定着に大切。いくつかの研究では、カフェインがこのレム睡眠の時間も短くしてしまう可能性が言われています。
レム睡眠中の脳の血流をカフェインが邪魔してしまうかもしれないのです。
夜のカフェイン摂取は体内時計を遅らせ朝の目覚めに影響する
私たちの体には「体内時計」があり、毎日同じリズムで眠くなったり起きたりします。ところが、夜にカフェインを摂ると、この体内時計が狂ってしまうことがあるんです。寝る3時間前に濃いエスプレッソを飲むと、眠気を誘うホルモンのリズムが約40分も遅れたという研究もあるんですよ。
甘いコーヒーは体内時計をさらに狂わせる心配がある
さらに気をつけたいのが、お砂糖入りの「甘いコーヒー」。マウスの実験ですが、カフェインに甘味を加えると、カフェインだけよりも体内時計が大きく乱れたという報告があります。
甘いコーヒーは、普通のコーヒーよりもっと注意が必要かもしれません。
夜寝る前にコーヒーを飲むメリット
夜寝る前のコーヒーの良くない面を見てきましたが、実は良いところもあります。
ただし、これは限定的で、多くの人にとっては睡眠へのリスクの方が大きいかもしれません。
コーヒーの良い香りで脳がリラックスモードに変わる
コーヒーの良い香りが、リラックスさせてくれることがあります。
コーヒーの香りを嗅ぐと、脳がリラックスしている時に出る「アルファ波」が増えることがわかっています。飲むのではなく、香りを嗅ぐだけでも少しはリラックスできるかもしれません。
グアテマラ豆などの特定の豆の香りは特にリラックス効果が高い
コーヒー豆の種類によっても、香りのリラックス効果が違うかもしれません。
グアテマラ産やブルーマウンテン産の豆の香りで特にリラックス効果が高かったそうです。もし夜に香りを楽しみたいなら、こんな豆を選ぶのも良いかもしれませんね。
カフェインによる血行促進で疲労物質が排出されやすくなる
カフェインには血の巡りを良くする働きがあります。
血行が良くなると、体の中の「疲労物質」がスムーズに運び出されて、スッキリするかもしれません。しかし、夜にこの効果を期待すると、カフェインで目が冴えてしまう可能性が高いです。
運動後のダルさを温かいコーヒーで和らげられる可能性がある
運動後のだるさを、温かいコーヒーで和らげられたら良いですよね。カフェインには運動中の疲れを軽くする効果があると言われています。
温かいコーヒーならリラックス感もアップするかもしれませんが、夜遅い時間の運動後のコーヒーは睡眠の邪魔になる可能性大です。
夜寝る前にコーヒーを飲むときの注意点
夜寝る前にコーヒーを楽しむなら、いくつか知っておきたい注意点があります。
寝つきの悪化や夜中の目覚めなど睡眠障害の直接的な原因になる
これは夜のコーヒーで一番よく聞く話。カフェインは目を覚ますのが得意なので、寝つきが悪くなったり、夜中に何度も目が覚めたり、トータルの睡眠時間が短くなったりしやすくなります。
たとえ眠れたとしても、実は深い眠りが減っていることも。
カフェインの利尿作用で夜中にトイレに行きたくなることも
カフェインにはおしっこを近くする「利尿作用」があります。
そのため、寝る前にコーヒーを飲むと夜中にトイレで目が覚めてしまうことも。この利尿作用は飲んでから3~5時間くらい続くこともあるそうです。
毎晩の摂取は高血圧や心臓への負担増につながることも
カフェインは一時的に血圧を上げたり、心臓のドキドキを増やしたりすることがあります。
毎晩のようにカフェインを摂り続け、特に飲みすぎると心臓に負担がかかるかもしれません。
もともと血圧が高めの人や、心臓が心配な人は特に注意が必要です。
カルシウム不足の人は骨への影響も考慮が必要
カフェインは、尿と一緒にカルシウムを少しだけ体の外に出しやすくする働きがあると言われています。
普段からカルシウムをしっかりと摂っている人なら心配いりませんが、不足している人や骨が弱くなりやすい人は、カフェインの摂りすぎが骨に良くない影響を与える可能性も考えておきましょう。
夜寝る前でもコーヒーを楽しむコツ
夜寝る前のコーヒーのリスクはわかったけど、それでも「一杯だけ…」という時のために、影響をできるだけ少なくするコツをご紹介します。
寝る4時間以上前、できれば午後の早めの時間が安心ライン
一番大事なのは「いつ飲むか」。一般的には、寝る時間の少なくとも4時間から6時間前には飲み終えるのが良いと言われています。
もっと慎重にいくなら、5時間から8時間前という意見も。例えば夜12時に寝るなら、遅くとも夜8時まで、できれば午後3時くらいまでには飲み終えたいところです。
就寝時刻 | 推奨最終コーヒー時刻 (4時間前) | より安全な最終コーヒー時刻 (6-8時間前) |
---|---|---|
22:00 | 18:00 | 14:00-16:00 |
23:00 | 19:00 | 15:00-17:00 |
0:00 | 20:00 | 16:00-18:00 |
1:00 | 21:00 | 17:00-19:00 |
飲むならマグカップ半分程度、そして温かいものが基本
もし夜に飲むなら、「量」と「温度」にも気を配りましょう。
量はいつもの半分くらい(100ml~120ml)か、もっと少なく。夜ならアイスよりホットがおすすめです。
