寒い日や、仕事や勉強の合間にちょっと一息つきたいとき、温かい缶コーヒーは最高ですよね。
手に取るだけでホッとして、心も体も温まるあの感覚はたまりません。でも、手軽な缶コーヒーだからこそ、温め方を間違えると、せっかくの美味しさが半減してしまったり、思わぬ事故につながってしまうことも。
この記事では、缶コーヒーを「安全」に、そして「もっと美味しく」温めるためのポイントをお届けします。
基本的な知識から、具体的な温め方、絶対にやってはいけないNG例、そして「これってどうなの?」という疑問まで、わかりやすく解説していきましょう。
缶コーヒーを安全に美味しく温めるための基本
温かい飲み物がくれるあのホッとする感じ、いいですよね。
特に缶コーヒーは手軽なので、ついつい手が伸びちゃいます。しかし、温め方にはちょっとしたコツと注意点があるんです。
温かい缶コーヒーによるホッとする時間と効果
温かい飲み物を手にすると、まずその温かさで心がなごみますよね。実際に、温かいものは体をリラックスさせて、気持ちを落ち着かせる効果があると言われています。
体が温まると、自然と肩の力も抜けて、穏やかな気分になれるでしょう。
それに、体を温めることは生理痛の緩和にも良いみたいで、温かい飲み物で痛みが和らぐこともあるそうです。血行が良くなって、筋肉の緊張がほぐれるからかもしれませんね。
温め方を間違えると味が落ちたり事故につながることも
手軽さが魅力の缶コーヒーですが、温め方を間違えると、せっかくの風味が台無しになったり、思わぬ事故につながることも。
例えば、変な加熱の仕方をすると、コーヒーの良い香りが飛んでしまって、嫌な苦味や酸味が出てしまうかもしれません。
それだけではなく、やり方によっては缶が破裂したり、熱い中身が飛び散ってヤケドしたり、電子レンジのような家電を壊してしまう危険もあるんです。
これは絶対ダメ!缶コーヒーの温めで危険なこと
缶コーヒーを温めるとき、これだけは絶対にやってはダメ!という危険な方法がいくつかあります。
もしやってしまうと、大きな事故やケガにつながるかもしれないので、しっかり覚えておきましょう。
直火で温めると缶が破裂したり有害なものが出るかも
缶コーヒーをコンロの火やキャンプファイヤーなどで直接温めるのは、絶対にやめましょう。
缶は密閉されているので、直火で急に熱くすると中の圧力がグンと上がって、缶が破裂したり、熱いコーヒーが勢いよく噴き出したりする危険が高いのです。
さらに、缶コーヒーの缶は、直火で温めるようには作られていません。
缶の内側には、コーヒーと金属が反応しないように特別なコーティングがしてあることが多いのですが、これにはビスフェノールA(BPA)という化学物質が含まれていることがあります。BPAは、体に良くない影響があるかもしれないと言われている物質なのです。
直火のような高い温度にさらされると、このコーティングが壊れて、BPAがコーヒーに溶け出してしまうかもしれません。
缶ごとレンジに入れると火花や故障、破裂の危険が高い
缶コーヒーを缶のまま電子レンジで温めるのも、絶対にやめてください。
金属の缶は電子レンジのマイクロ波を反射してしまうので、庫内でバチバチッと火花が出ることがあります。
この火花は、電子レンジを壊す原因になるだけではなく、火事になってしまう危険も。
火花が出なくても、マイクロ波で缶や中身が均一に温まらなくて、中の圧力が急に上がって缶が破裂する危険もあります。
レンジでの飲み物加熱は「突沸」で熱湯が飛び散るため要注意
電子レンジで飲み物を温めるとき、たとえ缶から耐熱容器に移し替えたとしても、「突沸(とっぷつ)」という現象には気をつけてください。
突沸というのは、液体が沸点(お湯が沸騰する温度)を超えてもブクブク泡立たずに、見た目は静かな「過加熱状態」になって、そのあと、容器を動かしたり、スプーンを入れたり、何かちょっとした刺激で、いきなり爆発するように激しく沸騰して、熱湯が飛び散る現象のこと。
見た目は穏やかに温まっているように見えても、中はとても危険な状態になっていることがあるので、ひどいヤケドの原因になってしまうんですね。
突沸を防ぐためには、こんな点に注意しましょう。
- 温めすぎない(飲み物専用のボタンがあればそれを使う、手動なら時間を短めにする)。
- 口の小さい容器(マグカップとか)で温めるときは特に気をつける。
- 温めすぎたかな?と思ったら、すぐ取り出さないで、電子レンジの中で1~2分くらい待ってから取り出す。
- 取り出すときや、砂糖なんかを入れるときは、顔を近づけないように気をつけて。
安全で簡単な缶コーヒーの温め方おすすめ3選
危険な温め方を避ければ、缶コーヒーを安全に、しかも手軽に温める方法はちゃんとあります。
ここでは、特におすすめの方法を3つご紹介しますね。
湯煎は風味も守れて缶のまま安全に温める定番の方法
缶コーヒーを缶のまま温めるなら、一番安全でポピュラーなのは「湯煎(ゆせん)」です。
このやり方だと、コーヒーの風味も損なわれにくいし、多くの飲料メーカーもおすすめしていますよ。
- 鍋ややかんにお湯を沸かします。
- 必ず火を止めてから、缶コーヒーを熱湯に入れます。沸いているお湯に缶を入れると、缶の中の圧力が上がりすぎるかもしれないので、やめましょう。
- 缶コーヒー全体がお湯に浸かるようにして、5~10分くらい置きます。UCC上島珈琲さんでは、90℃のお湯で10分くらいが目安だそうです。
- 時間が経ったら、ヤケドに気をつけながら缶コーヒーを取り出します。熱くなっているので、トングや布巾を使うといいでしょう。
この方法のポイントは、火を止めたお湯の余熱でじっくり温めること。
こうすることで、缶が急激な温度変化にさらされるのを防いで、中の圧力が上がりすぎるリスクを減らせるのですね。コーヒーの風味も穏やかに温められるから保たれやすいと言われています。
レンジなら中身を耐熱カップに移して短時間で手軽に温めOK
電子レンジはとっても手軽な温め方ですが、先ほども述べたように、缶のまま温めるのは絶対にやめましょう!
電子レンジを使うなら、必ず缶コーヒーの中身をマグカップのような電子レンジOKの耐熱容器に移し替えてから温めましょう。
- 缶コーヒーを開けて、中身を電子レンジ対応の耐熱カップに移します。
- ラップはしないか、するならふんわりとかけるくらいに(突沸のリスクを避けるため、ピッタリ閉めないように)。
- 加熱時間は短めにして、様子を見ながら調整しましょう。普通の500W~600Wの電子レンジで、1杯分ならまずは1分~1分半くらいから試してみるといいでしょう。
- 突沸を防ぐために、温めすぎないことが一番大事です。
- 温め終わったら、すぐ取り出さないで、庫内で1~2分くらい待ってからそっと取り出します。こうすることで、熱くなりすぎた液体が落ち着いて、突沸のリスクを減らせるのですね。
電子レンジでの加熱は手軽ですが、コーヒーの風味が湯煎に比べてちょっと落ちやすいかもしれないと言われています。
専用グッズにはUSBウォーマーや車で使える物もあり保温に便利
冷めてしまった缶コーヒーを温め直すというよりは、温かい状態を長くキープする(保温する)のに便利なのが、専用のウォーマーグッズです。
これらのグッズは、だいたい低温でゆっくり保温するのが目的なので、冷たい缶コーヒーを一気に飲み頃の温度まで温めるほどのパワーはありません。
- USBカップウォーマー:パソコンのUSBポートなどから電気をもらって、デスクで缶コーヒーや紙コップの飲み物を保温できます。平たいプレートタイプや、カップを包むスリーブタイプなどがありますね。
- 車載用ドリンクウォーマー:車のシガーソケット(12V電源)を使って、ドリンクホルダーで缶コーヒーなどを保温できます。
- バンドウォーマー:缶に巻き付けて使うヒーター付きのウォーマーです。
- 保温ボトル・保温ケース:温めた缶コーヒーを入れておけば、電気を使わずに保温できるアイテムです。特にアウトドアなどで役立ちそうですね。
こういったグッズは、オフィスでゆっくりコーヒーを飲みたいときや、ドライブ中などに便利です。
ただ、製品によって使える缶のサイズや形(底が平らなものなど)が違うことがあるので、買う前にチェックしましょう。
温め方で味はどう変わる?缶コーヒーを美味しく飲むコツと温度
缶コーヒーを温めるとき、やり方や温度によって味が変わることがあります。
美味しさを最大限に引き出すためのコツと、ちょうどいい温度について見ていきましょう。
加熱しすぎると香りが消えてコーヒー本来の味が台無しに
コーヒーの魅力といえば、あの豊かな香りですよね。この香りのもとになっているのは、とてもデリケートな成分なのです。