温かい飲み物は体を温め、リラックスしやすくなることがあります。
ブラックよりミルクを入れることで刺激を少し和らげる
夜に飲むならミルクを入れてみるのも良いかもしれません。
ミルクを入れるとコーヒーの酸味が和らぎ、胃への刺激が少し優しくなることが期待できます。
カフェインの吸収もほんのちょっと穏やかになるかも、なんて話もありますが、カフェイン量自体が減るわけではないので期待しすぎないように。
カフェインへの強さ弱さには遺伝子も関係している
「夜寝る前にコーヒーを飲んでも平気」な人もいれば、「ちょっとで眠れなくなる」人もいますよね。この違いには遺伝子が関係しています。
「CYP1A2」というカフェイン分解スピードに関わる遺伝子や、「ADORA2A」というカフェインが作用する場所の遺伝子のタイプで、影響の受けやすさが変わるのです。
【みんなの体験談】夜寝る前にコーヒーを飲んでみた
科学的な話だけでなく、実際に夜コーヒーを飲んだ人の体験談も気になりますよね。
ここでは、周りで聞いた夜寝る前のコーヒーに関わる体験談をお伝えします。
「やっぱり眠れなくて困った」という多くの人の正直な体験談
「夜遅くまで仕事して夕食後にコーヒー飲んだら、案の定、目がギンギンに冴えちゃって…。ベッドに入っても全然寝付けなくて、次の日本当に辛かったなぁ。」
というようなことがよく聞く話です。特に普段から寝つきが悪い人や、カフェインに敏感な人は、このパターンに陥りやすいようです。
「香りは良いけれど結局眠れなかった」という声も少なくない
「コーヒーの淹れたての香りって本当に癒されるけど、結局その後2、3時間は目がパッチリ。香りは最高だったのに、眠りにはつけませんでした。」
これも、コーヒー好きならではのあるあるな悩みかもしれません。
コーヒーの香りにはリラックス効果がありますが、飲んだカフェインのシャキッと効果を消してくれるわけではないんですね。
睡眠計の記録で「深い睡眠が減っていた」という客観的なデータ
「睡眠計で自分の眠りをチェックしてるんだけど、夜寝る前にコーヒーを飲んだ日は、自分では『まあまあ眠れたかな』って思ってても、記録を見ると明らかに『深い睡眠』の時間が減ってるんだよね。」
といったように客観的なデータに気づく人もいるようです。自覚がなくても、睡眠の質が犠牲になっていることが、意外とあるのかもしれません。
こんな時はダメ!夜寝る前のコーヒーを避けるべきケース
特にこんな場合は、夜寝る前のコーヒーは避けた方が良いでしょう。
もともと寝付きが悪い人はさらに症状が悪化しやすい
普段からなかなか寝付けない人は、夜のコーヒーは特に避けるべき。
カフェインの強い覚醒作用が、ただでさえ難しい寝つきをさらに邪魔してしまいます。
不眠の症状がある人には、専門家も夕方以降のカフェインは控えるようアドバイスしています。
カフェインに敏感な人は少量でも不調が出やすいので注意
ほんの少しのカフェインでも強く反応してしまう「カフェイン過敏症」の人は、夜どころか午後遅くに飲んだ一杯でも睡眠に影響が出ることがあります。
ドキドキしたり、手が震えたり、不安になったり、眠れなくなったりしやすいのです。
自分がカフェインに敏感だと感じているなら、無理せず夕方以降は完全に避けるのが安心でしょう。
高血圧や心臓に持病がある場合は医師への相談が不可欠
カフェインは一時的に血圧を上げたり心拍数を増やしたりするので、高血圧や心臓病の人は慎重になった方が良いでしょう。
飲むなら少量にとどめるべきとされています。自己判断せず、必ずお医者さんに相談してください。
妊娠中や授乳中の女性は赤ちゃんのために摂取を控えるべき
妊娠中や授乳中のママさんは、赤ちゃんへの影響を考えてカフェイン摂取に特に気をつけて。カフェインは胎盤を通りやすく、赤ちゃんは分解能力が未熟なので影響が長く残ります。
低体重などのリスクも指摘されています。
母乳にもカフェインは移るので、赤ちゃんが興奮しやすくなったり寝つきが悪くなったりすることも。夜はもちろん、日中のカフェインも控えるかノンカフェインを選びましょう。
夜寝る前のコーヒーに関するよくある質問
夜寝る前のコーヒーについて、よくある質問にお答えします。
【まとめ】自分に合った「夜寝る前のコーヒー」との付き合い方を見つけよう
夜寝る前のコーヒー、魅力的な香りの裏にはカフェインによる睡眠への影響が隠れています。
寝つきが悪くなるだけでなく、深い眠りが減ったり、体内時計が狂ったりと、睡眠の「量」も「質」も下げてしまう可能性が高いのです。
ですが、反応は人それぞれ。もし夜にもコーヒーを楽しみたいなら、
- タイミング最優先:寝る4~6時間以上前に。
- 量は控えめに:マグカップ半分以下など少量で。
- 種類を選ぶ:安全なのはカフェインレス。ミルクは胃に優しいけどカフェインは減りません。
- 自分の体を観察:飲んだ日と飲まない日で睡眠の違いをチェック。
- 避けるべきケースを認識:不眠気味、カフェイン敏感、持病持ち、妊娠・授乳中、子供やお年寄りは避けましょう。
一番大切なのは質の高い睡眠。コーヒーが邪魔なら見直す勇気も必要です。
この記事が、皆さんがコーヒーと上手に付き合い、元気に過ごすためのお手伝いになれば嬉しいです。