そのため、コーヒーを急に熱くしたり、長い時間温めすぎたりすると、この大事な香り成分が飛んでしまって、結果的に味気ない、のっぺりしたコーヒーになってしまうことも。
それに、温めすぎは嫌な苦味や焦げたような味、あるいは「煮詰まった感じ」や「舌がピリピリするような酸味」のような良くない味が出てくる原因にもなりかねません。
コーヒー豆を煎るときには、メイラード反応やカラメル化という化学変化で美味しい風味が生まれるのですが、もう出来上がったコーヒーを温め直すときに、これらの反応が進みすぎると、かえって味が悪くなってしまうのですね。
美味しさを求めるなら、ただ温めればいいというものではなくて、コーヒーの繊細な成分を壊さないように気をつける必要があるのです。
ミルク入りは高温で成分が変わりやすいから優しく温めて
ブラックコーヒーと比べて、ミルクや乳製品が入っている缶コーヒーは、温めるときにもう少し気を使う必要があります。
牛乳に入っているタンパク質や脂肪は、コーヒーの成分よりも熱に弱い性質があるのです。
特に、牛乳タンパク質の一種であるホエイプロテインは60℃以上で質が変わってしまいやすいので、高い温度で温めるとタンパク質が変質して、舌触りが悪くなったり、表面に膜ができてしまうことがあります。
それに、乳脂肪も高い温度で長い時間温められると酸化しやすくて、これが嫌な味や古くなったような味の原因になることも。
なので、ミルク入りの缶コーヒーを温めるときは、ブラックコーヒー以上に優しく、低い温度でゆっくり温めるように心がけましょう。
美味しさを保つなら低温でゆっくり均一に温めるのがコツ
缶コーヒーに限らず、コーヒー本来の美味しさを保ったまま温め直すための共通のコツは、「低い温度で、ゆっくりと、均一に」温めることです。
急に温度を上げると、コーヒーの命とも言える香り成分が飛んでいってしまいます。それに、一部分だけ熱くなりすぎると、焦げ付きや意図しない化学変化が起きて、苦味や雑味の原因になることも。
低い温度でゆっくり温めることで、これらのリスクをできるだけ抑えて、コーヒー全体をムラなく温めることができるのですね。
この点で、湯煎は理想的な方法の一つと言えるでしょう。お湯を介して間接的に、しかも穏やかに熱を伝えるので、コーヒーへの負担が少ないのです。
飲むのにちょうど良い温度は55℃から65℃、自販機もこのくらい
温かいコーヒーを一番美味しく感じる温度というものは、だいたい55℃から65℃の間くらいと言われています。
このくらいの温度だと、口にしたときに心地よい温かさを感じつつ、コーヒーの香りや風味もしっかり楽しめる、バランスのいい範囲なのですね。
日本の自動販売機で売られているホット缶コーヒーも、この温度を目安に設定されていることが多いのです。多くのメーカーでは、ホット飲料の基準温度を55℃くらいにしています。
飲み物というものは、冷やしすぎると甘みや風味を感じにくくなるし、逆に温めすぎるとすぐ飲めなかったり、繊細な風味が飛んでしまったりするので、この温度がちょうどいいとされているのですね。
自分で缶コーヒーを温めるときも、この55℃~65℃を目指すと、自販機で買うような「ちょうどいい温かさ」を再現しやすくなりますよ。
缶コーヒーの温めに関するよくある質問
缶コーヒーの温め方について、みんなが「これってどうなの?」と思うことをQ&A形式で解説しますね。
【まとめ】正しい温め方を知って安全に美味しい缶コーヒーを楽しもう
温かい缶コーヒーは、手軽に心と体を温めてくれる、とても魅力的な飲み物ですよね。でも、その温め方ひとつで、美味しさが大きく変わったり、時には危ないことになったりもするのです。
この記事で見てきたように、絶対にやってはいけないのは、缶のまま直火にかけることと、缶ごと電子レンジに入れること。
これらは缶が破裂したり、良くない物質が溶け出したり、火事や電子レンジの故障といった困ったことにつながる可能性があります。
安全に温めるためのおすすめの方法は、「湯煎(火を止めたお湯で)」と「中身を耐熱カップに移して電子レンジで(突沸に気をつけながら)」です。
この記事で紹介した知識と方法を参考に、缶コーヒーの温め方をマスターすれば、いつでも安全に、そしてもっと美味しく、心温まる一杯を楽しめるはずです。